アクチュアリティ・日本
福島原発 - TF1 TV 3月18日昼のニュース: 津波からはじめて小康状態を保って何もない夜をすごした。原発の放水は間断なく行われおり、本日、「原発の電気は今日中には回復しない」と首相が発表。電線がずたずたに切れ、あちこちで停電しているなかで、高圧線を原発まで引いてくることに成功しているのは目覚しい進展ということができるが、問題はこれだけ破損した原発の建物の機械がはたして動いてくれるかどうかだ。来週のあたまに結果がわかるもよう。そのあいだにも放射線は原発から出続け、また放水をやめることはできない。原発職員180名が総力を挙げているという。第1、2,3,4号機すべてが危険な状態のままだ。 フランス放射能安全インスティテュートIRSNが、サテライトからみた福島原発事故から今日まで放射された放射能のシミュレーション、特にセジウム137の雲の行方をCGにしてみたところ、西からの風が幸いしてほとんどが太平洋へ飛び散り、いままでのところでは東京を通過したのは3月15日のみという結果が出ている。この3月15日の観測で、東京の人間が受けた放射線は、0.1から1ミリシベールと幸い微量。いつ止むかわからない放出で、長いあいだには飛び散る放射能があちこちに蓄積していく恐れがある。今週末まで風の方向は同じ。太平洋へ飛び散っていく放射能の雲は、どこへどれだけの量到達するかわからない。 フランス放射能安全インスティテュートIRSNが制作したの福島原発の事故から18日までの放射能放出シミュレーションビデオ: 東北地震と津波の犠牲者は6500人、行方不明10000人以上と推定されている。被災一週間目の今日は、1分間の黙祷が行われた。 フランス2TV: 原発の放水に当たっているのは、東京から派遣された消防隊員140人。プールまで20メーターのところで行わなければならない大変危険な放水作業で、隊員たちの命も危ない。 フランス・アンフォ・ラジオ: 世界保健機構WHOは、福島原発の事故レベルを4から5に引き上げた。(注記:INESレベル5は「原子炉の炉心や放射性物質障壁の重大な損傷」のある場合で、原発の外へ汚染のリスクがある。) フランスTV: フランス人は福島原発事故でパニック状態。薬局ではヨウ素剤が飛ぶように売れ、また4万円近くもするガイガーカウンターの注文が殺到しているという。日本から一万キロ離れたフランスなのだが、どうやらチェルノブイリの体験のトラウマと、世界で第二を誇る58基におよぶ原子力発電の数によるもののようだ。ちなみにフランスの薬局は「ヨウ素剤は、体質に合わない場合があり、やたらに服用しても意味がありません」とか。 My opinion: フランス放射能安全インスティチュートIRSNのエキスパートは福島原発事故をすでに「レベル6に相当する」と評価している。WHOの評価は甘いということか。ちなみにレベル6は、「原子炉や放射性物質障壁に致命的な被害」がある場合、レベル7は、「原子炉や放射性物質障壁が壊滅、再建不能」な場合、例としてチェルノブイリ事故。今日は、とうとうチェルノブイリ原発のようなコンクリート要塞で塞ぐという案が出たらしい。そうとうに厳しい状態だ。 参照: 国際原子力事象評価尺度INES: http://ja.wikipedia.org/wiki/INES
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日本の危機、福島原発 - 原発の現況悪化とその危険を重視し、アメリカとイギリスは、福島原発から現在の直径30kmから直径80kmに範囲をひろげて住民を退避させるよう示唆した。不安を満面に浮かべた福島県知事佐藤雄平氏は昨日記者会見で、放射線の危険を早く回避できるよう、やはり80km圏内の住民の避難を政府に訴え、地震から一週間にもなりながらいまだに十分な援助がとどかず、避難をした人々の飲料水や食料が欠乏した状態が続いていることもふくめ、県民は見放された思いで政府の不十分な対応に苦汁を飲んでいるとつけ加えた。 最後の望みを託して、福島原発第3号機と第4号機を冷却するためにヘリコプターで水を投下する作業が行われている。第4号機は核貯蔵プールの水が減り、核が外気に触れているため、過熱がすすみ激烈な放射線が出ているもよう。水がどれだけ減っているのかはわかっていない。アメリカの専門家はほとんど水が残っていない状態を懸念。水がある限りは核の安定と鎮火の希望を持てると考えられており、外気に触れている加熱状態の核が核融合を起こさないように、必死の水の投下と地上からの放水が昼夜を分かたず行われている状況だ。 日本側は金曜日に、原発の電気を回復させて冷却装置を稼動させたい方針だ。ただし、第3、第4号機ともにかなり破損がひどいので、はたして稼動するかどうか、疑問なのではないか。 フランス政府とEDFフランス電気およびAREVA社は、日本の要請に応えて炉心の冷却剤100トン、また原発作業用の特別作業服・手袋・マスクなど一式を数万部日本へ送ることを決定した。また、東京周辺にいるフランス人3000人に甲状腺のための安定ヨウ素剤を送る。 