アクチュアリティ
DSK、TV出演 - アメリカから帰郷したドミニク・ストロス=カンは9月18日日曜、フランスの民放TF1の夜8時のニュース番組に招待され、初めてフランス国民の前でこの5月に起きたニューヨークのソフィテルでの婦女暴行事件に関する釈明をした。ナフィサトゥ・ディアロとの関係についてDSKは、「暴力的なことなどは一切起きなかった」としつつも、「この関係は、倫理に欠けていたことから発したもので、自慢ができることではない」と、TV視聴者の前で一種の告白ともいえる発言をして、DSKとナフィサトゥ・ディアロの間に何かがあったことが周知の事実となった。TV局の外では、暴行事件の被害者団体の女性たちが集まり、DSKの非難を大声でするなどしていた。実際、DSKが逮捕されて以来、各地の婦女暴行被害者組織やフェミニズム団体の活動が活発化している。 DSKの初のTV告白があったこの日のニュースは、全国の視聴者数が1400万人に上ったとされ、最高の視聴率を記録。フランス人の20%以上がこの生放送を見ていたことになる。(TF1TV、BFMTV) イタリアの経済危機、ベルルスコーニ首相の信用失墜 - 発行体格付けをするスタンダード&プアーズ(スタンダード・アンド・プアーズ、Standard & Poor’s、S&P)社が今日、イタリアの格下げを決定。ヨーロッパ経済への心理的影響が大きくなった。 二度にわたる救済策と大きな犠牲にもかかわらずギリシャの負債が緩和できずにいるヨーロッパ連合は、この10月にギリシャ救済を続けるかあるいはギリシャの倒産を認めてユーロ圏から脱退をさせるかの瀬戸際にあって、大きな破綻があきらかになったイタリア経済の危急でさらに足を引っ張られる形になっている。格下げの原因は、シルヴィオ・ベルルスコーニ首相の統率者としての能力が疑われていることによるものだ。 イタリアのあとはフランスが経済危機の大波を真正面から被るというのがもっぱらの経済評論家たちの予想だ。 ギリシャ国内では、消費税高騰23%へ。所得税増税など。にもかかわらず政府の金作の滞りは、国内6000の企業がほとんど納税せず、収入の違法処理が増加しているためと言われる。アテネの道行くギリシャ人は、「ギリシャが倒産なんて、大嘘さ」「どっちみちどうにかなるわよ」とヨーロッパの心配をどこ吹く風。 S&Pによる発行体格付け: フランスAAA、アメリカAA+、イタリアA+からAに、アイルランドA-、ポルトガルBBB-、ギリシャは最低のCC。 フランスの大手銀行の行方 - ギリシャやイタリアへの巨額貸付にかんする返済の見通しがきかないフランスの大手銀行は、フランス国内の企業への貸付金を出し渋る傾向にあり、国内産業の進展に大きな障碍となり始めている。 Les Restos du coeur - レスト・デュ・クール(心のレストラン)と呼ばれる貧困者救済レストランは25年前にコメディアンのコルーシュの呼びかけによって設立し、母子家庭や失業者、移民などの貧困者の食事を賄う。昨日、ヨーロッパ連合はレスト・デュ・クールへの援助を30%カットすることを決定し、大きな衝撃を与えている。貧困者への食料費カットに、フランス農業及び食料大臣、ブリューノ・ルメールが早速ブラッセル入りし、EUの決定に抗議を申し込んだ。EUの食料量援助に頼る人口は、ヨーロッパで1800万人、フランスには400万人いる。ブラッセルのヨーロッパ議員はこのまま食糧援助をストップしたい意向らしいが、多くの食料援助依存者のいるフランスは、10月上旬のサミットで再検討を申請する。 アルツハイマー治療に光明 - アルツハイマー病における最初の病変部位で知られる大脳辺縁系の一部の海馬の萎縮をストップさせる希望の分子構造が明らかとなった。アルツハイマーの初期に当用すると45%の記憶回復の希望があると言う。この分子構造は新しいものではなくすでに重症患者に利用されていたが、あまり効果がなく軽視されていた。研究者が174人のアルツハイマー初期患者に当用して好結果を得たもの。 世界の天候 - 台風一過、また日本の本州南部に台風接近。(フランス2TV)
21世紀のフランス大衆文化
21世紀の青天の霹靂はまだある。TVやラジオから英語が頻繁に聞こえ始めてきたことだ。 フランスのプロテクショニズムは、フランス全体の雇用のみならず、一般が接する大衆文化面においても顕著だった。たとえばフランスのテレビはアメリカや外国の番組を輸入して放送しているが、放送に際しては主題曲やあるいは主人公の名前までもフランス語に直して、フランスの番組のように仕立て上げるのが普通だった。日本で《奥様は魔女》と邦題したエリザベス・モンゴメリー主演の古いホーム・ドラマがあるが、夫役の「ダーリン」は「ジャン=ピエール」とフランス流に改名されている。サマンサもフランス発音のサマンタになり、タバサもタバタとなる。ラジオで聞くマイケル・ジャクソンは「ミカエル・ジャクソン」とディスク・ジョッキーが紹介した。こんなふうに、フランスのTVラジオといった一般のメディアがこぞってフランス語圏以外の固有名詞をのこらずフランス語にして発音していれば、一体どういうことになるか想像がつくだろうか。…