マクロン政府へ不信つのる、環境破壊に歯止めなし
我々は環境政策の「危険な後退の時代」に入った パリ協定に加え、マクロン政権は環境アクテイヴィストのニコラ・ユロを環境大臣にし、政府もろとも地球保護へ邁進するはずではなかったか?元環境大臣のコリーヌ・ルパージュ(Corinne Lepage)は、「2017年にマクロンを支援するよう他へ呼びかけたのは間違っていた。政府の環境政策は私たちを、現実の選択肢とは全く逆方向の危険な後退の時代へと導いている」と警告する。
イスラム過激派、フランス人人質を惨殺
2014年9月24日、アルジェリアで人質になっていたフランス人、エルヴェ・グルデル(55歳、登山専門ガイド)がイスラム過激派によって斬首された。エルヴェ・グルデルは4日前に山歩きをするために10日間の旅行予定でアルジェリアを訪れていたが、イスラム過激派ジハードに捕まって人質となった。フランス人拘束の声明が発せられたと同時に、アルジェリア政府は軍隊1500人およびサーマル・カメラや犬などの装備を総動員して捜索していたが、功を奏さなかった。先のアメリカ人とイギリス人の斬首のときと同じようにビデオがネットにのせられた。ニュースではこのビデオを公開しないが、内容は、覆面4人の武装した男たちに囲まれた人質エルヴェ・グルデルが、「フランソワーズ、エルワン、アヌーク、両親へ、愛しています」という家族への短いことばを発した後、一人の男が、「フランスのイラクへの武力介入を糾弾する」と言って、人質の首を切り落とした4分ほどのものだ。エルヴェ・グルデルの惨殺のニュースはフランス中を駆け巡って国民を震撼とさせた。…
アクチュアリティ、チェルノブイリ原発事故、25周年
チェルノブイリ原発事故、25周年 - チェルノブイリ原発第4号機は、夜中の1時23分に爆発した。25年後の4月25日夜、ウクライナのチェルノブイリ原発の石棺近くに約300人が集い、事故で亡くなった人たちの慰霊祭を開いた。当時、事故収束のために働いたリキダター(片付け屋)も参加し、「あれから仲間のうち61人が亡くなった」、「当時は自分の身を守るより、ほかの人たちの安全のために働くほうが先だった」と回顧した。チェルノブイリ原発で仕事をしたリキダターは、83万人。うち12万人が死亡。石棺の中にはいずれはすべて廃棄しなくてはならない200トンもの核燃料が放射線を出し続けている。石棺の周辺の居住禁止区域では、現在も50倍から100倍の放射線量が測定できる。 フランス政府は何故、「放射能の雲は国境を越えてフランスには入ってこなかった」と嘘をついて、ヨーロッパのほかの国が行ったように放射能から国民を守るための対策をまったく取らなかったのか、あのときの政府の嘘はいまだに理解ができない。現実には放射能の雲はフランスを覆い、特にコルシカ島やドローム県(ローヌ・アルプ地域)方面などを汚染した。25年経った今、フランスの病理統計では甲状腺がんが4倍に増えている。当時ドローム県で薬草栽培を生業にしていたある女性はチェルノブイリ原発事故後、庭のタイムが2300ベクレルという高濃度の放射線に汚染されていることをCRIIRAD(Commission de recherche et d’information indépendantes sur la radioactivité: 放射能に関する自主研究と情報委員会。チェルノブイリ事故後に創設した)から突然手紙で知らされたという。また、甲状腺がん患者の女性は、「あの時庭に自家栽培していた野菜を食べていましたから、そのせいじゃあないかと・・・」と放射能に対する疑いをぬぐいきれない。問題は、がんの原因について、放射能だけが原因だと言い切れないことだ。ある医師は、「いろんなファクターがあり、農薬とか殺虫剤とか、ホルモンの関係とか。放射能は可能性の一つとして考えられるだけ」ともいう。チェルノブイリ事故直後CRIIRADを創設し現在ヨーロッパ議会議員となったミシェル・リヴァズィは、当時の政府の嘘を糾弾して、「子供とがんと、それからヨウ素の関係をちゃんとつかんで、取るべき処置を政府がちゃんと取らなければならなかったんですよ。放射能の雲が国境を越えなかったなんて、がんも国境を越えなかったというんですか!」(フランスTF1 TV昼のニュース) フランス政府に対し、甲状腺がん患者たちが協会を結成して、損害賠償を求める動きが高まっている。(フランスTF1 TV夜のニュース) My opinion: 1986年4月は、社会党が全国地方選挙で雪崩のように大敗し、社会党のミッテランを大統領に、内閣はシラク首相以下保守一色となって保革共存政権が確立したばかりで、シラク内閣は、それまでの社会党政治をストップさせて保守色に塗り替えようとしていた時期。 注記:TF1 TVとほかのフランスTVなどで引用されるチェルノブイリ関係の数字に若干差があるが、そのときどきの放送の内容に忠実に翻訳することにしている。(S.H.)