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暴風雨ジョアキム - 大西洋からの大きなジェットストリームが暴風雨を運び、現在、西南のジロンド県から東部アルザス地方やアルプス方面へフランスをたすきがけに横切リつつあり、全国各地で立ち木が倒れたり浸水などの被害が続出している。フランスの半分がレベル2、またもう半分はレベル3(最大レベル)の暴風雨警報・注意報が発令された。最大風速を記録したのは、ピュイ・ド・ドーム県で毎時210km。パリは毎時95kmだが、ロワシー・シャルル・ド・ゴール空港の飛行機の発着に影響が出て130便あまりが遅れ。また線路に落ちた無数の枝の処理でフランス鉄道SNCFの運行にも1時間から2時間の遅れが出た。モルビアンの海岸では貨物船が岸に吹きやられて座礁し、重油が流れ出して海岸を汚染。また大規模な低気圧の通過で気温が下がる見込みで、マッシフやアルプス方面で今夜は30cmの積雪があるもよう。停電に見舞われている30万世帯が寒い夜を越す。 数字 : ・2012年大統領選に向けての世論調査で、野党社会党候補フランソワ・オーランドが36ポイントの世論を獲得しているのに対し、現職大統領のニコラ・サルコジは25ポイントと大差が開いている。市民の購買力の低下、失業者増加、フランス経済建て直しの見込薄、また暴動や強盗の増加による社会不安などによる現大統領の不人気が大きく影響をしている。 ・2011年9月、フランスの失業率は9.7%。2012年6月には10%を越すという。 ・2012年上四半期は、-0.1%の景気降下がINSEEからはじき出され、公式にフランスの景気後退が発表された。 ・2011年下半期で、1万4千の雇用が消滅。 ・大手クレディ・アグリコル銀行、アレバ社、プジョー・シトロエンPGSで大量の人員整理が行われることが確定。クレディ・アグリコル銀行は、ソシエテ・ジェネラルやBNPパリバと並ぶ大手で、他の二行が雇用削減をしたのに対し影響がないといわれていた最後の砦ともいうべき銀行。アレバ社は、福島原発事故の影響を受けてとくにドイツの原発全面廃止政策による将来の見通しの悪さによるもので、退職者がでたあと新人採用をしない方向で削減が始まるもよう。 ・暴風雨を買う?! 1950年代から暴風雨に名前がつけられるようになったが、近年は暴風雨を買って自分の名前をつけることができるのだそうだ。暴風雨ジョアキムも、ジョアキムさんが1年前に買収したもの。ちなみに暴風雨の値段は199ユーロ。 (フランス2TV、TF1TV) ・農耕地の消滅も駆け足 -この数十年のフランスのアーバニズム(都市化)は駆け足で進み、農業用地が激減している。なんと、一秒で26平米の農耕地が消滅していく計算だと言う。(2012年12月21日追加、フランス2TV、フランスアンフォ・ラジオ)
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雪、雪、雪、雪また雪 - 11月下旬から断続的に降り続いている雪はいつ止むのかわからない。メテオフランスの情報どおり週末からまた全国的に雪が降りはじめた。空の足は先週末から大混乱を極め、予想以上の積雪があった日曜から月曜にかけてすでに飛行機の発着が混乱し、パリ近郊のロワシー空港までたどり着いた人たち約3000人がそのまま動くこともできず、いつ発つかわからない飛行機を待って空港の床で寝るなどして一夜を明かすという事態に陥った。「近辺のホテルは満員だし、もう少し遠くまで行こうと思っても雪でバスも出ないというから仕方ないです」、「一番ひどいのは、誰も何の情報もくれないことで、自分の飛行機が出るのか出ないのかもさっぱりわからない」とロワシー空港の旅客たち。 故郷や自宅で聖夜を過ごそうとする人たちでごったがえす12月23日からきょう24日にかけて、列車はかなりな遅れがあるものの何とか運行しているが、 空港の混乱は続いており、15分毎に流れる「空港においでのお客様は、このままお家にお帰りください」という構内アナウンスに、「冗談じゃない、うちに帰るためにここにいるんだ」と旅客の怒りも爆発。「こうやって待っているのに、まったく何の案内も情報も無いのが一番つらいですね」。空港の電光掲示板は電気を切られて役に立たず、あいかわらずの情報欠如でカウンターで待つ人たちの行列が続いている。24日は、オルリー空港、ロワシー空港で35%から50%の飛行機が運航中止。 不凍液不足 - いったん飛行機に搭乗したが何時間たっても離陸せず、5時間閉じ込められたあと飛行機から下ろされた、という旅客がいっぱい。不凍液が無くなり、飛行機の翼が凍結しないように不凍液をふりかける作業ができなくなったためで、新しい不凍液を運んでくるアメリカやイタリアなどのカーゴ到着を待つことになった。この事態で離陸不可能になった飛行機が続出し、23日夜も空港側から配布された簡易ベッドと毛布に包まって、約2000人がロワシー空港で夜を明かした。 12月24日の今日は東フランスを中心に、アルザス・ロレーヌ、ローヌ・アルプ、サントル、ロード、タルヌなどの地方、約20県で積雪注意報。アルデンヌでは昨夜から40cmの積雪があり、地域の道路は通行不能となっている。ナルボンヌは強風注意報。 メテオフランスは過去20年間で今年の冬が一番寒いと発表。「すでに数年前、ロシアやアメリカの科学者が地球温暖化説のなかで、温暖化が進むと北半球に寒波が訪れるという説を発表しているが、その通りの現象が起きている。これは、大雑把に言うと暖かい空気と冷たい空気が入れ替わるためで、北極を暖めている大きな停滞高気圧を旋回して北極の湿気を含んだ寒気がヨーロッパや北アメリカへ下りてくることが原因となっている」(フランスTV)。 寒波のあとはいったい何が起きるのだろうか。
