極右勢力の進出
【イタリア総選挙にふたたび震撼、極右の進出に染まるヨーロッパ】 一昨年のフランスの大統領選挙で極右候補が決戦に残り、数ヶ月前のオーストリア選挙で三主権府を極右政治家が牛耳ったのを覚えておいでだろうか。この週末のイタリア総選挙でこの国においても強い極右の姿が顕になった。ル・モンドが地図を塗り分け、ヨーロッパにおける極右政治の動向を明らかにした。白から黒へ。色の濃い国は右翼の支持が強い国である。 ハンガリーとスロバキアに支えられて、ヨーロッパで一番極右政党が勢威を振るう国はオーストリアとイタリア(下の地図の黒色で塗られた国)。ドイツにおいても政治勢力として大きくなりつつある。一方、リュクサンブールとアイルランドは極右の動きは全く国政に反映していない。
アクチュアリティ、論争「国籍抹消」拡大法
テロリストと見なされるフランス人のフランス国籍抹消法を明文化して憲法改正へ、論争激化と政府回答 同時多発テロで130人が殺された3日後の11月16日、オランド大統領がベルサイユ会議で発表したテロ対策のうち、危険人物と見なされた人間のフランス国籍抹消の拡大案を新しく憲法に盛り込むことについて、各方面特に社会党内部から反発が寄せられている。 国籍没収の内容は「テロリストとみなされた人間のフランス国籍を抹消させる。たとえフランスで生まれたフランス人であっても、危険と特定した場合は、国はその人物のフランス国籍を取り上げることができる。二重国籍の場合も同様で、国外追放を義務とする」というもの。社会党や共闘左派のあいだからは、「フランス社会主義の人道的な人間の価値観をないがしろにした右よりの判断」という批判が上がっており、法務大臣のクリスチアンヌ・トビラが数日前訪問先のアルジェリアから、「フランス国籍抹消の拡大案は放棄される」と表明していた。しかし、オランド大統領は昨日、反対意見を退け、国籍抹消の拡大案をそのまま続行して憲法改正へ持ち込む方針を明らかにした。