アクチュアリティ
サルコジ大統領、支持率21% - きのうのフランス2テレビ発表の国民アンケートによると、就任3年目で、サルコジ大統領の支持率が大幅に落ち込み、21%の最低を記録した。「信頼できない」という国民は71%にものぼる。2007年の大統領選出のとき65%だった支持率は一年後に半減。3年後の今日は、はっきりした不満の声が大勢を占めている。これにたいしEUの政治批評家たちは、大きな負債を抱えたEUのリーダーシップを執るべき主要国の大統領が国民の信頼を欠いていることに大きな不安を感じる、と口をそろえて表明した。 猛暑 - フランス全体を高気圧が覆い、気温が上昇中。きのうは全国いっせいに30度を越した。きょうは、パリで33度、ストラスブール34度、ボルドー37度。今週末はさらに上昇するもよう。フランスの2003年の酷暑で15000人が死亡(きのうのフランス2テレビが数字を引用した)していらい、フランスは酷暑レベルを設定し、危険度が上がると各病院や養老院施設などで特に暑さに弱い病人やお年寄りに特別対策をとるよう指示をくだすことにしている。早速、健康省のロズィーヌ・バシュロ大臣が酷暑対策に乗り出す姿勢をみせている。 My opinion - 2003年の夏と2010年の夏を比べると、フランスは社会のようすががすっかり変化した。かんかん照りでも石の建物の中に入れば涼しく過ごせたフランスは、2003年以前はクーラーや扇風機はおろか、扇子ですら「存在しなかった」。「存在しなかった」とここでかぎ括弧をしたのは、フランスのマーケットのことを指したいがためである。日本から来た日本人が「西日がひどいので扇風機を買いたいのですが、どこで売ってますか?」と訊きに来たことがあったが、残念ながら「どこにも売ってませんが、注意していれば見つかることがあるかも・・・」とこたえたことがあった。20世紀までのフランスでは夏に対してこれだけ鷹揚でいられたのだ。突然の猛暑が訪れた2003年は、40度を越すアパートの中で、空調をすることも知らない人たちがたくさん死んでいった。信じられないことだがこうして亡くなった人の数15000人。気温の上昇のみならず、必要の無かったものが突然必要になったときの社会と人間の習慣のずれが桁違いだったことが、この思いもよらない惨事のもうひとつの大きな要因であったと私は考えている。さすがにこの経験で、翌年からフランスのマーケットへ扇風機が導入され、現在ではクーラーもあちこちで買えるようになったから、いまや2003年のような驚くべき数字とは縁が切れたはずであるが、はたして地球の温暖化はこれからどのような災害をもたらすのやら。予測のつけようもない。(S.H.)
フランスの小都市からロンドンへ職探し
6月8日付けのTF1テレビニュース、報道タイトル - 「ロンドンは若い失業者のエルドラド?」 欧州連合から援助を受けている協会の助けで、フランスの地方の移民が集中する町で失業している若者たちをロンドンへ送るというプランが実行され始めた。移民の若者がフランスで職を得るチャンスは少ない。こうした若者に未来を提供しようと、協会が3ヶ月の英語教室を開いて特訓し、また同じ町からアメリカへ行って自分の道を切り拓き、博士課程を取ってワシントン大学で仕事をしている黒人講師を招聘して質疑応答をするという機会を作り始めた。 「ほかの国なら希望がある?」「チャンスが多い?」こうして短期間の特訓を終えた20人の若者たちは、ロンドンへ移動し、早速職探し。ロンドンではCVを持ち歩く必要もないし、職をオファーしているところへ行って話し合い、一日で雇用されるものも出てきた。「フランスのように週35時間労働の基準など無く、ロンドンでは40時間以上働くけどちゃんと時間に見合った給金がもらえる」とニコニコ顔だ。 My opinion: フランスとイギリスの雇用の仕方の違いは大きく、むかしからよく比較されてきた。特に外国人移民の雇用については、このルポルタージュが示すように近年頻繁に問題として取り上げられながら、フランスの雇用段階で起きる差別は根強い。