アクチュアリティ・経済
1月13日金曜の夜、アメリカのスタンダード&プアーズ社が、フランスの発行体格の格下げに踏み切る - 発行体格付けとは、国債や社債などの債券を発行する発行体(この場合、国)の信用リスクの順位をA、B、Cの記号で表すもので、アメリカのスタンダード&プアーズ社、ムーディーズなどのその方面の専門の会社が国際経済の均衡の中で格付けをおこなっている。フランスはユーロ圏の経済危機のみならず、負債額の増加、国内のインフレが激しく、一ヶ月まえにスタンダード&プアーズ社から格下げの警告を受けていたが、今回、今までの最高レベルAAAからAA+へ、一段階の格下げが宣告され、これまでの危惧が現実となってしまった。経済の先行きが暗いばかりではなく、国民総生産の40%に値する大きな負債をかかえ、これが迅速に解消できない場合には、近い将来もう一段階の格下げの危険性を孕んでいる。 今回の格付け見直しによる格下げは、ヨーロッパ連合のほとんどの国が蒙っており、なかでもイタリアは今までのAからBBBへ二段階の格下げとなり、大きな痛手となるもよう。またその反対に、EUの中でも経済成長の優等生はドイツで、トリプルAを保持し続ける。…
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スタンダード&プアーズ、許せない過ち - 発行体格を決めるアメリカのスタンダード&プアーズが、「誤って」フランスのトリプルAの格下げを発表。あちこちでフランスの格下げが話題となり、ヨーロッパの経済危機を背景にしたフランスの信用を揺るがす結果となりかねない当社の誤りに、ヨーロッパ議会は騒然とした。怒りを表明するとともに損害賠償を要求することになりそうだ。(フランス2TV)
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DSK、TV出演 - アメリカから帰郷したドミニク・ストロス=カンは9月18日日曜、フランスの民放TF1の夜8時のニュース番組に招待され、初めてフランス国民の前でこの5月に起きたニューヨークのソフィテルでの婦女暴行事件に関する釈明をした。ナフィサトゥ・ディアロとの関係についてDSKは、「暴力的なことなどは一切起きなかった」としつつも、「この関係は、倫理に欠けていたことから発したもので、自慢ができることではない」と、TV視聴者の前で一種の告白ともいえる発言をして、DSKとナフィサトゥ・ディアロの間に何かがあったことが周知の事実となった。TV局の外では、暴行事件の被害者団体の女性たちが集まり、DSKの非難を大声でするなどしていた。実際、DSKが逮捕されて以来、各地の婦女暴行被害者組織やフェミニズム団体の活動が活発化している。 DSKの初のTV告白があったこの日のニュースは、全国の視聴者数が1400万人に上ったとされ、最高の視聴率を記録。フランス人の20%以上がこの生放送を見ていたことになる。(TF1TV、BFMTV) イタリアの経済危機、ベルルスコーニ首相の信用失墜 - 発行体格付けをするスタンダード&プアーズ(スタンダード・アンド・プアーズ、Standard & Poor’s、S&P)社が今日、イタリアの格下げを決定。ヨーロッパ経済への心理的影響が大きくなった。 二度にわたる救済策と大きな犠牲にもかかわらずギリシャの負債が緩和できずにいるヨーロッパ連合は、この10月にギリシャ救済を続けるかあるいはギリシャの倒産を認めてユーロ圏から脱退をさせるかの瀬戸際にあって、大きな破綻があきらかになったイタリア経済の危急でさらに足を引っ張られる形になっている。格下げの原因は、シルヴィオ・ベルルスコーニ首相の統率者としての能力が疑われていることによるものだ。 イタリアのあとはフランスが経済危機の大波を真正面から被るというのがもっぱらの経済評論家たちの予想だ。 ギリシャ国内では、消費税高騰23%へ。所得税増税など。にもかかわらず政府の金作の滞りは、国内6000の企業がほとんど納税せず、収入の違法処理が増加しているためと言われる。アテネの道行くギリシャ人は、「ギリシャが倒産なんて、大嘘さ」「どっちみちどうにかなるわよ」とヨーロッパの心配をどこ吹く風。 S&Pによる発行体格付け: フランスAAA、アメリカAA+、イタリアA+からAに、アイルランドA-、ポルトガルBBB-、ギリシャは最低のCC。 フランスの大手銀行の行方 - ギリシャやイタリアへの巨額貸付にかんする返済の見通しがきかないフランスの大手銀行は、フランス国内の企業への貸付金を出し渋る傾向にあり、国内産業の進展に大きな障碍となり始めている。 Les Restos du coeur - レスト・デュ・クール(心のレストラン)と呼ばれる貧困者救済レストランは25年前にコメディアンのコルーシュの呼びかけによって設立し、母子家庭や失業者、移民などの貧困者の食事を賄う。昨日、ヨーロッパ連合はレスト・デュ・クールへの援助を30%カットすることを決定し、大きな衝撃を与えている。貧困者への食料費カットに、フランス農業及び食料大臣、ブリューノ・ルメールが早速ブラッセル入りし、EUの決定に抗議を申し込んだ。EUの食料量援助に頼る人口は、ヨーロッパで1800万人、フランスには400万人いる。ブラッセルのヨーロッパ議員はこのまま食糧援助をストップしたい意向らしいが、多くの食料援助依存者のいるフランスは、10月上旬のサミットで再検討を申請する。 アルツハイマー治療に光明 - アルツハイマー病における最初の病変部位で知られる大脳辺縁系の一部の海馬の萎縮をストップさせる希望の分子構造が明らかとなった。アルツハイマーの初期に当用すると45%の記憶回復の希望があると言う。この分子構造は新しいものではなくすでに重症患者に利用されていたが、あまり効果がなく軽視されていた。研究者が174人のアルツハイマー初期患者に当用して好結果を得たもの。 世界の天候 - 台風一過、また日本の本州南部に台風接近。(フランス2TV)
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経済 - アメリカの株式債権発行体の格付けをするスタンダード&プアーズ社が、アメリカの格下げを決定。世界におけるアメリカの発行体格が史上初、最高レベルのAAAからAA+になり、負債14兆ドルをかかえる未曾有のアメリカの経済危機を象徴することになった。AAAからAA+へ、大きな差は認められないにしてもアメリカおよび世界への大きな心理的打撃はまぬかれない。 株価下落 - 世界の株価が10日連続下落。二年ぶりの最悪を記録。アメリカの負債、ヨーロッパの負債のみならずその背景にある綱渡り状態の経済不安定が大きく影響。 フランスの失業率9.6% - 6月は33000人の失業者増加。272万人の失業者をかかえるフランスは失業率9%を割るのが当面の目標だ。 闘争で荒れるアフリカからの難民激増 - 一昨日、闘争で荒れるリビアから船で逃げ出した難民がNATOの巡視船に見つかった。イタリア領のランペドゥーザ(Lampedusa)島は、地中海のアフリカとヨーロッパ大陸のあいだにあり、アフリカから命からがら出港した難民はひとまずここにたどり着く。今回見つかったリビアからの難民は、寒さと飢えで90人近くが船上で死亡し、生存者が死体を海に投げ込んだもよう。この20年で約2万人がアフリカからランペドゥーザ島を目指してやってきており、難民の救済と同時に移民の受け入れ処理にイタリア政府は頭を悩ましている。アフリカの「アラブの春」闘争と戦争によるヨーロッパ方面への難民は激増の一途を辿っており、こうしてヨーロッパにたどり着く難民はイタリアのみに留まらず、フランス、スペイン、ドイツなどへ広がっていく。 (フランス2TV、BFMTV、8月4日から7日まで)