放射能の危険を回避するために 、在日フランス人の本国送還をフランス政府が無料チャーター機で行っており、毎日運行して送還を急いでいる。現在、日本にいた9000人のフランス人のうち半数ほどが帰国したもよう。「職場の同僚を見捨てて帰ってきたことが辛いです。フランス政府が無料で飛行機を手配すると言ってきてくれたので、飛行機に乗ってしまいました」とパリ空港に到着したフランス人がもらした。 アメリカ人も同様、アメリカ政府の意向が強く続々と日本を離陸。またイギリス議会は、在日イギリス人のみならず、在韓のイギリス人もイギリスへ戻すよう討議した。 津波の災害を中心に外国のレスキュー隊が救済活動を続けているが、寒さと雪、瓦礫のなかで困難を極めている。イギリスのレスキュー隊は、放射能の危険を早めに察知するため、各人がガイガーカウンターを携帯して救助活動を続行中だ。仙台で救助活動をしていたフランスレスキュー隊100人は北上し、津波でいまだに陸の孤島となっている村へ向かうことになっている。「何百キロ平米というはてしのない瓦礫の平野に胸が詰まる」とフランスレキュー隊。 日本人も小さい子供を持つ母親は、大阪方面へ疎開している。フランスのメディア・ジャーナリストも福島から240kmしか離れていない危険な東京を逃れ、大阪へ移動した。 対応の知識について: ちなみに被爆を早めに察知し、ぬるま湯のシャワーを浴びて放射能を洗い落とす場合、体をこすったりせず、また髪などももみ洗いをせずお湯を流すだけにとどめることが肝要。きちんと洗浄すれば約80%の放射能を落とすことができるという。 また、甲状腺は特に4歳以下の子供が非常に脆弱で、はやく子供を放射線の危険から遠ざけなければならない。 (フランスTV、BBC、Skynews、フランスアンフォ・ラジオ) My opinion: フランスTVやBBCは、今回の津波の災害で避難した人たちが、雪解け水で手を「久しぶりに」洗い、また片方では「6日も髪を洗っていなくて気持ちが悪い」という若い男性を映し出していたが、少し前まで経済大国で何でもあり、また何でもできると思っていた日本が、歴史的な大災害とはいえ、一週間たった今もこれだけ対処ができずにいるかと思うと情けない気持ちになった。アメリカのブッシュ大統領が暴風雨カタリナの災害時に対処が遅れてずいぶん非難されたが、人のことは言えない。ことに、食料・水といった最低限の物資供給や、原発の危機から住民を非難させることもかなり後手になっていると思うのは私だけだろうか。必要物資の大量収集、大量運搬のための手段や人間の収集といった連携をとることに時間がかかりすぎている。こうした大災害に際して、国を挙げてあちこちに気を配って動かなければならないときに肝心の手段が即座に利用できないでいる政府をみると、もう国がイニシアチブを取れないほど小さくなりすぎてしまったのではないか、と思ったりせざるを得ない。 一番気になるのは原発周辺の住民の行方だ。1986年のチェルノブリイ事故のとき、激烈な放射能のなかで作業をしたヒーローをリキダター(粛清屋)と呼んだ。そのリキダターを指揮した人がまだ生きている。「あの事故で今一番後悔しているのは、子供たちの避難をさせず、36時間もそのまま何もしないで放っておいたことだ」と悔悟していた。被爆した子供はみな白血病やガンなどを発病している。 政府は手遅れにならないうちに早く救える人を救わなければ。(S.H.)
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TF1 TV の2011年3月16日昼のニュースの内容から: Le 13 heures du 16 mars 2011 福島原発第4号機の核貯蔵プールの水が激減し、核が水面から出て外気に触れている危急の状態となったため大量の放射能が放射されはじめ、急務に当たっていた職員は全員退避せざるを得なくなった。第4号機の加熱を抑えるためヘリコプターで空から水を投下する準備がされたが、放射能が激烈なため中止。現在地上から放水が行われている。昨日二回の爆発で第2号機の核貯蔵庫が破損。密閉状態を保てなくなり放射能が流出している。フランス放射能保護インスティテュートの専門家は「特に第4号機は現在誰も制御をしていない状態。ますます悲観的な方向へ進んでいる」と状況説明をした。 この24時間で、福島から東京にかけて、日常の300倍の放射能が検出された。「 人体への影響はない」といわれているが、これは短期的にみた判断でしかなく、長期的には病気発生の確率を高める量となっている。 自然の放射線で年間人体が受ける放射線量は1から2.4ミリシーベルトといわれている。現在福島近辺で、一時間の被爆量16ミリシーベルト。水道の放射能汚染が確認されている。原発で作業をしていた職員の被爆量は、一時間で400ミリシーベルトと予想される。 以下放射線量の目安(日本の目安とは多少異なるもよう)。 平常の一年の数値: 1から2.4ミリシーベルト。 胸部レントゲン一回: 0.1ミリシーベルト。 全身CTスキャン: 10ミリシーベルト。 福島近辺、一時間: 16ミリシーベルト。 福島原発職員の一時間: 400ミリシーベルト。 