履歴書に書かれた名前がフランス系ではないというだけで、雇用対象からはずされることが頻繁に起きる。そのため、国が、名前を隠して履歴内容だけで審査するよう指示をするなどの法案をだしたほどで、フランス国籍を持っているものですら移民にとってはまだまだ社会の壁は厚い。このルポルタージュに出てくる若者にとって、仕事を見つける際にCVや名前の出自などは不必要、たった一回の面接で雇用が決まる、などということはほんとうに正真正銘の夢だったにちがいない。「ロンドンはエルドラド(黄金郷)?」それでは、「フランスはいったい何?」。 欧州連合で国境が取り去られて、移民もほかの国へ移動がしやすくなった。国は、移民対策に汲々としまたフランスの悪習慣修正に四苦八苦しなくても、本人たちの意思でまた満足のいく形で移民に国外へ出ていってもらうことができるようになったわけだ。こうした外国への職探しなどというお助けシステムができたおかげで、かえって差別問題の解消へ向かってこの国がしてきた努力にブレーキがかかってしまうのではないかと懸念するのは私だけだろうか。 ロンドンで就職口が簡単に見つかって笑顔を見せるその影にかくれた大きなフランスの差別問題。この20人の中に一人でもフランス系のフランス人が混じっていれば、私も「失業対策」として聞き流したかもしれないが、20人ともトゥルコワン市の公団住宅に住む北アフリカからの移民の若者たちで、彼らの中にフランス社会に対する大きな障壁や引け目があるのをインタビューからも感じとれたことで、「フランスはいったい何か?」という話になった。「ロンドンは若い失業者のエルドラド?」。はたして、フランスが「エルドラド」になる日は来るのだろうか。(S.H.)
Day48、原油汚染
アメリカのメキシコ湾の原油汚染が320kmに渡ってひろがっているとフランスのきょうのニュースが伝えた。アメリカのNBCニュースには、分厚い原油の波の中でもがいているペリカンが幾度もまた何羽も映し出されていたが、悲惨な汚染のニュースの中で目を引いたのは、海岸周辺の住民のプロテストだった。さながら無名戦士の墓地のように、今作ったばかりといったかんじの白い十字架が何本も空き地にならび、その上に黒々とペンキで書かれているのは死んだ人の名前ではなくて、「Fishing」、「Pelicans」、「The Beach」・・・。端的にまた簡潔に、海辺の生活と自然が死ぬ悲嘆を表現していて、なんとも胸が締め付けられるサイトスペシフィック・インスタレーションだ。(S.H.)
USA原油汚染
41日間、毎日毎回、フランスのニュースが時間を割いて追いかけているニュースは、アメリカのメキシコ湾の石油汚染だ。もちろんフランスだけではなく世界中が注目している史上最大の環境汚染であるが、どういった方法で油田からの噴出が食い止められ、将来この海をどんなかたちで浄化できるのか。失われつつあるこの海の原形は、いったい取り戻せるのだろうか。ほんとうの意味で人間の最先端科学技術の真価が問われるのは、こうした自然を相手にしたときなのではないだろうか。 メキシコ湾海底油田の原油汚染ビデオ。BPのトップ・キル作戦失敗 - Video from ITN NEWS (UK) : US oil spill ‘top kill’ efforts fail 「アメリカ政府はなぜ、驚くほど無力?」と、きのうのニュースはなぞを伝えようとしたが、ワシントンのフランス駐在員の説明では、どうも石油会社BP に事後処理責任をすべてとらせようとしたことが現状のおおもとらしい。BPは実際、何度も食い止めようとした方策が失敗した。「元から危険とわかっている海底油田開発にかんし、BPは何も事故対策を持たないアプランティ・ソルシエ(魔法使いの見習い)だった」とはフランス2・テレビの発言である。アプランティ・ソルシエとはフランス人がよく使う比喩で、自分の魔法がかってに一人歩きして止められなくなる、自分の能力以上のことをして災害を招くことをいう。 