増税:

昨日のメキシコG20サミット会議で、イギリスのデーヴィッド・キャメロン首相が「フランスの新政策、75%増税でお困りのフランスの企業で、イギリスにおいでになりたい企業は大歓迎をします」と壇上で述べて、フランソワ・オーランド大統領に苦い顔をさせた。フランスのサパン財務大臣は、ジャーナリストにどう思いますかと訊かれて「さあ、聞いていませんでした」とにこにこしながらとぼけて返事を回避するなどして外交手腕を発揮(?)した。年間収入百万ユーロ以上の高額所得者に75%の増税をすることがフランソワ・オーランドの大統領選挙公約のひとつであったから、大金持連中はオーランドが当選するや、ベルギーの弁護士に矢継ぎ早に電話をしてフランスからベルギーへの資本の移動をもくろむなど躍起なようすがTVで報道されたのが一ヶ月前のことである。17日の国民議会選挙で社会党が圧勝してそのまま社会党の政策が実行の段階へ移ることが確実になり、一層金持ちの気持ちが焦る最中、キャメロン首相は「(フランスより税率の低い)イギリスへ税金を払いにおいでください」とG20で発言したわけだ。この発言にたいしフランスは、「イギリスはフランス企業を横取りする気(?)」と疑いを向けた。…

それでなくてもフランスの高額所得者への課税は高いらしく、テニスのヤニック・ノアなどは引退直後一時期スイスに移住していたほどである。「テニス選手の寿命は長くてもせいぜい10年ですから、稼いだものをできるだけ温存しないといけなかったわけです」とノア。

企業ばかりではなく、フランスには一週間で2000万円以上を稼ぐサッカー選手がいる。75%の増税で収入の4分の3が税金で取られることになるというから、近々バタバタとサッカー選手が外国に売られていくことになるだろう。(フランス2TVの話題から、S.H.)