10月19日、原発5基が強制点検のため運転停止
フランス原子力安全局ASNの命令で、フランス電気会社EDF経営の原発のうち、フェッセンハイム、トリカスタン、シヴォーの5基が強制的に点検に入った。原子炉格納容器の中に設備されている蒸気発生器(スチーム・ジェネレーター)の底を覆うFond primaire という鉄製のボール型の部品に欠陥があることが指摘されており、原子炉の安全にかかわる重要な装置の一部でもあるため、稼働を停止して綿密に点検を行う運びとなった。この部品は、日本のJCFC日本鋳鍛鋼株式会社が製作したもので、インゴット・スチールで作られているが、検査の結果、部品の中央部分に、本来鋳鉄時に均されるはずの炭素が集中してしまう炭素偏析が検出された。…鉄中に炭素が多いと強度が損なわれ、突然割れる恐れもある。点検では、炭素の集中度や強度検査、またすでにひび割れなどが見当たらないかを調べるという。
同じ日本製のスチーム・ジェネレータのスチール底を取り付けた原子炉は12基存在し、この冬は、この点検のため12基全部が運転を停止することになった。他の停止中、並びに点検中の原発を加えると、21基、フランスの原発の実に3分の1以上が停止することになる。さて、冬の間電気は足りるのだろうか。風力発電や太陽光発電、火力発電などへの転化でなんとかなりそう、だとか。ちなみに今のところ重大な欠陥が発見されない限りは、部品を取り替える計画はないようだ。点検は年内に終えたい意向。
日本でも同じ会社の部品を使った原発が川内、伊方、高浜など13基ある。
http://www.asn.fr/Informer/Actualites/Anomalies-potentielles-sur-les-generateurs-de-vapeur
Japan Times の記事 http://www.japantimes.co.jp/news/2016/09/04/national/jcfc-steel-troubled-french-reactor-also-used-13-japanese-nuclear-power-plants/#.WAlwjlcceqB