フランスから―環境とアートのブログ

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環境「闘争」- オバマとトランプ

環境「闘争」- オバマとトランプ

環境レガシーをどこまで守れるか、オバマ大統領、政権交代を目のまえに対策を急ぐ −北極のエコシステムを聖域に。アメリカのオバマ大統領は、大西洋と北極海のアメリカ領海でガスと石油の掘削を永久に禁止すると発表した−  オバマ大統領は12月20日(火曜日)、北極海と大西洋の広い領域での石油等化石燃料の掘削禁止を命令した。大統領として最後の意思表明となるものだ。ホワイトハウスでの仕事が終わるまでちょうどあと一ヶ月、オバマ大統領は絶滅危惧種の植物や動物のいる地域を聖域化して守り、環境に携わったその業績をここで完遂しようとしたもようである。環境政策でオバマ大統領と対立する後継者ドナルド・トランプ氏が、就任の暁には原油の抽出規制を撤廃して経済政策へ最大限活用することを公約したことへ、オバマ大統領が半ば軽蔑を込めて反逆をした形だ。(ル・モンド)

アクチュアリティ、環境異変と被害

フランスのニュースに、ここ数日毎日取り上げられている話題: ロシア - 130年ぶりという毎日40度を越す酷暑が一ヶ月続き、あちこちで火災発生。消し止めてはまた発火を繰り返し現在国中で300箇所が燃え続けている。今までに焼失した森林や村など、合わせて50万ヘクタール以上。国レベルの緊急事態と化した。モスクワは数日前から近隣の火災で煙が充満し、燃焼物の臭気が町中に漂っている。 パキスタン - モンスーンが原因の洪水で1500人以上が死亡、300万人が家を失う大被害が出ている。コレラなど伝染病が発生し、国家的緊急事態に外国からの援助がはじまった。アジアの洪水はそのほかインド、中国などで大きな被害を出している。 アメリカ - 原油流出事故で汚染が進んでいたメキシコ湾の海底油田の壊れた給油パイプをセメントで埋めるトップ・キル作戦が再びBPによって開始され、良好な見通しに、オバマ大統領は流出終了の演説を行った。BPがトップ・キルのためセメント流入を続け、最後の最後まで徹底的に油田を壊滅させるボトム・キルが終了するまで、10日かかるという。事故発生から今日まで流出した原油の量、80万トン。大量の原油が海中のみならず地面に吸い取られ、汚染の状況把握はこれから。また海面の原油分解薬など大量の薬品が同時に海に撒かれていることから来る今後のエコシステムへの影響なども調査が始まるもよう。 フランス - きのうから全国46県(フランスの県は96県、したがって約半分)に干ばつ警報が発せられ、あらゆる地区で使用水量制限が進められている。あちこちで川が干上がり、すでにとうもろこしや麦などにおおきな被害が出ているほか、放牧中の乳牛の食用草まで日照りで枯れて激減している。

Day 80 -原油汚染

メキシコ湾原油汚染。責任は誰に? Who’s to blame ? msnbc, us news : http://www.msnbc.msn.com/id/21134540/vp/38157093#38155995

Day 79、メキシコ湾原油汚染

広がる汚染へのりアクション、対策は?MSNBC us news playlist: http://www.msnbc.msn.com/id/21134540/vp/38137327#38115125

USA原油汚染

41日間、毎日毎回、フランスのニュースが時間を割いて追いかけているニュースは、アメリカのメキシコ湾の石油汚染だ。もちろんフランスだけではなく世界中が注目している史上最大の環境汚染であるが、どういった方法で油田からの噴出が食い止められ、将来この海をどんなかたちで浄化できるのか。失われつつあるこの海の原形は、いったい取り戻せるのだろうか。ほんとうの意味で人間の最先端科学技術の真価が問われるのは、こうした自然を相手にしたときなのではないだろうか。 メキシコ湾海底油田の原油汚染ビデオ。BPのトップ・キル作戦失敗 - Video from ITN NEWS (UK) : US oil spill ‘top kill’ efforts fail 「アメリカ政府はなぜ、驚くほど無力?」と、きのうのニュースはなぞを伝えようとしたが、ワシントンのフランス駐在員の説明では、どうも石油会社BP に事後処理責任をすべてとらせようとしたことが現状のおおもとらしい。BPは実際、何度も食い止めようとした方策が失敗した。「元から危険とわかっている海底油田開発にかんし、BPは何も事故対策を持たないアプランティ・ソルシエ(魔法使いの見習い)だった」とはフランス2・テレビの発言である。アプランティ・ソルシエとはフランス人がよく使う比喩で、自分の魔法がかってに一人歩きして止められなくなる、自分の能力以上のことをして災害を招くことをいう。 1989年3月、エクソン・ヴァルデーズの180000トンの原油を積んだタンカーが事故を起こし、原油がアラスカの海を汚染した。この事故の際も動物とその環境が大きな被害を受けた。アシカの群れが油の海に取り巻かれてないているのをテレビのチョッパーが映し出し、それだけで胸が痛んだが、「それだけで」とここでいうのは、アメリカのエコロジストが10年後、取材でアラスカを訪れ、海岸の石を拾い上げてみると、その下はまだ真っ黒な石油が層をなしていて現実の汚染のありさまをまざまざと見せつけていたからだ。 BPのメキシコ湾事故では、トップ・キルの失敗で原油の噴出量が増え、一日2百万から5百万リットルという原油(フランステレビ発表)が流出している。BPがほかのストラクチャーをつくりそこから原油をくみ上げるとしているが、くみ上げステーションができるのは8月だという。またすぐにでも応急手当はするという話しだが、今までの失敗からするとバンドエイド程度のものだろう。ステーションができる8月まで、いったいどれだけの原油がどこまで汚染するのだろうか。 ABC NEWS 5月31日付 「1億700万ガロン流出」(English version)