日本の衆議院選挙開票速報を、インターネットでリアルタイムで見たのは、今回が初めてだ。読売ONLINEが次々に全国の開票状況を載せ各地域に表示し、与党と野党の当確と議席数、ならびに与野党の議席数の割合を端的に見せてくれたので一目瞭然で大変助かった。

読売ONLINE・http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2014/

一目瞭然のこのサイトから小選挙区と比例代表をわけた列島地図を引用したい(下)。

衆議院選挙2014、結果

上は小選挙区の日本列島。人数が多いため太目の日本列島が描かれている。下は比例代表制の結果を書き込んだ細めの日本列島だ。赤は与党(自民党、公明党)、青は野党(無所属、諸派も含む)。

左にある数字に注目すると、上の小選挙区は、自公「231」、野党など「64」で、自公の圧倒的な優勢。野党は自公の27%に満たない。野党を10とすると、与党は36、ほぼ3.6倍だ。

ところが、下の比例代表を見るとどうだろう。自公「94」、野党など「86」で、その差は8議席しかなく、分かりやすくすると自公11対野党10、1.1倍、つまりほぼ拮抗する数字を示している。色を見ても、ちょうど赤と青、自公と野党がほぼ半々。東京都民も一辺倒ではなく与野党50%50%と、実は多種な考えの人たちがいると分かるくらい、均衡を保って日本を形作っている。

特色を探ってみると、目に付くのは共産党の議席取得だろう。共産党は小選挙区でたった一議席の獲得だが比例代表で20議席という大躍進をし合計で12議席も伸ばした。公明党も小選挙区よりは比例代表のほうで議席を獲得して、前回を上回る成績を修めている。

反対に自民党だけは、小選挙区だけで222議席獲得。上の日本列島が、真っ赤なのを見れば、比例代表との差はそれこそ一目瞭然である。中でも、ほとんど真っ赤でまるで自公しかいないと思わせるような東京と、革新野党をはっきり打ち出す青だけの沖縄は実に対象的だ。

比例代表の1.1倍と、小選挙区3.6倍の大きな差はどこから出てくるのか。また、いったい小選挙区はなぜこのように自民党に有利なのだろうか。これからもおそらく自民党に有利でありつづけそうな小選挙区制を、改革しなくて良いのだろうか。これは日本へ投げかけるひとつの疑問である。

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豪雪の中を投票に行かれた方、また行かれなかった方。投票所の開くのが遅れたり、投票用紙を間違えて渡されて投票が無効になった方。そんななかで、貴重な一票が無駄にされたはなしを聞くと、これは選挙権の侵害、ひいては人権侵害なのでは、と思うのだが実際はどうなのだろう。投票用紙を間違って渡した人が問責されたという話は聞かない。

選挙の前に沢山書きたいことがあったのに、その半分も書かずに選挙が終わってしまったけれど、まずは日本政府は、軍事や遠方での米軍との合同演習などではなく、国内にもっと目を向け、日本の社会の未来を形作る人間形成に不可欠な社会のインフラストラクチャーづくりや物事の道理や倫理の構築を、嘘をつかず、また「きれめなく」やっていってほしいと願っている。ともあれ、書き残したことは、また折につけお話しすることにしましょう。(S.H.)