フランスから―環境とアートのブログ

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Posts tagged "報道"

アクチュアリティ・Le Zap

フランス2TV 2013日6月11日夜のニュースから: ・[一般市民の買い控え、60年ぶりの消費後退] INSEE(Institut national de la statistique et des études économiques、フランス国立統計経済研究所:インセ)が公表したところによるとフランス一般家庭の購買率が1949年以来はじめてマイナスになった。経済危機が続いているフランスで、戦後初めて0.4%の消費率の減退をみせ、必需品だけに絞って生活を切り詰める姿が浮き彫りになった。

アクチュアリティ・日本 震災から二年

2013年3月11日、東北大震災から二年。フランスでも大手テレビ局、新聞、電子版ニュースなどほとんどのメディアが一斉に震災二年目の日本の様子を伝えた。フランス2TVのニュースでは、フランス人駐在員による被災地の難しい復興の現状、進まない除染や、大勢の難民をレポート。「プレハブに住んで毎日テレビを見るか寝るかしかすることはなく、どこにもいけないので大変体に悪い」、また「財産が一切合切やられたので、政府が何とかしてくれるまで動けない。いつまで続くやら、気が重い」といった原発難民のインタビューによる厳しい状況が伝えられた。 3月10日の反原発集会に際して、「原発事故によるこれだけの疲弊と、国民の70%近くが活発な反原発の意思表示をしているにもかかわらず、昨年の衆議院選挙で勝利した原発推進派の右派安倍政権は、再稼動をめざし原発推進を止めない方針」とBFMTVの駐在員が報告。 ----------- ・フランスTF1 チャンネルテレビ、2013年3月11日夜8時のニュース: 要約:除染の見通しがまるでつかない福島県南相馬。「地表2cmはセシウムで汚染されているから5cmは剥ぎ取らないと」。月給1500ユーロで除染の仕事をする人たち。除染した後の廃棄物は野天にたまる一方。政府はどこに廃棄物を保管するか決めていなかったためだ。少しずつ地中に埋めるしかないが、放射能に汚染されたものを包む袋は5年しかもたない。「一時的に土に埋めるだけだが、その先はどうするかまったくわかっていない」。 TF1テレビ3月11日昼のニュース、福島第一原発事故の発生から今日までの要約 ビデオの後半要約:事故後、片づけをあらかた終えた日本政府と東電は、福島第一を制御するために冷却装置を配備した。これは温度を常時50度以下に保つものだが、問題は冷却に使った水の一部が漏れ、建屋の地下にたまることだった。汚染された水が地下水をまた汚染しないように、水を吸い上げ、吸い上げた水を再び冷却装置へ戻すシステムを作った。 一号機はすでに防水加工したカバーがかけられているが、3号機4号機ともに爆発で大きな被害を受けている。日本にとって最初にやらなければならないことは、燃料プールにストックされている使用済み燃料棒をプールから取り出すことだ。というのも、次にまた大地震が起きれば大きな災害につながることは間違いないからだ(談話:ティエリー・シャルル、フランス原子力安全委)。   ----------- 20130313 週刊エンター『小出裕章さんが伝えてきたこと』 ビデオコメント:震災から2年が経つ現在、何か変わったのか? 変わっていないのか? 今週は番組の取り組みを見つめ直すと共に、私たちがこれからも向き合っていかなくてはいけない問題について改めて考えます。 今日は「京都大学原子炉実験所助教・小出裕章さんが伝えてきたこと」 ----------- 日本の3月11日。 報道するラジオ、震災特集…

アクチュアリティ、ユーロ圏はどうなる?

