欧州のアーティスト紹介:

Michel Blazy ミシェル・ブラズィ

1966年モナコ生まれ。パリ在住のフランス人アーティスト。

スパゲッティや野菜など食物を利用したインスタレーションで知られるミッシェル・ブラズィは近年、台所の食べ物がカビで覆われたり、じゃがいもやトマトのピューレが乾いて薄いからからの皮になり皹が入って落ちるようすや、洗濯に用いる洗剤が泡を出すようすなど、日常の家庭で起きることをひろいあげ一種の装置を作って小さな出来事でしかなかったものへ命を吹き込み作品にする。

「あるとき瓶詰めのソースを開けて、残りがあったので蓋をしそのまま数日外出して帰ってきたとき、ビンの中がカビで充満してました」というミシェル・ブラズィは、絞ったあとのレモンの皮を積み重ね時間の経過を経てカビで覆われて青黒くなった作品はよく知られている。

ミシェル・ブラズィ Photo: Shigeko Hirakawa

現在、パリの現代アートのスペースとして知られるベルナダン中学で、壁面に沿って足場を組み、泡立て機で洗濯剤の泡を出し続けるインスタレーションを見せる展覧会「ブーケ・フィナル」が開催されている(2012年7月15日まで)。

ブーケ・フィナル Photo:S.H.

ブーケ・フィナル Photo:S.H.

ショーモンのアートと自然現代アートセンターでは、箒を地面に立てた作品「Le jardin de sorgho(モロコシの庭)」を制作した。箒はモロコシの茎で作られたもので先にはモロコシの種がついたままである。時間が経つと種が地面に落ちて芽を出し、若葉を出した。「昔、箒を買って庭にほったらかしていたら、地面から芽が出たことがあって…。そんな古い記憶を引き出しから引っ張り出しました」というミシェル・ブラズィ。箒は生のままで雨風に当たって腐っていくが、新しい芽が地面から生え始めて命の転換をみせる。人間が自然から借用した材料が自然に再び返る、という自然の恩恵をバックにしたものだ。

Le jardin de sorgho、Photo:S.H.

Le jardin de sorgho、Photo:S.H.