[新年度]

9月3日月曜、85万人の先生方が夏休みを終えて学校へ。9月4日火曜日は、全国65000校、1210万人の子供たちの新年度が始まった。前大統領サルコジ時代5年間を通じて8万人の教員が削減され、教室の合併や教師の掛け持ち、過疎地域では閉校や学校の合併などの厳しい処置をとらざるをえなかった。2012年新年度、サルコジ政治のしわ寄せを引きずったかたちで迎え、各地で子供の親たちの抗議が寄せられている。今年当選した社会党オーランド大統領の選挙公約には「教員6万人増員」が謳われており、新学期に合わせ1000人の増員があり、雀の涙ながらも教育の現場の改善が期待されている。

[フェッセンナイム原子力発電所で小さい化学爆発]

ライン川から2km、アルザス地方のストラスブール近郊に位置するフェッセンナイム原子力発電所で9月5日、化学爆発があった。爆発は二つの炉心のあいだにある白い建物での定期点検の際、高濃度の液体酸素を操作していたときに起きた。爆発の煙で警報が鳴り響き、消防士50人が出動。作業に当たっていた2人の従業員がガスによる軽い中毒症状を起こしたが、すぐに回復して仕事に戻ったという。3時間後のフランス電気会社EDFの発表では、爆発は化学爆発で、炉心のある建物とは離れた建物内で起きており、放射能流出の危険性はまったく無いとしている。

フェッセンナイム原子力発電所は1977年に竣工したフランスで一番古い原子力発電所として知られており、特にオーランドの大統領選選挙公約でエコロジー党と原子力発電の将来について論議を交わし、当選後一番最初に解体する原子力発電所として公に指定していた原発である(2014年操業停止、2017年解体予定)。この事故を受けてエコロジー党が早速、事故の報告書提出を要求。政府に対しフェッセンナイム原発の解体計画書の作成を強く求め、原発論争が再燃した。

福島第一原発事故以来、原発の多いフランスは原発敷地内でおきる事故には非常に敏感になっているが、フェッセンナイム原発は特にフランスで一番古いことと地震発生の危険地域に建設されていることから昨年立ち入り検査が行われており、そのとき、格納容器の真下のコンクリートの厚みが1mしかないことが判明して関係者を驚かした。2013年までに内側からコンクリートを注入して厚みを増やす工事が行われることになっている。

翌日の住民の反応は。「こういう小さい事故はすぐ発表してくれるけれども、公表しない事故が結構あるみたいですから、そっちのほうが怖いですよね」。フェッセンナイム原発は近隣の村々を潤しており約200の中小企業が原発関係者を相手に仕事をしているため、「原発が解体されるのはいいんですが、それまでに原発に代わる産業を導入できるかどうかに私たちの運命が掛かってます」という住民が半数。

(フランス2TV)

ドイツ、スイスの原子力関係者もフェッセンハイムへ急行し、状況把握に努めた。事故は化学反応による爆発で外部にも何の影響も無いが、関係者たちはぴりぴりしている。(TF1TV)


TF1TV抜粋、フェッセンナイム原発から中継