フランスから―環境とアートのブログ

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フランスの社会と日常

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教員削減、1万6千人 - 2011年度教育省予算が施行される新学期の9月には、国公立小中高校の1万6千人の教員削減が行われることになっている。これで過去5年間で合計6万6千人が削減される計算となる。フランスの国債赤字および欧州連合の赤字による各分野一律予算削減が教員削減の大本の原因であるが、大幅な教員削減は国公立教育にますます重圧をかけることになる。フランスは現在ヨーロッパ一出産率が高い国となり、爆発的なベビー・ブームを記録している。2011年度は幼稚園児1万4千人、中学高校生6万2千人の生徒の増加が見込まれており教育の現場を拡大する必要があるにもかかわらず、教員削減やクラスの閉鎖などといった現実に逆行する政府の政策による現状悪化は、国民の大きな怒りを買っている。「いくら予算削減といっても、教育は別ですよ。国がちゃんと保障するところは保障していかないと・・・」。教員不足によるクラスの閉鎖でクラスは合併せざるをえず、今までの倍数の生徒を受け持たなければならない教員たちは、現在も大きな問題となっている落ちこぼれがますます増加することを懸念。教員組合は、政府糾弾のデモを繰り広げる予定だ。「これからです」とは、教員組合の組合員。 コルシカ島で雪 - 昨夜、オート・コルスで大雪。地中海の南の島コルシカ島に大雪が降り、ところによっては積雪80cmを記録した。一昨夜はコートダジュールに近いエックスで積雪している。 モネ展、月曜まで夜間も開館 - パリの国立ギャラリー、グランパレでクロード・モネ展が170点の代表作を集めて行われているが、展覧会終了間際のこのウィークエンドは、特別に夜間も開館して最終日の24日月曜日まで24時間入館客を受け入れている。外気が0度前後という寒さのなか、グランパレの玄関外の行列は数時間待ち。すでに、このモネ展は85万人の入場を記録しているが、このノンストップ開館でさらに30万人の動員が見込まれている。ちなみに、月曜までのノンストップ開館時は入館無料。 Le parisien Grand palais ベルギー、ブラッセルで政府糾弾のデモ3万人 - 「ベルギーは小さい国ながら人間の懐が広かったのが誇りだったが、今は了見の狭い人間たちのおかげで小さい国がよけいに小さくなっている」、とはベルギー国会がオランダ語圏とフランス語圏の対立で停滞して今日で220日目になるベルギー国民の嘆き。しびれを切らした国民がブラッセルに集まり、国会運営をストップさせている国粋主義政党を糾弾して集会を開いた。7ヵ月半も休業して何も進まない政府に対し、インターネットで「税金返せ!」の署名運動も広がるありさま。「ヨーロッパ連合の中心になった国は今、ヨーロッパの恥になりさがった」。オランダ語圏とフランス語圏の対立は国を真っ二つにする分断への討議を余儀なくしている。(フランスTV)

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ベルギーの政治危機、きょうで213日目 - ベルギー国会がオランダ語圏とフランス語圏の対立で真っ二つに割れ、首相が昨年辞任してから今日まで、実に213日も国会運営が停滞している。「ベルギー人でいるのが恥ずかしいです」、「もう、いやんなっちゃうわね、この国」とはブラッセルの市民の声。

アクチュアリティ、放火

車の放火 - 三が日が終わっても車の放火件数が発表されないという異例の事態に、メディアが積極的に反応。今日はラジオ情報チャンネルのフランス・アンフォが明日発刊される日刊紙ル・モンドの内容を先取りして、車の放火に関する数字を発表した。1990年代からストラスブール郊外で始まった車の放火は次第に全国に伝染し、フランスの都市周辺の危険性を示すシンボルのようになっている。以来毎年、大晦日やキャトルズジュイエに大方の放火が集中しているが、実際の数字を県ごとに集計していった結果、2010年一年間で、全国で総計4万2千台の車が放火されているという結果が出た。フランスでは放火による犯罪で、一日平均115台の車が破壊されている計算だ。国立犯罪調査局によると、警察に届けだされる放火件数は実際の事件件数の5分の一という推測も出ている。(フランス・アンフォ・ラジオ)

