近年の天候不順や大雨、台風、サイクロンの巨大化、洪水などによる被害が世界各国で激化しているが、フランスではきのうから中部の10県で大雨洪水警報がだされ、一夜で1mの大雨が降って幾世帯もが冠水する地域が出るなどしている。異常気象が毎日のように話題になるきょうこのごろ、フランス2TVが5月3日発表した地球温暖化による極度な変化とは…
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まず、アクチュアリティから
TF1TV 2013年5月5日のニュース:
おとといから続く大雨によるフランス各地の洪水。コートドール、ディジョン、ヨンヌ、etc.
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France2TV、2013年5月3日朝放送:
Le Figaro e-news le 2 mai 2013:
2012年は北極の海氷の解ける速さが今までの最高となったことがわかり、世界気象機構は「気候変動にかんする危機的な兆候」と発表した。世界の温度の観測が開始された1850年以来、2012年は過去最高の温度を記録した10年のうちに入るほどの暑い年であったことがわかった。
しかし、国連エージェントによると、2012年の気候変動のうち一番問題なのはむしろ、「北極の海氷の融解が過去最高」を記録したことだという。9月半ばの段階で、「年周期のうち一番海氷の少ない時期で、341万平方キロメートル」であったという。つまり、2007年の同じ時期の18%以下だった。ここで、2007年を引き合いに出すのは、この年やはり過去最悪の融解の進捗度を記録したことによるものだ。「1979年から2000年の間の平均的海氷にくらべ、2012年は49%、つまり330万平方キロメートルも少なくなった」という。つまり、地球の環境は劣化しているということができる。
7月上旬、グリーンランドの氷河が大量に解けた。これも、「30年前にサテライト観測が始まって以来の融解の加速」という。
いいニュースを拾い上げれば、南極のことを話さなければならない。南極の海氷はよい状態に保たれ、9月下旬の段階で、1979年以来の良好な1940万平方キロメートルを記録している。温度に関しても、2012年は「異常に良好で」0,45 °C。これは1961年から1990年の間が 14 °Cであったことと比較した「例外」さである。
2011年のようにエルニーニョの影響で寒くなったりしているが、ここ27年にわたり、地球表面の平均気温は地上も海面も同様に、通常気温を上回っている。
・海面の上昇
こうした状況を「気候変動の心配な兆候」としたのは、世界気象機構会長のミッシェル・ジャローだ。気候が平年の気候ではなくなっていくと、「現象の物理的なさまざまな性格を変化させ、気象変動をさらに拡大し悪化させていくことになるだろう」と推測している。
海面上昇について世界気象機構は、「世界の海水は、1880年と比較すると現在は20cm上昇している」と発表した。海岸線の暴風雨は洪水による重大な被害を引き起こす。たとえば2012年にカライブを襲い100人以上の犠牲者を出し、ニューヨークでも130人の犠牲者を出したハリケーン・サンディーのような例である。ひとつの暴風雨があちこちで巨大な被害を出す。このハリケーンによるニューヨークの被害額は数百億ドルに上るという。
2012年は西アフリカ、北中国、北ヨーロッパで降雨は平常より多かった。ヨーロッパは桁はずれて降雪も多く、「一般に、北半球では以前とは比べものにならないほどの積雪があった」としている。また反対に、2011-2012年は、北アメリカでは雨量が少なく、積雪もいつもより少なかった。「このことが過去2年の冬と違う部分です」。
これらの世界気象機構の発表は2012年の調査データの一部に過ぎないが、際立った異常気象や気象変動を招く要因として、5月15日から23日に開催される世界気象会議で検討されることになっている。