1989年3月、エクソン・ヴァルデーズの180000トンの原油を積んだタンカーが事故を起こし、原油がアラスカの海を汚染した。この事故の際も動物とその環境が大きな被害を受けた。アシカの群れが油の海に取り巻かれてないているのをテレビのチョッパーが映し出し、それだけで胸が痛んだが、「それだけで」とここでいうのは、アメリカのエコロジストが10年後、取材でアラスカを訪れ、海岸の石を拾い上げてみると、その下はまだ真っ黒な石油が層をなしていて現実の汚染のありさまをまざまざと見せつけていたからだ。 BPのメキシコ湾事故では、トップ・キルの失敗で原油の噴出量が増え、一日2百万から5百万リットルという原油(フランステレビ発表)が流出している。BPがほかのストラクチャーをつくりそこから原油をくみ上げるとしているが、くみ上げステーションができるのは8月だという。またすぐにでも応急手当はするという話しだが、今までの失敗からするとバンドエイド程度のものだろう。ステーションができる8月まで、いったいどれだけの原油がどこまで汚染するのだろうか。 ABC NEWS 5月31日付 「1億700万ガロン流出」(English version)
アクチュアリティ
登校拒否に実刑 - 学校を休んで授業に穴をあける生徒が多く、各地で問題化している。5月25日、サルコジ大統領が中学校を訪問。「4週間以上、届けを出さずに無断で学校を休んだ場合、家族手当て支給を停止する」と発表した。学校をサボる子供の監督不行き届きとして、当事者の家庭が実質的な制裁を受けることになる。すでに今月、何度も学校から勧告を受けたにもかかわらず子供が学校に出てこない家庭の母親が、なんと、一ヶ月の禁固刑を言いわたされるという事例がでている。 ジャック・ポット - ピレネ地方の平凡な家庭の夫婦が、結婚13年目の記念に生まれて初めて行ったカジノで、551万ユーロを当てた。スロットマシンに50サンチーム玉(約60円)を3枚入れてハンドルを引いたところ、館内はサイレンが鳴り出し、スロット・マシンは回りっぱなしで、夫婦は「マシンが壊れたのかと思いました」とか。1ユーロ50サンチームで夢の百万長者に。 女性の喫煙 - 若い女性の喫煙者が増え、それにしたがい女性の肺がん発生率が数年前の4倍に増加していることがわかった。
アクチュアリティ、名画盗難
名画盗難 - 5月20日明け方3時過ぎ、パリ市立近代美術館に泥棒が押し入り、名画5点が盗まれた。ケ・ド・ニュー・ヨーク側から窓を破って中に入り、ピカソ、マチス、レジェ、モジリアニ、ブラックの5点を盗み出し、カッターで絵の部分を額から切り取って逃走した。大きい美術館に夜警は3人だけ、しかも警報が3月から壊れたままで、誰も盗難には気がつかなかったという。合計被害額は1億ユーロ。インターポールが絵画の画像を世界に流して、手配中。大金持ちのコレクターによる強盗か、あるいは身代金を取るための盗みと推測されている。盗まれた5点に保険はかけられていなかった。 この事件で美術館の警備の薄さが問題視されている。美術館の警備費用は年間千五百万ユーロ。これ以上の費用捻出は困難とか。こうした盗難で毎年、30枚近くの絵画がフランスの美術館から紛失し続けているという。 木曜に盗まれた絵画の内訳-Les 5 œuvres volées ce jeudi:”Le pigeon aux petits pois” de Pablo Picasso, “La Pastorale” d’Henri Matisse, “L’Olivier près de l’Estaque” de Georges Braque, “Nature morte au chandelier” de Fernand Léger et “La Femme à l’éventail” d’Amadéo Modigliani
アクチュアリティ
