アクチュアリティ・日本、北半球を回る放射能、福島原発
北半球を回る放射能、福島原発 - フランス2TV、昼夜のニュースから: フランス放射能安全対策インスティテュートInstitut de Radioprotection et de Sûreté Nucléaire (IRSN)が、福島原発から放出される放射能の拡散シミュレーションを3月20日に制作、ユーチューブにオンラインした。以下はそのビデオ。福島からの放射能が偏西風に乗り、薄められて北半球を覆っているのがわかる。 (注記: UN国連特別委員会も同じシミュレーションを制作。UNのビデオをフランスではTF1 TVが放映している。) 現在北アメリカのキャリフォルニアに到達し、今週水曜日には最初の放射能がフランスに到達する計算である。フランスに来るときはすでに放射能はかなり薄められて、0.01ベクレルとまったく健康には害がない量となっているので心配の必要はない。問題は福島原発が事故を制御しおおせず、放射能放出が長引く場合で、放射能を含んだ大気が濃度を増しながら地球を何回も回ることになるのが懸念される。グリンピースやエコロジストは、人体に影響がないほど薄い放射能というフランス当局の発表に対し、「’薄い’というだけで、どういった成分の放射能がどの程度の割合でヨーロッパに飛んでくるのかまったく何の説明もされていないですね。私たちは今週、大気中の放射能を分析して内容を発表するつもりです」と積極的な対応をする姿勢を示した。 一方、日本の福島原発では先週末予定されていた通り、400ボルトの電気ケーブルを6つの炉心のうち4つの炉心の冷却装置につなぐことに成功。まだ建物がしっかりしている第5と第6号機は、水蒸気の圧力増加による爆発を防ぐため、屋根に穴をあけて水蒸気を逃がすなどの対策を実行。一番破損状態がひどく、かつまた酸化ウラニウムとプルトニウムといった危険物質が貯蔵されている第3号機は、冷却のため昨夜は休ます約2000トンの水が放水され続けた。電気接続が成功し、また水蒸気が事故以来はじめてストップするという今後の見通しに明るみが見えはじめたのもつかの間、第3号機から煙があがった。今度は水蒸気のような白い煙ではなく灰色また時々黒い煙があがり、内部で火災が発生したとみられられる。発煙と同時に仕事をしていた職員は全員緊急退避。 第3号機の発煙にかんしてフランス放射能安全対策インスティテュートIRSN代表は、「私からみると、状況はあまり進歩していないと考えられます」。 My opinion: 先週週末発刊のル・フィガロ日刊紙もIRSNが作った放射能拡散シミュレーションと、UNの世界への拡散シミュレーションの図入りで放射能の行くへを説明を記載している。放射能の量はもちろん色分けでわかりやすくなっている。放射能の量が一番多いのは、毎回の爆発時だ。そうすると、この21日の黒煙も放射能を濃く含んで風に乗って運ばれているはず。現地の人間の退避はもちろんのこと、風向きや放射線探知機で、どの地方が危ないかくらい、日本の科学技術で予想を即座に立てて知らせるくらいのことはできるのではないか。(S.H.) その他のニュース: ・3月20日、フランス全国統一選挙。棄権率史上最高の56%。社会党とフロン・ナショナルが前進。 ・連合軍、リビアのカダフィーを攻撃。フランスが連合軍のイニシアチブを取る。
アクチュアリティ・日本
福島原発 - TF1 TV 3月18日昼のニュース: 津波からはじめて小康状態を保って何もない夜をすごした。原発の放水は間断なく行われおり、本日、「原発の電気は今日中には回復しない」と首相が発表。電線がずたずたに切れ、あちこちで停電しているなかで、高圧線を原発まで引いてくることに成功しているのは目覚しい進展ということができるが、問題はこれだけ破損した原発の建物の機械がはたして動いてくれるかどうかだ。来週のあたまに結果がわかるもよう。そのあいだにも放射線は原発から出続け、また放水をやめることはできない。原発職員180名が総力を挙げているという。第1、2,3,4号機すべてが危険な状態のままだ。 フランス放射能安全インスティテュートIRSNが、サテライトからみた福島原発事故から今日まで放射された放射能のシミュレーション、特にセジウム137の雲の行方をCGにしてみたところ、西からの風が幸いしてほとんどが太平洋へ飛び散り、いままでのところでは東京を通過したのは3月15日のみという結果が出ている。この3月15日の観測で、東京の人間が受けた放射線は、0.1から1ミリシベールと幸い微量。いつ止むかわからない放出で、長いあいだには飛び散る放射能があちこちに蓄積していく恐れがある。今週末まで風の方向は同じ。太平洋へ飛び散っていく放射能の雲は、どこへどれだけの量到達するかわからない。 