フランスから―環境とアートのブログ

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アクチュアリティ、チェルノブイリの石棺

チェルノブイリ原発事故から25年、放射能が漏れ続ける「石棺」- キエフでG8 : 2011年4月19日、キエフでG8と欧州連合によるチェルノブイリ・シェルター・ファンド(Chernobyl Shelter Fund、1997年設立)のためのサミットが行われた。 1986年4月に事故が起きたチェルノブイリ原発第4号機の核燃料および放射性廃棄物90トンを封じ込めるためにつくられた「石棺」にヒビがみつかり、また、石棺が4号機から少しずれて設置されていたことが検証されたことで、再び放射能漏れの拡大がヨーロッパ諸国に懸念されていた。石棺は耐久年、約30年を見込んで作られたものだが、老朽化が急速に進んでいる。古い石棺の外にさらにもう一つの石棺を建造する計画が立ちあがり、2007年欧州銀行の管理の下でフランスのブイグ社とヴァンスィ社が共同で新しい石棺建設を引き受けることが決定したが、建設費用の15億ユーロ蒐集に長いあいだ手間取っていたもの。事故25周年にあたり、今日キエフの世界各国約50名の代表を集めた大会議で、欠如していた建設費用の7億5千万ユーロのうち5億7千5百万ユーロの基金を集めることに成功した旨を会議の副議長を務めたフランソワ・フィヨン(仏首相)が発表、寄付金の目標達成に満足の意を表した。 チェルノブイリ第4号機の新しい石棺建設に、欧州連合は1億1千万ユーロを供出。フランスは最低で4千7百万ユーロを当てる予定だ。また欧州連合は、ウクライナに対しほかの4つの原発の安全対策強化を促進させるために4千8百万ユーロを寄与することが決定した。 新しい石棺はかまぼこ型で、高さ108m、重さ2万トン。4号機の脇で建設したあとスライドさせて4号機をすっぽり包む構造。建設はすでに2010年末から開始し、2015年の竣工予定。チェルノブイリの最後の炉心は2000年に閉鎖されている。 チェルノブイリ原発事故: ・人災。 ・1986年4月26日、稼働中の第4号機で操作を誤り、炉心が爆発。ウクライナ、白ロシア、ロシアを汚染。放射能の雲がヨーロッパのほぼ全域を覆った。 ・公の発表では、4号機の爆発で31人が死亡。 ・リキダター(粛清屋、あるいは片付け屋)と呼ばれる事故の収束のために原発で働いた人は、60万人。最初に到着したリキダターたちは、90秒しか現場にいられないほどの激しい放射線の中で軽微な作業服を身にまとい、建物の外へ飛び散った瓦礫をスコップでかき集めた。 ・放出した放射能で大勢の人々が病気になり死亡しているはずだが、チェルノブイリ事故が及ぼした健康への実害は25年後の今日も論議の的となっている。 ・周辺の農家の家畜は、奇形児を生んだり死産が続出。 ・チェルノブイリ原発から半径30km圏内は、放射能が土に浸み込み、現在も立ち入り禁止。 ・炉心を包むコンクリートの石棺に発見されたヒビは、現在合計100平米の大きさに広がっている。 ・原発の周辺の無人の村には、タンクやショベルカーなど、事故当時に使われた重機がいまだに高度の放射線を放ちながら打ち捨てられている。 (フランス2TV、フランス2TVブログ、Le Monde/ ル・モンド紙、フランス・アンフォ)

アクチュアリティ、環境異変と被害

フランスのニュースに、ここ数日毎日取り上げられている話題: ロシア - 130年ぶりという毎日40度を越す酷暑が一ヶ月続き、あちこちで火災発生。消し止めてはまた発火を繰り返し現在国中で300箇所が燃え続けている。今までに焼失した森林や村など、合わせて50万ヘクタール以上。国レベルの緊急事態と化した。モスクワは数日前から近隣の火災で煙が充満し、燃焼物の臭気が町中に漂っている。 パキスタン - モンスーンが原因の洪水で1500人以上が死亡、300万人が家を失う大被害が出ている。コレラなど伝染病が発生し、国家的緊急事態に外国からの援助がはじまった。アジアの洪水はそのほかインド、中国などで大きな被害を出している。 アメリカ - 原油流出事故で汚染が進んでいたメキシコ湾の海底油田の壊れた給油パイプをセメントで埋めるトップ・キル作戦が再びBPによって開始され、良好な見通しに、オバマ大統領は流出終了の演説を行った。BPがトップ・キルのためセメント流入を続け、最後の最後まで徹底的に油田を壊滅させるボトム・キルが終了するまで、10日かかるという。事故発生から今日まで流出した原油の量、80万トン。大量の原油が海中のみならず地面に吸い取られ、汚染の状況把握はこれから。また海面の原油分解薬など大量の薬品が同時に海に撒かれていることから来る今後のエコシステムへの影響なども調査が始まるもよう。 フランス - きのうから全国46県(フランスの県は96県、したがって約半分)に干ばつ警報が発せられ、あらゆる地区で使用水量制限が進められている。あちこちで川が干上がり、すでにとうもろこしや麦などにおおきな被害が出ているほか、放牧中の乳牛の食用草まで日照りで枯れて激減している。