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強迫観念、「雪」 - 先週の大雪で数万人が雪の道路で立ち往生して車の中で夜を明かすなどして大混乱がおき、適切な処置をとらず市民に迷惑をかけたとして政府の責任が問われて以来、メテオフランスの積雪注意報は強迫観念のように当局や国民に取り付いてしまった。各地域の責任者は雪が降る前から準備万端。先週の混乱を二度と繰り返さないように、軍隊や機動隊のトラックまで各地で巡回して警備に当たった。昨日はアルザス、ローヌ・アルプ地方など内陸部で大雪。陸送トラックは一番に犠牲者となり、あちこちで数百台が足止め。アルプスのスキー場では積雪30cm、ブルターニュのフジェールでは20cm以上の積雪で雪かき。「年々、積雪がひどくなって、雪かきにも慣れてきましたね」とフジェール市民。イル・ド・フランスではようやく昨日の夜から雪がちらついているが、積雪は3cm程度となっている。月曜まで、全国35県に積雪注意報。 年末年始のバカンス、きょうから - 今週末は年末年始のバカンスに入る。大雪で旅行に出る人たちの足が混乱。(フランスTV)
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大雪 - 先週から全国各地で断続的に降り続いていた雪であるが、12月8日午後13時あたりから本格的にフランスの北、国土の4分の一にあたる地域に降りだし、あっという間に15cmほど積雪して大交通マヒを引き起こした。この日、メテオフランス(フランス気象庁)は積雪3cmという発表をしており、オルトフー内務大臣がTVで「雪による混乱はありえないから心配は要らない」と公言したばかりで、まったく当局の準備がなされていなかった。雪が降り出して3時間後の午後4時には市街地ばかりではなく高速や自動車道が混乱し、特にパリ西部のポン・ド・セーブルからベルサイユ方向に出ている国道118が動けなくなった車でいっぱいになった。国道118はパリの出口から大きな坂道を上らなければならず、あちこち高低が大きい。ポン・ド・セーブルから7km先のショッピングセンター、ヴェリズィ・ドゥー、またベルサイユの先数kmは動けなくなった数千台の車で埋まって交通止め。運転者たちは車の中で一夜を明かすはめになった。国道沿いにあるショッピング・センター、ヴェリズィ・ドゥーは車を乗り捨てて非難した人々が7000人にもなり、緊急避難所に変貌。パリ近郊で最悪の「遭難者」をだした。遭難者たちは「自動車道なのに、道路管理者による塩撒きもなければ、誰も助けに来ない」と憤慨。「オルトフー大臣の、混乱は無い、ってのは何なんだったんですかね」と政府を皮肉る人も。 ちなみに積雪による大量の遭難者を出したのは、2003年1月4、5日以来のことという。地上の交通のみならず、ロワシーやオルリーの飛行機発着も滞り、航空便は大半が運休して、旅客者は航空周辺のホテルに宿泊するか、ホテルが取れなかった人たちは空港の床に寝るなどの事態となった。国道や空港以外の郊外地の通行の難儀は言うに及ばない。 翌9日、フィヨン首相はフランス気象庁にたいし予報が間違っていたことを指摘して気象庁に矛先を向けたが、気象庁はこれを突き放し、市民や組合は、積雪に対して行われなけばならなかった当局の対応がまったく欠如していたことが市民に大きな迷惑をかけたとして、政府に引責を促す態度をとっている。 いまだに雪は解凍せず、道路が凍って各所で危険地帯が発生している。(フランスTV)
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寒波 - フランス全土に寒波来襲。先週のローヌ・アルプ県の積雪に引き続き、一昨日からコート・ダルモール(英仏海峡近県〕で大雪。積雪が70cmを超えた。雪は全国的に降っており、北フランスは零下2度から3度を記録。今週末は若干温度が緩むものの、来週もまた寒くなるという。高速や地域では陸送トラックがあちこちで足止め。現在28県に積雪注意報が発令されている。(フランスTV) この寒波はフランスだけではなくヨーロッパ大陸全体を覆っており、中央ヨーロッパ、特にポーランドなどを中心に死者60人を出した。バルカン半島で洪水、また、イタリア、ベニスでは海水が異常に上昇して通常の水位を140cm越し、市内に浸水している。 My opinion: 以前、「地球温暖化が進むとヨーロッパは寒くなる」、という学者の報告書が出て笑ったことがあった。この積雪と寒波。温暖化による空気中の水分の量の変化と気流の変化による異常な寒波の発生によってこの学説がうらづけられたということか。おかしなことが現実になるにつけ、あたふたとそれに対応しなければならない。パリはきょうも厚い雪雲に覆われ雪が降り続いている。 12月5日夜、異常な積雪があったコート・ダルモールの中でもシェルブールが、気温が緩んで雪が融け、1949年以来の大洪水に見舞われた。