USBドライバー - エロー県セト市で、中学校一年生(フランス流には6学年目)を対象に、教科書の代わりにUSBドライバーを持って通学する試みが始まった。日によっては8キロから10キロの重さの教科書を入れたかばんを持って毎日通学しなくてはならない生徒の肉体的な負担を軽減する目的も含めて、コンピュータを利用できる日は、分厚い教科書の代わりにUSBドライバーを持参。国語(フランス語)、英語、数学などはこの方法で十分だし、授業もコンピュータ指導でまったく問題ないと先生方も奨励。早速、小学校6年生から実行してほしいという要望が出ている。 沿岸漁業 - 農業と同様、沿岸漁業の衰退が問題化している。後継者がおらずまた後継者養成もできず、魚も獲れなくなり、離職が急増。海岸線は漁業が消滅して観光業に入れ替わる日も間近といわれはじめている。 ブルカ - 司法的な根拠がまったくないとして国務院が反対する「公共の場で顔を隠すことを禁止する法案」が通過する見込み。このニュースで一気に、イスラム系のブティックではブルカやニカブが飛ぶように売れて、売り切れ。ブルカ禁止法に対するレジスタンスかと見られている。ブルカやニカブを日々着用する女性たちは、家に閉じこもるか着用を止めるか選択を迫られているとおもいきや、実際は、そのほとんどが罰則を受けても「このまま着続ける」と主張しているらしい。 これに対し当局側は、民主主義とはみんなが顔を出して歩ける社会のことだということを女性たちに教育する必要がある、と 表明した。 すでにブルカ禁止法案を持ち出した当初、野党議員から、「サルコジ大統領は、ほかにいくらも大事な問題があるときに限って、ポンと関係のない問題を投げかけては、論争を引き起こして問題をごちゃごちゃにする。あれは性格ですかね」と手厳しい非難を受けている。実際ほかにも「ごちゃごちゃ」と問題を提起して、むやみに国会で論争を戦わせ時間を浪費している。たとえば、大統領就任早々、「ナショナル・アイデンティティ – Identité nationale」なる問題を持ち出した。これは、今までフランス人と認められていたフランス人に対して、身分証明やパスポートの更新の際に、あらためて「フランス人であることを証明」するよう要求するもので、更新手続きが複雑になり、やたら多くのフランス人が迷惑をこうむっている。この問題に関しては、また新しいページで追求しなければならないだろう。
アクチュアリティ、FACEBOOK
- アペロ・ジェアン。ナントの大集会で飲酒による事故死が発生し、取締りが厳しくなった。フランスのあちこちでFACEBOOKのよびかけによるパーティが予定されていたが、集会禁止の町が続出。また集会を禁止しなくても、アルコールの販売を禁止するなどで、先週末予定されていたアペロ・ジェアンは10分の一の規模の集まりとなり、待ち構えていた警官隊とほぼ同人数という寂しい結果。こうした集会への取り締まり条例の発令がうんぬんされていたが、すでにこれでアペリティフ・パーティも終焉か、といわれ始めている。 - 5月16日、フランス人学生クロチルド・レイスがイランから帰還した。スパイ容疑で10ヶ月イランに足止めされていたもの。
アクチュアリティ
社会現象 - アペロ・ジェアン。アペロとはアペリティフ、食前酒のこと、ジェアンはジャイアント。巨大なアペリティフ・パーティが昨夜行われた。行われたといっても主催者は誰だかわからない。FACEBOOKを介して互いに知らない同士、約一万二千人がモンプリエで、また9千人がナントで集まり和やかにアペリティフを交わした。フランスで二回目。公共の場で集会が行われる場合は、届けを出し警察が取り巻いて厳しく監視されることになっているが、主催者がおらずどこから誰が集まってくるかもわからないこの集会に関しては、当局はなにもできない。新手の集会に、市は救急隊や清掃局を特別に用意してこのパーティを見守った。昨夜は、アルコールで50人近くが病院に運ばれ、モンプリエ市は後始末の経費、6万ユーロを捻出。ナントでは転落事故で男性一人が死亡した。 EU - 先週末、EU各国の経済相が集まって明け方3時まで緊急会議を行い、7500億ユーロのオペレーションをすることで合意し、今週明けは下落していた株が軒並み上昇してユーロも安定する方向にある。