Le Zap 7月上半期のめまぐるしさ
7月1日、ラ・ソムの戦い100周年記念 第一次世界大戦が勃発した1916年7月1日から100年目となる1日、北フランス、ラ・ソム県でイギリス王室を迎えて式典が行われた。「ラ・ソムの戦い」は第一次大戦中、最大の犠牲者を出したことで有名で、フランス、イギリスの連合軍がドイツ軍に立ち向かい、第一日目にしてイギリス兵6万人が犠牲となり、うち2万人が死亡した。ラ・ソムでは戦中、総計100万人以上が死亡している。 7月5日、ヴァルス首相再び49.3法でエル・コムリ新労働法案可決 内閣が同意すれば、国民議会で投票をせずに法律を通過させることができる49.3法がまた使われた。修正要求を受付け法案は何度か見直されたとはいえ、労組や大学生、ニュイ・ドゥブと呼ばれる新労働法に反対する人々は満足していない。7月5日、2度目の強行採決が敢えておこなわれたが、49.3法には制約があり、可決されても法律の成立へはまだ結びつかない。法案は再び上院へ戻され7月18日からまた審議が開始される。 7月10日、日本の参議院選挙 7月13日、女性の経済的独立を認めた法律の制定から51年 フランスでは、結婚した女性は、夫の許可なしに仕事をしたり銀行と取引をすることはできなかった。既婚女性に、仕事の契約の自由、銀行口座の開設自由、独立した自分のお金の管理の自由を認める、その後の女性解放のプレリュードとなる法律が成立したのは、1965年7月13日のことだ。 7月13日、テリーズ・メイ、イギリスの新首相に就任 Brexit is Brexit、首相立候補演説の第一声はEU脱退。メイ新首相、組閣へ。 7月14日、キャトルズ・ジュイエ、軍事パレード 今年第一次世界大戦100年を記念して、戦争に参加したオーストラリアとマオリから軍人がパレードに参加。テロ対策にかかわる各部署の参加が新しい。この日パリの警備に動員された警官は1万1500人。パレード周辺には3000人の警官が配置された。 7月14日、ニースの暴走トラックで84人死亡、202人負傷 キャトルズ・ジュイエ恒例の花火大会を見終わった数万人の人々が歩く海岸沿いの道路、プロムナード・デ・ザングレを19トントラックが2kmにわたって暴走。通行人を撥ね続けた後に、犯人は警察に射殺された。ニースの町はパニック状態。 7月15日、トルコのイスタンブールで軍によるクーデター 一日のうちに鎮圧されたが、犠牲者多数。
アクチュアリティ、消えたジョコンド-盗難100周年
「消えた女、ジョコンド」、盗難百周年 -1911年8月21日、ルーブル美術館に模写をしにきた絵描きルイ・ベルーが、レオナルド・ダ・ビンチの作品「モナ・リザ」がなくなっていることに気がつき、大騒ぎになった。最初は誰かの冗談でルーブルのどこかに隠されたものと考えられあちこち物置などを捜索したがどこにもなく、また第一次世界大戦前夜のことでもあり何らかの政治的工作が行われたものという憶測までが飛んだが、当時ルーブルで仕事をしていた職人全員を召還して現場の指紋照合を行ったところ、盗難前日、「モナ・リザ」の額縁のガラスを取り替えたイタリア人ガラス職人であるビンチェンド・ペルージアが出頭しなかった。この男こそ、「モナ・リザ」を盗んだ張本人で、当時のパリのアパートに持ち帰り2年間隠し持っていたという。1913年フィレンツェで「モナ・リザ」が見つかり、同年12月に作品はルーブル美術館へ無事帰還する。ペルージアは禁固刑一年。「モナ・リザ」を祖国に連れ戻そうとした、もよう。 JMJ、カトリック世界青年大会、150万人集結 - 8月16日から21日まで開かれたカトリック世界青年大会は、マドリッドの飛行場に150万から200万人の熱狂的な若者を集めて大盛会を記録した。マドリッドは大会最終日の今日、41度の猛暑。サッカー場48個分の広大な飛行場を一部の隙もなく埋め尽くした若者たちは、ベネディクトス16世教皇からの聖体拝礼を全員が受けることはできないにしても、酷暑、また昨夜は雨の中で動かず熱心に教皇の演説に聞き入り、マドリッド大会に参加したことに大満足気。 タブレットPC、コンピュータを超える - 米コンピュータメーカーのパッカードが生産から手を引くことを明らかにして、時代の転換が到来したことを告げた。タブレットPCがコンピュータの販売速度を越して、タブレットPC時代へ。30年前に走り出したコンピュータがこれで消えるわけではないが、コンピュータ時代のピークが過ぎつつあることは確か。テクノロジーの世代交代の波は足早に世界を駆け巡っている。 犯罪激増に苦しむマルセイユ - 一日平均の暴力事件数26件、2年間で殺人事件50件。2010年の強盗事件数800件で、例年の40%増。マルセイユ市は、「お年寄りの方は事件にあわないよう、夕方5時以降は外出を控えるように」と呼びかけている。マルセイユ市警は、「警察官が300人から400人不足している」。内務大臣が100人の国家:警察官の増員を決めたが、「それではまったく足りない」、というのが現場の主張だ。(フランス2TV)