2015年12月6日と13日に行われたフランスの統一地方選挙は、6日の第一回投票の段階で驚異的な躍進をした極右政党フロンナショナルの政権奪取の勢いを、13日の決戦投票でからくも食い止め、結局フロンナショナルは一つの州も獲らず、社会党を中心とする左派連合が5つの州を掌握、保守が7つの州を掌握して幕を閉じた。5年に一度の全国地方統一選挙で、保守が確保したアルザス地方一箇所を除いてフランス全土で社会党が圧勝した2010年から、社会党は大きく後退したものの、6日の第一回投票で濃紺(フロンナショナル色)に塗りこめられた極右席捲の脅威が有権者を動かし、社会党の議席数を盛り上げて何とか大敗を避けた結果となった。
2015年フランス統一地方選挙の結果
左下の色分け:黄色=コルシカ国民党、ピンク=社会党、青=保守、濃紺=フロンナショナル(極右)
フロンナショナル(極右)の台頭を許さない市民が投票場へ(L’expresse電子版)
第一回目の投票は投票数の40%を極右が占めたため、社会党と保守が一丸となってフロンナショナル(極右)を食い止めるための対策を全国の候補者にや有権者に呼びかけた。
下の図は、12月6日第一回投票時の結果
色分け:ピンク=社会党、青=保守、濃紺=フロンナショナル(極右)
フロンナショナルが州知事になるのを食い止めたにせよ、現実は厳しい。ル・モンドの解析では、フロンナショナルの候補が僅差で負けている地域がたくさんある。
例えばCentre-Val de Loireは結局左派連合のフランソワ・ボノーが35,43 %で奪取したが、右派のフィリップ・ヴィギエとは僅差(34,58 %)。また極右フロンナショナルのフィリップ・ロワゾーは30 %を獲得している。Bourgogne-Franche-Comtéは、左派34,68 %、右派32,89 %、そして極右32,44%。たとえ、州知事が左派となって社会党のピンクにべったり塗り分けられていても(最上図)、実際には州議会の極右議員数が大幅に増えることは否めない(下図、ル・モンド電子版。濃紺のフロンナショナル部分を参照)。
2010年の統一地方選挙結果と比較
ピンク=社会党、濃いピンク=その他の左派、青=UMP(今の共和党)
保守サルコジ政治の反動で、社会党左派連合が大勝した。
2015年統一地方選挙に関するリンク:
https://fr.wikipedia.org/wiki/%C3%89lections_r%C3%A9gionales_fran%C3%A7aises_de_2015