2011年、年始の数字

2010年、世界の数字: 中国地震、アイチ地震、ロシア大火など、2010年に起きた世界的天災の件数、950件。例年より30%増加。自然の猛威による災害で29万5千人が死亡。 世界一悲観的な国民、フランス人: BVA Opinion(市場・世論調査インスティテュート)の世論調査で、フランス人が社会に対する悲観度で世界一、と発表した。失業問題は解消しないと思う人は国民の81%(前年度より2%増)を占め、福祉後退を悲観する人73%(7%増)、政治に悲観的な人53%(7%増)、物価高騰、などなど。総合的に61%のフランス人(10人に6人)が将来に悲観的という調査結果が出ている。フランスは、イギリスの53%、スペインの41%を大きく上回って、悲観度で世界一。ちなみに世界レベルは28%。 政府が公表したくない数字: 2010年12月大晦日は大過のないよう、フランスは5万4千人の警察や機動隊をくりだして全国警備に当たった。年末年始、またキャトルズジュイエなどに「恒例」の壊し屋による車の放火騒ぎを防ぐ目的がふくまれている。ところが今年は、三が日を過ぎてもフランスのメディアはどこも大晦日に放火された車の台数を発表していない。原因の一つは、オルトフー内務大臣が「数字をあげつらって毎年競争のように数字を発表する必要はない」として公表しないようにしたからであるが、大臣の態度は却って事実隠蔽の疑惑を呼び、大臣を糾弾する向きすらでてきている。 フランスのTVのジャーナリストたちは判で押すように「大晦日は無事過ぎた」と同じ表現をしているのだが、実際は一夜で501人が逮捕され、2009年大晦日より100人多い数字を記録。また、パリとパリ近郊の4県で合計120台の車が燃やされている(前年度2009年は198台)。一方、ストラスブールの郊外では車の放火に関し、「いつもと同じひどさ」と地方警察が発表。 フランス内務省による記録では、2009年12月31日から2010年1月1日にかけて一夜で放火され破壊された車の台数は、全国で1137台にものぼっている。4日前の大晦日はどれだけの車が破壊されたのか、この数字は1月中にほかの犯罪と混ぜて犯罪統計のなかで発表される予定だという。(フランス・アンフォ・ラジオ)

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謹賀新年 2011 En images, le tour de France des réveillons TF1 Télévision 2010年12月31日大晦日

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雪、雪、雪、雪また雪 - 11月下旬から断続的に降り続いている雪はいつ止むのかわからない。メテオフランスの情報どおり週末からまた全国的に雪が降りはじめた。空の足は先週末から大混乱を極め、予想以上の積雪があった日曜から月曜にかけてすでに飛行機の発着が混乱し、パリ近郊のロワシー空港までたどり着いた人たち約3000人がそのまま動くこともできず、いつ発つかわからない飛行機を待って空港の床で寝るなどして一夜を明かすという事態に陥った。「近辺のホテルは満員だし、もう少し遠くまで行こうと思っても雪でバスも出ないというから仕方ないです」、「一番ひどいのは、誰も何の情報もくれないことで、自分の飛行機が出るのか出ないのかもさっぱりわからない」とロワシー空港の旅客たち。 故郷や自宅で聖夜を過ごそうとする人たちでごったがえす12月23日からきょう24日にかけて、列車はかなりな遅れがあるものの何とか運行しているが、 空港の混乱は続いており、15分毎に流れる「空港においでのお客様は、このままお家にお帰りください」という構内アナウンスに、「冗談じゃない、うちに帰るためにここにいるんだ」と旅客の怒りも爆発。「こうやって待っているのに、まったく何の案内も情報も無いのが一番つらいですね」。空港の電光掲示板は電気を切られて役に立たず、あいかわらずの情報欠如でカウンターで待つ人たちの行列が続いている。24日は、オルリー空港、ロワシー空港で35%から50%の飛行機が運航中止。 不凍液不足 - いったん飛行機に搭乗したが何時間たっても離陸せず、5時間閉じ込められたあと飛行機から下ろされた、という旅客がいっぱい。不凍液が無くなり、飛行機の翼が凍結しないように不凍液をふりかける作業ができなくなったためで、新しい不凍液を運んでくるアメリカやイタリアなどのカーゴ到着を待つことになった。この事態で離陸不可能になった飛行機が続出し、23日夜も空港側から配布された簡易ベッドと毛布に包まって、約2000人がロワシー空港で夜を明かした。 12月24日の今日は東フランスを中心に、アルザス・ロレーヌ、ローヌ・アルプ、サントル、ロード、タルヌなどの地方、約20県で積雪注意報。アルデンヌでは昨夜から40cmの積雪があり、地域の道路は通行不能となっている。ナルボンヌは強風注意報。 メテオフランスは過去20年間で今年の冬が一番寒いと発表。「すでに数年前、ロシアやアメリカの科学者が地球温暖化説のなかで、温暖化が進むと北半球に寒波が訪れるという説を発表しているが、その通りの現象が起きている。これは、大雑把に言うと暖かい空気と冷たい空気が入れ替わるためで、北極を暖めている大きな停滞高気圧を旋回して北極の湿気を含んだ寒気がヨーロッパや北アメリカへ下りてくることが原因となっている」(フランスTV)。 寒波のあとはいったい何が起きるのだろうか。

