支持率36%

マクロン大統領在任100日目の2017年8月12日、 フランスの世論調査IFOPが大統領の支持率を発表した。総選挙のあった6月から目に余る急落。フランス人の36%が現政権に満足と答えた。この数字は先のオランド大統領在任100日目の支持率46%より10%も低い。

理由として、全国総選挙で国民議会の過半数を占めたマクロン派新党だが、その政治経験の未熟ゆえに議会でメランション派にやりこめられがちなこと。 新閣僚の政治表明が不十分なこと。やはり首相が自己表明に長けていないことなどが挙げられている。

https://www.lesechos.fr/politique-societe/dossiers/030394051196/030394051196-la-nouvelle-assemblee-nationale-2095684.php 

6月11日、18日に行われた国民総選挙

エマニュエル・マクロンの新党が楽勝して過半数の議席を獲得したこの6月の統一地方選挙。長年交互に青と赤に政治の方向を塗り替えてきた統一地方選挙だが、初めてマクロンの「右でもない、左でもない」黄色がフランスを埋めた。

マクロンの新党とモデムModemを合わせて350議席となり、過半数の289議席を優に超えた。

Union des démocrates et indépendants (UDI、独立民主連合)とLR(共和党)を合わせて113議席。社会党は29議席。フランス・アンスミーズは17議席、共産党10議席。フロン・ナショナルは8選挙区で勝利した。一方で、コルシカでコルシカ国民党が失墜し、ヨーロッパ・エコロジー党は1議席も獲得しなかった。

La nouvelle Assemblée nationale
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http://www.ouest-france.fr/elections/legislatives/legislatives-la-nouvelle-assemblee-en-cinq-chiffres-5074625

新しい国民議会の数字

・424

国民議会議席総数 577 のうち、424人が新人。

党別では、メランション派のラ・フランス・アンスミーズがほとんど新人(政治の世界も初めてという新人)。マクロンの新党ラ・レピュブリック・アン・マルシュは91%。共和党40%、社会党6%。

・48

議員の平均年齢、48.8歳。2012年時より5歳若く、第五共和制レベルでは一番若い。

最低年齢議員は、Ludovic Pajot(フロン・ナショナル)で23歳。 最高年齢者は、 Bernard Brochantで 79 歳。.

 

・224

女性議員224人。39%の議席を占め、2012年の155議席を大きく上回り最高の人数に。マクロンの新党ラ・レピュブリック・アン・マルシュの議席獲得数の46% となり、47%を占めたMoDem党の次。

メランション派のラ・フランス・アンスミーズ41%。社会党38%。フロン・ナショナル25%、共和党23%の順。

200

他の役職(市長、県議会議員や議長、州知事など)に就いていて、兼任を避けるためにその役職を辞職しなければならない議員の数。

・41

会社社長の数。2012年は22人だった。社会のステータスの変化を見せるのは経営者のみならず、会社役員、自由業者、退職者なども増加。今回の当選者の中には学生やブルーカラーもいて、国民議会を構成する人々がこのような形で多彩になったのは初めて。
http://www.ouest-france.fr/elections/legislatives/quoi-va-rassembler-l-assemblee-en-marche-5072282

遡ってみるエマニュエル・マクロンの総選挙戦略

統一地方選挙に向けてマクロン派は候補者を526人立てた(うち266人が女性、260人が男性)。526人中271人が政治の世界に初めて踏み込むという、大胆な戦略だった。アフリカ人、アジア人、マグレバンなど多数のフランス以外の人種を含み、会社経営者や学者、教育者等、あらゆる分野から高度な教育を受けた人間が選抜され、その多くが著名なプロの政治家たちを次々と退けて当選したという経緯がある。フランスにとっても、また政治を任された議員たちにとっても未だフランスの誰もが経験したことのない新しい世界を前に、明日からこれら政治の新人たちはどのような社会を切り拓いていくのだろうか。

(情報ソース:LCI、 Ouest France、Les Echos)