ロシア、アメリカの決定を糾弾

米国は12月22日金曜日、ウクライナ政府が領土「主権」を確保できるよう、同国への防衛援助を強化すると発表した。米政府はウクライナへ、過去オバマ政権が禁止した対戦車ミサイル「ジャベリン」などの武器援助を決定。3年半にわたるウクライナ東部の分裂闘争に関与した疑惑が持たれるロシアへの国連の経済制裁が6カ月延長されることになった直後のこのアメリカの決定は、すでに困難なロシアとの関係をさらに複雑にする可能性がある。

12月7日にウィーンで開催されたOSCE会議においてティラーソン国務長官は、この時点ですでにアメリカの決議概要を提示しており、 「今日、OSCEが直面している課題の中で、ウクライナの状況ほど困難で絶望的なものはない」とし、「ロシアがドンバス地域に影響を与え続ける限り、アメリカは欧州連合と足並みをそろえ、制裁を解除することはない」と約束した。また、ティラーソン国務長官は、2017年にウクライナ東部で殺害された市民の数が2016年に比べて増加したことを指摘し、理論上の停戦違反が60%増加したことを証査。国務長官は、「ロシアが反政府勢力側について戦い、指揮をして戦いを拡大させているという暴力の根源を、われわれは明らかにすべきだ」と述べた。

アメリカの武器支援は、「新たな血の海を誘発する」と、ロシア。一方、ウクライナ政府はアメリカ支援を歓迎している。

アメリカ軍の援助

ロシア副外務大臣のセルゲイ・リアブコフは、「今日アメリカは、ウクライナ政府を新たな血の海に陥れようとしている。ドンバスでは毎日銃撃戦が行われ、反動分子は平和交渉をするどころか反駁する市民を消滅させたがっている。そこへアメリカが、彼らがそれを遂行できるように武器をやることを決めた」。もう一人の副外務大臣グリゴリ・カラシヌは、「この決定は、2015年のミンスク協定の遂行を覆す」とし、フランス、ドイツおよびロシアの仲介で行われている和平交渉を参照して、これまで行われてきたウクライナへの政治努力の基礎を揺るがすものだと述べた。

一方、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領は、この「待望の」アメリカの決定を賞賛。「ウクライナの兵士が手にするアメリカの武器は攻撃をするためのものではなく、侵略者に断固として立ち向かう防衛を効率に行うためのもの」と同氏はFacebookに書いている。

2015年2月にミンスクで締結された平和協定のおかげで戦闘は終わりに近づいてはいるが、境界線では、定期的に停戦が行われているにもかかわらず、衝突が続いている。

(ル・モンド電子版、フランス24電子版から)

http://www.lemonde.fr/donald-trump/article/2017/12/23/washington-va-fournir-des-armes-letales-a-kiev_5233776_4853715.html#hHXdYeHxHctAodc4.99

http://www.france24.com/fr/video/20171224-armes-letales-le-soutien-washington-est-tres-attendu-ukrainiens