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  強迫観念、「雪」 - 先週の大雪で数万人が雪の道路で立ち往生して車の中で夜を明かすなどして大混乱がおき、適切な処置をとらず市民に迷惑をかけたとして政府の責任が問われて以来、メテオフランスの積雪注意報は強迫観念のように当局や国民に取り付いてしまった。各地域の責任者は雪が降る前から準備万端。先週の混乱を二度と繰り返さないように、軍隊や機動隊のトラックまで各地で巡回して警備に当たった。昨日はアルザス、ローヌ・アルプ地方など内陸部で大雪。陸送トラックは一番に犠牲者となり、あちこちで数百台が足止め。アルプスのスキー場では積雪30cm、ブルターニュのフジェールでは20cm以上の積雪で雪かき。「年々、積雪がひどくなって、雪かきにも慣れてきましたね」とフジェール市民。イル・ド・フランスではようやく昨日の夜から雪がちらついているが、積雪は3cm程度となっている。月曜まで、全国35県に積雪注意報。 年末年始のバカンス、きょうから - 今週末は年末年始のバカンスに入る。大雪で旅行に出る人たちの足が混乱。(フランスTV)

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引き続き今週末も大雪 - 先週大きな交通マヒを引き起こした雪であるが、また木曜あたりから今週末まで降りだすもよう。メテオフランスは要警戒を呼びかけている。すでにオーベルニュなどの地方で積雪。あちこちで零下7度から8度を記録している。

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大雪 - 先週から全国各地で断続的に降り続いていた雪であるが、12月8日午後13時あたりから本格的にフランスの北、国土の4分の一にあたる地域に降りだし、あっという間に15cmほど積雪して大交通マヒを引き起こした。この日、メテオフランス(フランス気象庁)は積雪3cmという発表をしており、オルトフー内務大臣がTVで「雪による混乱はありえないから心配は要らない」と公言したばかりで、まったく当局の準備がなされていなかった。雪が降り出して3時間後の午後4時には市街地ばかりではなく高速や自動車道が混乱し、特にパリ西部のポン・ド・セーブルからベルサイユ方向に出ている国道118が動けなくなった車でいっぱいになった。国道118はパリの出口から大きな坂道を上らなければならず、あちこち高低が大きい。ポン・ド・セーブルから7km先のショッピングセンター、ヴェリズィ・ドゥー、またベルサイユの先数kmは動けなくなった数千台の車で埋まって交通止め。運転者たちは車の中で一夜を明かすはめになった。国道沿いにあるショッピング・センター、ヴェリズィ・ドゥーは車を乗り捨てて非難した人々が7000人にもなり、緊急避難所に変貌。パリ近郊で最悪の「遭難者」をだした。遭難者たちは「自動車道なのに、道路管理者による塩撒きもなければ、誰も助けに来ない」と憤慨。「オルトフー大臣の、混乱は無い、ってのは何なんだったんですかね」と政府を皮肉る人も。 ちなみに積雪による大量の遭難者を出したのは、2003年1月4、5日以来のことという。地上の交通のみならず、ロワシーやオルリーの飛行機発着も滞り、航空便は大半が運休して、旅客者は航空周辺のホテルに宿泊するか、ホテルが取れなかった人たちは空港の床に寝るなどの事態となった。国道や空港以外の郊外地の通行の難儀は言うに及ばない。 翌9日、フィヨン首相はフランス気象庁にたいし予報が間違っていたことを指摘して気象庁に矛先を向けたが、気象庁はこれを突き放し、市民や組合は、積雪に対して行われなけばならなかった当局の対応がまったく欠如していたことが市民に大きな迷惑をかけたとして、政府に引責を促す態度をとっている。 いまだに雪は解凍せず、道路が凍って各所で危険地帯が発生している。(フランスTV)