各国の支出引き締めは急務。スペインが公務員給与を5%下げると決定した。 カンヌ映画祭 - カンヌ映画祭が昨夜オープニング。 天候 - 先週に引き続き、冷たい空気がフランス全土を覆っている。気温は7度から14度程度。アルプスやピレネで雪のところも。 5月13日 - キリスト教の昇天祭で休日。木曜日のため週末にかけて飛び石連休だが、金曜も休みを取って計4日のバカンスに出かける人も多い。ただ、この気温ではせっかくの休みもいまひとつ、といったところ。明日朝、パリは3度とぐっと冷え込む見込み。
アクチュアリティ
ユーロ - ユーロ下落による共通貨幣の危機。ユーロ圏16カ国サミットで今後の経済対策について緊急会議中。ギリシャの赤字負債と暴動で、昨日はミラノ、パリ、リスボン、マドリッドなどで株価急落。一部ではユーロの存在理由自体が危ぶまれている。まだ火が小さいうちに消し止められなかったのはギリシャに救済金貸付を渋って時間をやりすごしたドイツの責任、すでにパンドラの箱が開かれ手遅れ、と非難する向きも多い。フランスも今後数年間、国庫支出の厳しい引き締めが検討されている。 5月9日現在、危機をのりきるため欧州連合がほかからの資金調達を検討しているが、イギリスは協力を拒否した。 火山 - アイスランド火山がまた活発に噴火。火山灰がアイルランド、北イギリス、および南ヨーロッパ、イベリア半島のほうへ向かい、今日はスペインやポルトガルで全面的に、またマルセイユなど南仏の一部で飛行機が運休している。 5月8日 - フランスの休日。1945年、ランスでドイツが降伏条約に調印し、西欧におけ第二次世界大戦が終結。記念日となった。
アクチュアリティ
天候 - トゥールーズ、ペルピニャンなど南の都市で4度から6度という低い気温。ピレネ山脈の標高1000m以上はまだ降雪が続いており、数十センチ積もった雪で電線が切れるなどの被害が出ている。まだ今週は寒さが続く。 同日5月5日は、コートダジュールが6mの高波に襲われ、ニース周辺の海岸線に並んだレストランなどが押し流されて大破した。カンヌ映画祭のクロワゼットの土台も壊れ、映画祭を数日後にひかえ突貫工事を行っている。きのうはフランスの南半分が暴風雨圏内にあったが、コートダジュールでこうした被害が出たのははじめて。被害額は百万ユーロを越すもよう。 ブルターニュの牡蠣養殖が危機に瀕している。海水の温度が16度以上に上がると牡蠣の病気が蔓延し始め、80%がだめになるという。牡蠣養殖業自体が危ぶまれている。 ギリシャ - アテネで、3万人とも5万人ともいわれるデモ隊が「どろぼう!」と国会に向かって叫びながら押し寄せ、警官隊と衝突した。こぜりあいがエスカレートし銀行に火炎瓶が投げ込まれて職員3人が死亡した。ギリシャは3000億ユーロという巨大な赤字負債を少しでもまかなうべく、国内の消費税VATを23%に値上げ、タバコやガソリンなどの関税を10%値上げ、また市民の給与を15%減給するなどの対策を提示し、国民の怒りが爆発した。デモ隊と警官の衝突は5時間続いたが、この影響でまた欧州の株が軒並み下落し、ユーロも1ユーロ1.29ドルという過去一年で最低を記録した。
アクチュアリティ
天候 - 5月4日。フランスは南のピレネ、リヨン、マッスィブ・サントラルなどの標高700m以上で降雪。先週末は30度の夏日、今日は積雪20cmの真冬となり、ラッセル車が雪を掻き分けている。ロワール地方、オート・ロワール地方、またカルカソンも、先週と30度近くの気温差を記録した。北スペインも積雪で混乱している。
アクチュアリティ
