L’Obs、「バイバイ、オバマ、カメロン、オランド、レンジ」
フランスの左派の大手週刊誌L’Obsが、12月上旬に上のような写真を公表した。昨年6月のG7時に撮影されたものをトリミングしたというタイムリーな画像は何をか言わんや。G7のうちG4が退陣する2016年年末の大きな転換は、不透明な近未来の危うさを示している。
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2015年6月にドイツのバイエルンで行われたG7の終盤、記念撮影で、米オバマ、仏オランド、英カメロン、伊レンジの4首脳が会議を引き上げる際に主催国に感謝して手を振っているのに対し、ドイツのアンゲラ・メルケルは不動のままという、普段のG7の光景にすぎなかったはずのこの画像。12月5日のイタリアの国民投票で負けたマテオ・レンジの辞任で突然暗示的な意味を持って浮上した。この一年後、イギリスは国民投票でEU脱退を決めてカメロン首相が辞任して、テリーズ・メイが新首相になり、その火蓋を切ったのだった。
アメリカのオバマ大統領は2期8年の任期を終えるが、11月の大統領選でまさかドナルド・トランプが勝利するとは思っていなかっただろう。
フランスのフランソワ・オランド大統領は、大統領選2期目の戦いを目指していたものの、世論調査で10%を切る低支持率に苦しみ、12月上旬自ら立候補を諦める声明を出した。
イタリアのマテオ・レンジは、憲法改革に乗り出していたが、国民投票で大多数の国民がこれに反対し、辞任を発表する羽目になった。
世界がこうした端境期を迎える中、アンゲラ・メルケルが独り2005年から高い支持を受けて長期政権を保っている。ドイツは、2017年9月に首相選が行われることになっており、4期目も立候補する意向だ。