フランスのアーティスト紹介、Marie Denis マリー・ドニ
1972年、ローヌ・アルプ地方アルデッシュ県ブール・サン・アンデオル市生まれのフランス人。パリ在住。リヨン国立美術学校卒業後、1999年ヴィラ・メディチに招聘される。マリー・ドニの彫刻やオブジェは、何気ない材料を利用しつつ現実にある規則や知識、目安といったものを転倒させて思わぬ姿に変貌させ、詩的世界に浸るように仕向けられるものばかりだ。
「私の制作には、牡蠣が真珠を作り出すように、私にとって生きるものから発せられる興奮や合理性だけでは説明のつかない現実からくる印象のすべてが糧となっている。つまり、偶発的なことが思わぬ喜びを作り出すのです」というマリー・ドニ。その直截な発想と作品は、すぐに見るものの心を掴み取ってしまう。
[作品]
「私は、材質や形に美しさの気品を感じるヘレニズム的な形が好きです。材料や用途を切り変えたりずらして置き換えたりする私なりの方法で、ものに対する眼差しを活性化してもらうことを期待しています。
また、驚かす効果や、それによって起きる喜びが好きで、特に作品から喜びが湧き出すことは大事だと思います。見る人に戸惑ってもらい、またその後でひらめいたように〈あー、そうだわ! この意味がわかった〉と言ってくれるとき、現実がひとつの詩的世界に作り変わったと思えるわけです。
つまり、栄養です。私が作り出す形は、現実をわたしがどう感知しているかを見せるための提示なのです。」 マリー・ドニの手記(2013年4月23日)
パリ、ギャラリー・アルベルタ・パンヌで個展開催中、2013年5月11日まで。
http://www.galeriealbertapane.com/
MARIE DENIS - LUCY
April 6th – May 11th 2013
OPENING Saturday 6th April 2013 from 5pm to 9pm.
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ロデズ市デニィ・ピュシュ美術館展覧会、批評文マガリ・ジャンテ、2009:
Marie Denis revendique des gestes et savoirs faires d’un autre temps. Que ses objets soient hand-made ou non n’a pas d’importance. Ce qui se joue dans son univers c’est l’anachronisme et le télescopage des situations, cette façon qu’elle a de renouer avec l’artisanat traditionnel auquel elle insuffle un nouvel imaginaire technique et formel. Cette manière d’associer les dextérités surannées aux usages contemporains : nature morte, art floral, mais aussi ferronnerie, couture, osiéristerie, origami génèrent autant de sculptures, d’objets micro ou macro, qui ré exhaussent le quotidien avec une simplicité saisissante….
(Magali GENTET extrait du texte de l’exposition Denys-Denis, Musée Denys-Puech/Rodez hiver 2009).