アクチュアリティ・日本
1月7日のシャルリ・エブド襲撃事件以来、ISISが日本人二人を含め多くの人質を殺害する映像をネット上に流し、一昨日はデンマークで再び「表現の自由」が標的になるテロが起きて、「テロ」の二文字で2015年が幕を開けたことは非常に悲しく、また将来に大きな暗雲と不安を募らせるものだ。もともとは2001年9.11のあと、アメリカが起こしたイラク戦争から今のISISの出現への流れがあるし、これまでアメリカや有志連合の空爆がイラクやアフガニスタンにむごたらしい被害を出し、一般市民の死者は数十万、あるいは数百万人にも上るといわれるほどの想像を絶する殺戮を行っていることを凝視しなければならないはずだろう。日本人の人質が惨殺される前の日本は、自国が中近東の殺戮に加担してはいなかったし、関係もなかった。これからも加担してはならないし、テロに火を注ぐ側に立ってはならない。こうした戦火を目の前にし、やりきれない日本の政治について、今日は二つほど武田邦彦さんの音声、そして、報道ステーションの取材による再生エネルギーを阻む政府、を聞く。(S.H.)
イスラム過激派、フランス人人質を惨殺
2014年9月24日、アルジェリアで人質になっていたフランス人、エルヴェ・グルデル(55歳、登山専門ガイド)がイスラム過激派によって斬首された。エルヴェ・グルデルは4日前に山歩きをするために10日間の旅行予定でアルジェリアを訪れていたが、イスラム過激派ジハードに捕まって人質となった。フランス人拘束の声明が発せられたと同時に、アルジェリア政府は軍隊1500人およびサーマル・カメラや犬などの装備を総動員して捜索していたが、功を奏さなかった。先のアメリカ人とイギリス人の斬首のときと同じようにビデオがネットにのせられた。ニュースではこのビデオを公開しないが、内容は、覆面4人の武装した男たちに囲まれた人質エルヴェ・グルデルが、「フランソワーズ、エルワン、アヌーク、両親へ、愛しています」という家族への短いことばを発した後、一人の男が、「フランスのイラクへの武力介入を糾弾する」と言って、人質の首を切り落とした4分ほどのものだ。エルヴェ・グルデルの惨殺のニュースはフランス中を駆け巡って国民を震撼とさせた。…