ヨーロッパ1ラジオ: 太平洋のフランス領ポリネシアの人々のためにフランス本国から安定ヨウ素剤が緊急事態に備え大量空輸される。 フランス2TV: 加熱が進んで一番危険な状態にあるのは、第4号機と第3号機。水がある限りは希望がある。第2号機はメルトダウンしているものの、現在温度が安定。いったん退避した原発の職員たちは現場に戻ったもよう。フランスのレスキュー隊が仙台に100人ほど派遣されて救助作業をしているが、フランス側ではサテライトで撮った現場の写真を見ながら遭難者が流されそうな地域を推定して、フランスレスキュー隊に情報を送っている。現地では、「原発の緊急時にかんして、どのように対処するのかなどまったく日本側からの指示は来ていない」と救助隊の一人がもらした。雪と寒さ、危険な環境で作業は困難を極めている。「天皇が国民に向かって演説したのは、事態がそれだけ深刻であることを物語っている」とレポーター。 My opinion: フランスTF1テレビのみならず、フランス国営チャンネルが津波の後の原発事故の進展を追いかけ、毎回のニュースで進展を詳細に説明しようと懸命になっている一方で、日本の日本人の反応が冷静すぎてかえって世界の心配をかきたてている。「日本国内の日本人は本当にちゃんとした情報を得ているの?」というのが大半の疑問とするところだ。フランスのTVニュースでは、在日外国人や政府の情報に不信感を持っている日本人は外国放送をインターネットでキャッチしているということも報告された。昨日の段階でフランスの放射能安全委員会は福島原発事故をレベル6に指定しているが、どうしたら核の暴走を食い止められるのか。それにしても命を懸けて仕事をしている原発職員の勇気には頭が下がる。世界のメディアが「ヒーロー」と形容している。その職員たちも退避するような状況で、われわれはいったい何をすればいいのだろう。フランスTVの司会者に「チェルノブリイ事故以上の惨事になるか?」と質問された原子力開発研究者は、みな誰もしどろもどろ。はっきり「それはありえない」と言ってくれないところが実に厳しい。 今日のTF1は、レベル7のチェルノブイリ事故で放射能の雲が数千キロ離れたところまで汚染した事実を、ヨーロッパの地図の上を移動する雲の映像をCGで見せて放送している。1986年事故当時のフランス政府は、「放射能の雲はフランスの国境から一歩も入らなかった」という表明をして国民の生活を日常どおり営ませ、ほかのヨーロッパの近隣諸国がやったように甲状腺保護のためのヨウ素剤を配って最低限の国民の健康の安全をはかることも、また市場から野菜や牛乳などすぐ汚染されそうな食料品を回収することもしなかった。今フランスが日本の原発事故に敏感に反応しているのは、結局、長期の放射能被爆でガンなどの病気が増えていることと事実隠蔽をした政府へ国民が反駁していることも根底にあることを否めない。フランス国境でとどまるどころか、チェルノブイリの雲は南のピレネー山脈の一部を除くフランス全土を覆っていたことを知らしめるフランスのTV映像は、事故から25年経った今日はじめて見た。(S.H.)
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日本 - 2011年3月11日の東北大地震に続く津波、また福島原発事故の経過がフランス、その他のヨーロッパの国々でも毎日、ほとんどリアルタイムの情報を導入して報道されている。 日本の福島原発事故に関して、フランスTV、BBCなど、内容をかなり深刻に討議する段階となっており、世界全体が注目している様子がうかがわれる。 フランス大使館は原発の事故が始まったと同時くらいに、原発事故の悪化と放射能の危険を懸念して、在日フランス人に東京を離れ南へ移動するか、本国へ戻るよう呼びかけ、昨日から特別チャーター機を増やして、フランス人とその家族のフランスへの輸送を促進している。 フランスTVのニュース番組にPCで情報を提供する在日フランス人からは、日本の新聞テレビなどのメディアがほかの国ほど深刻に対処していないことや、原発事故に関する福島や近隣県住民への救援の手が薄いこと。また、原発事故が明らかにされて6日目になりながら、大病院には放射線計測器などの対応施設がまったく用意されていないことなどが指摘され、国の対応の緩慢さに厳しい批判が寄せられている。 フランス放射能安全対策委員会会長は、福島第2の爆発で核格納庫が密閉状態を保てなくなり、また第4の核貯蔵プールが破損して水が減ったことで加熱が始まり不安が拡大したとして、「福島原発の危険度は4から6になった」という。ちなみにチェルノブリイは7。非常事態を超えた。 イギリス BBC: LIVE New fire hits Japan nuclear plant リアルタイムで情報オンライン アメリカ NBC: Rachel Maddow show ‘Radiation fears’ 「メルトダウンはどこまで進んだ?」 フランス TF1: le 15/03/2011, JT à 20H ‘La centrale de Fukushima échappe à tout contrôle‘ 「暴走する原発」