経済: ブラッセル、ユーロ圏救済特別サミット - GDPの150%に上る3500億ユーロもの負債をかかえるギリシャを救済をするために、ニコラ・サルコジ仏大統領は昨日ドイツのアンゲラ・メルケル首相と事前協議をするためベルリン入りをし、きょう17か国のEU代表が集まるブラッセルの欧州特別審議会で仏独共同策を提示した。今日中にEUが救済介入を決定しなければギリシャが倒産する。ギリシャの後ろには同様に経済危機をかかえるポルトガル、スペイン、それに加えてイタリアの低迷が足を引っ張リ、ギリシャが倒産すればユーロ圏崩壊を招くことは必定だ。こうしたユーロ体制の危機に際し、何を犠牲にしてもギリシャを救済するというサルコジ大統領と、自国内の金融体制には一切影響を及ぼさないことを前提に救済策を決定したい意向のメルケル首相との会議は7時間にわたって行われた。きょう13時から現在行われているブラッセルのEU特別審議会は、ギリシャは負債の全額を返済する必要はないというEU統合はじまって以来前代未聞の提言をしてギリシャの破産を食い止めようとしているが、負債の返済を一部回避できるとなればギリシャに貸借している銀行が困窮に陥る可能性がある。ギリシャ国内は、VAT消費税の高騰、ゼネスト、賃金引下げ不払いが相次ぎ混乱は収まらない。救済策として返済見過ごしを導入するのは、事実上暫定策でしかないという見方が大勢だ。 経済: EU緊急特別審議会、ギリシャを救う姿勢強く見せつける - (上記の続き)10時間以上に及ぶ審議のすえ、EUは3500億ユーロの負債をかかえる破産寸前のギリシャにたいし、1580億ユーロの救済金を捻出することを決定した。予想されていた額より多く、うち、3分の2はEU17カ国が負担し、3分の1は銀行が利息を減らしまた負債の一部を帳消しにするなどの処置で負担する方針。ギリシャを救済することで、EU諸国がEU圏の保持に全力を努める姿勢を強く打ち出し、ユーロ圏崩壊を食い止める体勢を世界に誇示したことになる。 破産は食い止められるもののギリシャ国民は悲観的で、「今回の処置はほかの国にしわ寄せが行くだけで、国内生産をあげるよう国が努力しなければ、元の木阿弥だ」。(フランス2TV) 社会党フランソワ・オーランド、メディアの行き過ぎに激怒 - DSK、ドミニク・ストロス=カンのニューヨークの婦女暴行事件が一転二転。DSKがニューヨークで自由になったとたんに、フランスでは2003年にDSKに強姦されそうになったというトリスタンヌ・ボノンという女性がDSKを訴えでた。2003年、DSKは社会党政府の経済大臣で有力者。トリスタンヌ・ボノンは暴行された当時、友人や家族などの周囲におしとどめられて沈黙していたのだという。トリスタンヌ・ボノン事件に関し、検察が事情聴取をすることを決め、社会党の大統領候補で有力視されているフランソワ・オーランドが参考人として召還されることになった。問題は、『ル・フィガロ』日刊紙の一面に、トリスタンヌ・ボノンとフランソワ・オーランドの2人の合成写真が大きく取り上げられており、またしても社会党が汚名を着せられたような印象を与えたことだ。「私は事件にはなんら関係がなく、また第三者以外の何者でもない。いいかげんに、細工(報道の?)を止めないと、法廷に引き出す用意がある」とフランソワ・オーランドは激怒。検察は9月にでも事情聴取をといったが、9月は社会党の大統領候補を決定する大事な時期に入る。「事情聴取をするなら今すぐやってくれ」と答えて、早速昨日召還を受け、「周辺の人たちの一人として知らされた覚えはあるが、自分はまったく事件とはかかわりがなく、これ以上の情報はまったく無い」と強調したという。 社会党書記長も、この日「人を貶めようと裏工作やら小細工が横行しすぎている。政治はもっと大きなビジョンや政策の問題を前面にしてやっていくものではないですか」と、DSK事件を発端として、社会党の人気落しが裏工作され続けていることに業を煮やした発言をした。 エネルギー - EDFフランス電気会社が30億ユーロの予算で建設中の新型炉心を備えるフラマンビル原子力発電所建設(バース・ノルマンディー)がさらに遅れ、2016年を完成めどとすることにした。このために建設費用は二倍に膨れ上がり60億ユーロになるという。2010年を目指して建築中であったが二度の大事故ですでに大幅に遅滞していたもの。福島原発事故なども影響して、原発炉心構造のさらなる安全性が求められており、建築予算は雲をつく勢いで増加。世界中で同種の炉心建設計画が10箇所あるが、うちアブダビやイタリアは建設を中止した。 (フランス2TV、BFMTV)