有色人種の政治家誕生、2007年

さてフランスの政治の話である。 フランスがアルジェリアを独立させた1960年代、アルジェリアを含めフランスの旧植民地のアフリカ人たちが大量にフランス国内へ流入してフランスの職業を脅かし始めたため、フランス政府は慌てて政策を立てたというフランスの労働法に関するTVの歴史番組が数年前にあった。おっ、これは大事、と思いながら番組を見たが、録音もせずまたメモもしなかったため、このとき制定された法律の名前も制定年もはっきりしないのが残念至極である。しかしここでは今のフランスを説明するのに重要と思われるため、あえて引用をしたいと思う。 1960年代に制定された労働法に関する法律とは、雇用について、「フランス人でなければならない職業」を分別し明文化したもので、あらゆる職種をこと細かく分類し、全職種の20%以上の職業、殊に、教育、政治、公務員管理職、公社の管理職、医療、司法その他、指導的立場に立つ職業に就く者はすべてフランス人でなければならない、という内容で成立したものだ。職種の「20%」というのだが、当時のフランス社会は公務員社会という形容にふさわしく、国が大多数の株を所有して采配していた大手企業はもとより、私企業は少数派にすぎなかったため、就職口の絶対数から言えば、フランスの大多数の雇用がかかわっていたとみなさなければならないだろう。こうして法的に一線を設けることで、フランスは外国人の侵略からフランス人の雇用を保護した。…

黒人ジャーナリスト誕生

フランス初の黒人TVジャーナリスト登場は2006年 ここ4、5年のフランスの目だった変化のひとつに、報道関係や管理職、また政治に有色人種が登用され始めたことが挙げられるだろう。 フランス語の外国人という意味の「エトランジェ」ということばには独特の響きがある。どこか一種、放浪者のような身の軽やかさをかかえた人々を思わせるところがあって、美しくさえ思えたのはフランスに来る前のことだった。フランスに来てからは自分がエトランジェと呼ばれる立場になって、意味するところががらりと変化した。旧被植民地国からの移民や経済移民、また亡命などでフランスには大量の外国人がいる。正統なフランス文化を守ろうとするフランス人にとっては外国人とは何なのか。…

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寒波 - フランス全土に寒波来襲。先週のローヌ・アルプ県の積雪に引き続き、一昨日からコート・ダルモール(英仏海峡近県〕で大雪。積雪が70cmを超えた。雪は全国的に降っており、北フランスは零下2度から3度を記録。今週末は若干温度が緩むものの、来週もまた寒くなるという。高速や地域では陸送トラックがあちこちで足止め。現在28県に積雪注意報が発令されている。(フランスTV) この寒波はフランスだけではなくヨーロッパ大陸全体を覆っており、中央ヨーロッパ、特にポーランドなどを中心に死者60人を出した。バルカン半島で洪水、また、イタリア、ベニスでは海水が異常に上昇して通常の水位を140cm越し、市内に浸水している。 My opinion: 以前、「地球温暖化が進むとヨーロッパは寒くなる」、という学者の報告書が出て笑ったことがあった。この積雪と寒波。温暖化による空気中の水分の量の変化と気流の変化による異常な寒波の発生によってこの学説がうらづけられたということか。おかしなことが現実になるにつけ、あたふたとそれに対応しなければならない。パリはきょうも厚い雪雲に覆われ雪が降り続いている。 12月5日夜、異常な積雪があったコート・ダルモールの中でもシェルブールが、気温が緩んで雪が融け、1949年以来の大洪水に見舞われた。

アクチュアリティ、内閣改造

フランスの内閣改造、11月14日、日曜夜発表。第三期、フィヨン内閣誕生。 2007年のサルコジ当選当初からフランソワ・フィヨンが首相を努め、安定した人気を獲得していたフィヨンが第三期首相の座を獲得した。フランスの政治上、一番長い任期をつとめる首相となる。 新内閣の特徴は、社会党のベルナール・クシュネールが退き、またスポーツを担当していたラマ・ヤッド、都市政策担当フェデラ・アマラが外れて、多様性を失った保守中心の構成。37のポストが30へ減少した。 2010年11月14日誕生、第三期フィヨン内閣の内容: ウィキペディア (仏語) 2012年の大統領選挙にかんし、社会党からマルチーヌ・オーブリィ、保守からサルコジが立つと、僅差でサルコジが負け、もしサルコジではなくフィヨンが立つと、僅差で社会党に勝つ、という予想が立っている。保守が人気を保つかどうか、フィヨンは要のキー・パーソンだ。

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年金法改革反対デモに際し、10月19日から3日間続いたリヨンやナンテールの暴動の様子