フランスのTV報道は、以前は日本はおろかアメリカのニュースでさえ少なく、世界への見通しはなかなか利かず、欧州に閉じ込められたような雰囲気さえあったが、現今、毎日の各ニュース内容の50%以上を国外の出来事が占めるようになり、フランス全体が大きく世界へ目を向ける姿勢がうかがわれる。ちなみに、ここ数日の大きなニュースは、アメリカの油田事故にともなう原油汚染、ヨーロッパ連合のギリシャ救済、タイの暴動、中国の万国博、ハイチ地震後の救済、アイスランド火山、アフガニスタン等。 ブルカ (つづき)- 昨日フランスで、顔全体が隠れるるものを公共の場で着用してはいけない、という法案が成立したもよう。法案の内容はル・フィガロが記事にした。「顔全体が隠れる」ものを着用して路上などで見つけられた場合、罰金150ユーロ。また「男性に強制されて顔が隠れるものを着用している女性」が見つかった場合は、罰金1万5千ユーロ、一年の禁固刑が課せられる。後者はブルカのことを指している。 ちなみに、隣国ベルギーでは昨日、国内でのブルカ着用全面禁止法案が、138票中136票という圧倒的多数で下院を通過した。ベルギーのブルカ着用者は100人程度のものだという。 ヨーロッパではじめて。 宗教に関連して、昨日ストラスブールで、キパを着用したユダヤ人を通りがかりの二人の男が刃物でさす事件がおきた。 My opinion: たった100人程度の実践者になぜこうまでして法律を設けなくてはならないのだろうか、という疑問は大多数の疑問でもある。すでにベルギーではオランダ語圏住民とフランス語圏住民との対立で首相が辞任している。国内で芥子粒ほどの少数民族の圧迫はその延長線上か。それではフランスは何なのか。 ギリシャ - ギリシャの経済救済は、ヨーロッパの株価が軒並み下落しポルトガル、スペインへの影響が大きく懸念された段階で、貸付を渋っていたドイツが折れてEUから援助金が出るもよう。ただし、昨日ギリシャは、450億ユーロでは「実は足りない」、と表明。赤字負債額は想像がつかない。 フランス国内 - 先週木曜金曜は、全国的に好天気に恵まれ、北のストラスブールで28度から30度を記録。アイスクリームが爆発的に売れた。あちこちで海水浴も。 このウィークエンドから気温は10度以上下がり、例年以下に。
アクチュアリティ
フランスの今日: ブルカ - サルコジ大統領がブルカ禁止を内閣に持ち出して以来、あちこちで問題がおき始めた。ニカブをかぶって運転していた女性が警察に捕まり罰金(視界がさえぎられるものを着用しているという理由で)。昨夜は、マルセイユから数十キロ離れた町のイスラム教寺院を何者かが銃撃。30あまりの弾痕が発見された。 火山 - アイスランドの火山噴火による航空機や旅行者への被害は、2億6千万ユーロという発表。まだ外国から戻れないフランス人が数千人いるもよう。ちなみに市街への火山灰の影響は今のところまったくなく、パリは青空の好天が続いている。 ギリシャ - ギリシャの大きな負債による経済恐慌は、ユーロ圏からギリシャ脱退を懸念させるまでにいたっている。ギリシャは、EU やFMIに450億ユーロの借用を請願。ちなみにギリシャ国内では消費税が19%から21%へ値上げ、給料凍結で、デモ続出。 28日、ポルトガルも経済危機に陥りつつあり、ドミノ式に軒並みユーロ体制を揺るがすのではないかといわれ始めた。ギリシャはゼネストに突入。5月中旬までに90億ユーロを返済しなければならない。EUからの救済金貸付は、ドイツがブレーキをかけている。 ベルギー - ベルギー人が「子供のけんか」と呼ぶ昔ながらのフランス語圏とオランダ語圏の対立が悪化。首相が辞任した。オランダ語圏がフランス語圏の住民を圧迫。 28日、7月にEUのリーダーシップをとらなければならないベルギーがこの状態で、予想つかず。 パリ - 27日、全国から5000人の農業経営者たちが結集して1000台のトラクターでパリ市内へ入るため、あちこちで交通遮断が行われる。昨年の収入半減で立ち行かなくなった経営者が国へ援助を求める大々的なデモ。ヨーロッパはあっちもこっちも混乱気味。 28日、結局、パリへ集結した農業経営者は1万人近く。トラクターは1400台と予定を大きく上回り、パリジャン、パリジェンヌたちは手を振って迎え農業経営者たちのデモを好待遇した。穀物の価格急落による収入減は50%を上回り、早急に政府援助金が出ないと、1万3千人の農業経営者が失業する。