アクチュアリティ

世界の政治経済を震撼、国際通貨基金の代表ドミニク・ストロス=カン、婦女暴行容疑で逮捕 - 世界の重要人物から奈落へ転落。ドミニク・ストロス=カン逮捕は、政治経済への大津波を引き起こしている。フランス社会党員として重要な位置を占め、現在国際通貨基金のトップとして世界経済に深くかかわっているドミニク・ストロス=カンが15日、ニューヨーク空港からパリに向けて出発しようとしていたエール・フランス機のなかでニューヨーク警察に逮捕された。容疑は婦女暴行と強姦未遂。タイムズスクエアーのホテル、ソフィテルに宿泊していたドミニク・ストロス=カンが、ホテルの従業員女性32歳に暴力をふるい強姦をしようとしたが、女性が抵抗したためホテルの部屋に監禁したというもの。逃げ出した従業員の女性が警察に届け、出発直前のエール・フランス機内のファーストクラスにいたドミニク・ストロス=カンが逮捕された。 ドミニク・ストロス=カンはアメリカの敏腕弁護士を2人つけて昨日裁判所に出頭したものの、ジャクソン裁判官は弁護士が提案した保釈金百万ドルを却下。「飛行機に乗ってフランスに逃げようとしていた」ことや、「もう一件似たような事件を過去に起こしている(前歴がある)」などを理由に5日間は監獄にとどめおくことを決め、ドミニク・ストロス=カンは留置所へ護送された。 事件の真相はどこに? 暴行された女性は3年前からホテルで働いているプエルトリコ人ともアフリカ系とも言われ、ブロンクスで娘と二人暮らし。まだ報道へ姿を現しておらず、この女性の陳述だけが逮捕の理由となっている。内容は、正午ドミニク・ストロス=カンの部屋へもう誰もいないものと思って入ったところ、ドミニク・ストロス=カンが真っ裸で風呂から出てきて、いきなりこの従業員を襲ったため、抵抗して逃げようとしたところを軟禁されようとしたので力ずくで逃げ出したという。警察は、「この事件直後、ドミニク・ストロス=カンは慌ててチェックアウトをして空港へ逃げ出し、飛行機に飛び乗ったところを捕まえた」。 ところが、フランスの報道の調べでは、ドミニク・ストロス=カンはコロンビア大学にいる娘とマンハッタンで昼食をとるために12時半ごろゆっくりチェックアウトをし、そのあと乗り込んだ飛行機は何日も前からリザーブしてあったエール・フランス機で、翌日ベルリンでドイツ首相のアンゲラ・メルケルとの会談やユーロ圏の経済支援会議を控えており、ドミニク・ストロス=カンにしてみれば予定通りの行動をとっていただけだという。 通常1時にホテルの部屋を清掃しに入る従業員がなぜこの日、12時に部屋に入ったのか。また、すでにほかの従業員が朝食の食器を下げに部屋に入っている形跡があり、暴行されたという女子従業員は1人ではなかったとも見られている。また、ホテルの部屋に忘れたケイタイのことを思い出し、飛行機出発前にホテルへ電話をしたのはドミニク・ストロス=カン自身だった。この電話で警察がドミニク・ストロス=カンの居所を知って逮捕に駆けつけた。警察の顔を見たドミニク・ストロス=カンは、「いったい何のことだ?」と訊いたという。 17日の今日、国際通貨基金の代表ドミニク・ストロス=カンを交えて行われるはずだった欧州経済会議では、巨大な負債をかかえるギリシャを中心にユーロ圏への国際通貨基金の援助が主題となっていたが、すべてが停滞。議員たちは欧州議会の混乱を鎮めることで精一杯だ。 またフランス社会党への事件の衝撃は強烈で、社会党書記長のマルチーヌ・オーブリィは、「雷に打ちのめされたような大ショック。社会党は一丸になってこの困難に立ち向かっていかなければなりません」。実際、国際通貨基金のトップとして精力的にワシントンで仕事をしているドミニク・ストロス=カンは、もともとフランス社会党員の重鎮でもあり、2012年のフランス大統領選に向けての世論調査では、ドミニク・ストロス=カンが出馬すればサルコジやほかの候補者をダントツに抜いて大統領当選確実といわれてきた人物である。これから社会党が決める大統領候補決定会議にむけ、ドミニク・ストロス=カンを交えて将来の予定がたてられていく方向にあった。 アメリカからの手錠姿のドミニク・ストロス=カンや、裁判のテレビ実況中継は、フランスに二度目の大津波を引き起こした。フランスでは、有罪とされるまでは容疑者は無罪とみなされるから、容疑段階での手錠姿をTVで映し出すのは違法であるし、また裁判の放映も許されてはいない。冷静にお国柄の違いを説明しながらも、アメリカの報道スタイルにフランスは震撼。「(手錠姿を見るのは)残酷すぎて耐えられない」と社会党議員。「胃の中に刃物を突っ込まれるような痛みを覚える」とピエール・モスコビシ。「問題なのは、ドミニク・ストロス=カンがまだなにも発言していないことで、真相はまだわれわれに知らされていないことです」。 また近親者たちからは、「一瞬たりとも信じられない」。「罠に嵌められたか」という声も。ニューヨークの裁判で言及された「前歴」とは何なのか、これも明らかにはされていない。ドミニク・ストロス=カンは女性関係がメディアに取りざたされたこともあったが、刑事責任を問われるような前歴はない。「フランスのイメージがかなり落ち込みます」と与党。ちなみに、サルコジ大統領はこの事件には、一切コメントをしていない。 ドミニク・ストロス=カンはすべてを否認。しかし弁護士は、「戦いは始まったばかりです」。婦女暴行や軟禁などの罪で75年の刑が見込まれるという。(フランス2TV、TF1TV、BFMTV、総合翻訳) 18日朝のニュースによれば、CSA(視聴覚高等評議会: Conseil supérieur de l’audiovisuel)のアンケートで、フランス人の57%がDSK ドミニク・ストロス=カン事件を「陰謀」によるものと考えているという。一方、アングロサクソン系(イギリス、アメリカ)の報道は、DSKにたいする厳しい批判が多数を占めている。(フランス2TV、2TVブログ)