42年で、脊椎動物が58%減少
2016年10月27日、WWF(World Wildlife Fund)が発表した「生きている地球レポート2016」によると、1970年から2012年の42年の間で、地球上の脊椎動物の減少が全体の58%に及んでいることがわかった。この生物消滅の速度は、恐竜の消滅以来の重大さ、と専門家が警告する。(フランス2TV、BFMTV、ル・モンド電子版、WWF)
「生きている地球レポート2016」:http://awsassets.panda.org/downloads/lpr_living_planet_report_2016_summary.pdf
地球の「健康状態」を調べる目的で、ロンドン動物学会(Zoological Society of London)とグローバル・フットプリント・ネットワーク(NGO)が組織協力し、 哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類など地球上の脊椎動物3 706 種に属する14 152生物集団を観測して、2年毎にまとめる報告書の第11巻目が、10月27日に発表された。
それによると、1970年から2012年までに、地球の脊椎動物の58%が消滅したという。このまま何もしないと、2020年には67%が消滅してしまう計算だ。
地上のクマ、ゾウ、サイなどの動物は38%減少。海洋の魚類は36%減少。いずれも乱獲や密漁などが主な原因である。想像を絶する減少が見られるのは、淡水に生きる動物たちだ。
淡水に棲息する生物減少は81%
都市化やダム、巨大農法などによる人間の活動が、カエルやサマランドなどの小動物が生きる自然な淡水環境を破壊してしまったこと、また人間活動が排出する環境汚染、農薬などによる被害が甚だしい。淡水生物の消滅は81%という過酷な数字が出た。
「淡水魚や生物の激減は、海洋生物や陸上生物へも大きな影響を及ぼします。もちろん、その悪影響は人間へ返ってくる。人間こそが危機に瀕していると言える」と、パリ水族館館長。
地球は45億年の昔から、何度か生物の消滅事態に陥った。一番最近のそれは、6500万年前の隕石の落下が原因とされる恐竜の消滅だ。現在、人間活動が原因で、第6回目の生物大量消滅に入ったという学者もいる。人間は消滅する生物の一部であることを自覚し、手遅れにならないうちに責任と行動を取る必要がある。
http://news.sky.com/story/warning-of-mass-extinction-like-dinosaurs-as-wildlife-declines-10633712
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