2013年7月12日17時14分、パリ、オステルリッツ発リモージュ行き列車「コライユ」が、通過駅だったパリ南方のエソンヌ県ブレティニィ・シュル・オルジュで脱線事故を起こした。通過時、列車は制限速度内の時速137kmで走っていたが、事故の原因はまだ分かっていない。ウィークエンドの金曜の夕方で、列車は満員だった。一夜明けた今日、TF1TVでフランス国鉄SNCF会長、ギヨーム・ペピィが事故後の対応を説明。
脱線は駅の150mほど前方にある転轍機付近で起きた模様で、一両目が脱線した後、3両目の車両が前方車両から外れて猛スピードのまま4両目とともに跳ね上がるようにブレティニィ・シュル・オルジュ駅のホームに乗り上げ、続く4台の車両も衝撃とともに煙を上げて横倒しになった。事故後すぐさま、50台の救急車が発動。200人の消防士が列車の下敷きになっている負傷者の捜索に当たった。列車は週末の夕方でもあり、満員で370人が乗車していた。現在のところ6人が死亡。30人が大怪我、うち9人が重症。130人以上が救急隊の保護を受け、またほかの乗客も精神的なショックを緩和するための医療チームのケアを受けるなどしている。
問題は、車両二台が激しい勢いで駅のホームに乗り上げ、次にやってくるはずの郊外線RER、C線に乗り込もうとホームで待っていた人たちを巻き込んだことだ。列車とホームの間に挟まっている人がいないか、捜索は夜を徹して行われた。
また、パリ中の病院は即座に緊急体制をとり、怪我人の収容に勤めている。
この事故の影響で、パリ、オステルリッツ駅から出発する後続の列車はすべて運行中止となり、約2万人の足に影響が出た。パリ郊外線RERのC線も不通。(フランス2TV、BFMTV、TF1TV)
・夜中のBFMTVから:捜索は続行中。内務大臣、首相、また、オーランド大統領が20時に駆けつけ、TVコメントが行われた。現場では残念ながら、少数の少年が事故直後に散らばったハンドバッグやその他の貴重品を盗んだり、また作業中の消防士に石を投げるなどの行為が見られた。
・7月13日、TF1TV昼のニュースで、SNCFフランス国鉄会長、ギヨーム・ペピィが事故原因について語った。「脱線は、ホームから200m前にある転轍機のあたりで起こったことから、線路をつなぐ役目をする鉄の接合部品に問題があったのではないかと調査団が注目している。転轍機の検査は定期的に行われており、最近も点検が行われていたはずだが、これらの検査内容が確かなものであったかどうか、また、老朽化による危険度の増加がないかどうか、今後の事故対策のためにも、全国の10万個の転轍機部分について、これから検査を行うつもりだ。また、事故が起きた列車の運転士は、反対側から来る列車との衝突を避けるべく、機転を利かせて即座に警報機を作動した」と明らかにした。
点検は7月4日に行われており、事故の30分前に通過した列車は異常を発見しなかった。
13日正午、各国鉄駅で、1分間の黙祷。
キャトルズジュイエのバカンスを目指して旅行に出る人の足はストップ。オステルリッツ駅は本来なら7万5千人の乗客でにぎわう筈だが、ほとんどの列車は運行中止となった。「自分の列車がこうした目にあうかもしれなかったですよね」と、九死に一生を得た思い。(TF1TV)
注記: TV局、またジャーナリストによって、数字や叙述に多少の食い違いがあり、上記の翻訳の数字は現実とは合致していない場合があります。(S.H.)