フランス放射能安全インスティテュートIRSNが制作したの福島原発の事故から18日までの放射能放出シミュレーションビデオ: 東北地震と津波の犠牲者は6500人、行方不明10000人以上と推定されている。被災一週間目の今日は、1分間の黙祷が行われた。 フランス2TV: 原発の放水に当たっているのは、東京から派遣された消防隊員140人。プールまで20メーターのところで行わなければならない大変危険な放水作業で、隊員たちの命も危ない。 フランス・アンフォ・ラジオ: 世界保健機構WHOは、福島原発の事故レベルを4から5に引き上げた。(注記:INESレベル5は「原子炉の炉心や放射性物質障壁の重大な損傷」のある場合で、原発の外へ汚染のリスクがある。) フランスTV: フランス人は福島原発事故でパニック状態。薬局ではヨウ素剤が飛ぶように売れ、また4万円近くもするガイガーカウンターの注文が殺到しているという。日本から一万キロ離れたフランスなのだが、どうやらチェルノブイリの体験のトラウマと、世界で第二を誇る58基におよぶ原子力発電の数によるもののようだ。ちなみにフランスの薬局は「ヨウ素剤は、体質に合わない場合があり、やたらに服用しても意味がありません」とか。 My opinion: フランス放射能安全インスティチュートIRSNのエキスパートは福島原発事故をすでに「レベル6に相当する」と評価している。WHOの評価は甘いということか。ちなみにレベル6は、「原子炉や放射性物質障壁に致命的な被害」がある場合、レベル7は、「原子炉や放射性物質障壁が壊滅、再建不能」な場合、例としてチェルノブイリ事故。今日は、とうとうチェルノブイリ原発のようなコンクリート要塞で塞ぐという案が出たらしい。そうとうに厳しい状態だ。 参照: 国際原子力事象評価尺度INES: http://ja.wikipedia.org/wiki/INES
アクチュアリティ・日本
TF1 TV の2011年3月16日昼のニュースの内容から: Le 13 heures du 16 mars 2011 福島原発第4号機の核貯蔵プールの水が激減し、核が水面から出て外気に触れている危急の状態となったため大量の放射能が放射されはじめ、急務に当たっていた職員は全員退避せざるを得なくなった。第4号機の加熱を抑えるためヘリコプターで空から水を投下する準備がされたが、放射能が激烈なため中止。現在地上から放水が行われている。昨日二回の爆発で第2号機の核貯蔵庫が破損。密閉状態を保てなくなり放射能が流出している。フランス放射能保護インスティテュートの専門家は「特に第4号機は現在誰も制御をしていない状態。ますます悲観的な方向へ進んでいる」と状況説明をした。 この24時間で、福島から東京にかけて、日常の300倍の放射能が検出された。「 人体への影響はない」といわれているが、これは短期的にみた判断でしかなく、長期的には病気発生の確率を高める量となっている。 自然の放射線で年間人体が受ける放射線量は1から2.4ミリシーベルトといわれている。現在福島近辺で、一時間の被爆量16ミリシーベルト。水道の放射能汚染が確認されている。原発で作業をしていた職員の被爆量は、一時間で400ミリシーベルトと予想される。 以下放射線量の目安(日本の目安とは多少異なるもよう)。 平常の一年の数値: 1から2.4ミリシーベルト。 胸部レントゲン一回: 0.1ミリシーベルト。 全身CTスキャン: 10ミリシーベルト。 福島近辺、一時間: 16ミリシーベルト。 福島原発職員の一時間: 400ミリシーベルト。 ヨーロッパ1ラジオ: 太平洋のフランス領ポリネシアの人々のためにフランス本国から安定ヨウ素剤が緊急事態に備え大量空輸される。 フランス2TV: 加熱が進んで一番危険な状態にあるのは、第4号機と第3号機。水がある限りは希望がある。第2号機はメルトダウンしているものの、現在温度が安定。いったん退避した原発の職員たちは現場に戻ったもよう。フランスのレスキュー隊が仙台に100人ほど派遣されて救助作業をしているが、フランス側ではサテライトで撮った現場の写真を見ながら遭難者が流されそうな地域を推定して、フランスレスキュー隊に情報を送っている。現地では、「原発の緊急時にかんして、どのように対処するのかなどまったく日本側からの指示は来ていない」と救助隊の一人がもらした。雪と寒さ、危険な環境で作業は困難を極めている。「天皇が国民に向かって演説したのは、事態がそれだけ深刻であることを物語っている」とレポーター。 My opinion: フランスTF1テレビのみならず、フランス国営チャンネルが津波の後の原発事故の進展を追いかけ、毎回のニュースで進展を詳細に説明しようと懸命になっている一方で、日本の日本人の反応が冷静すぎてかえって世界の心配をかきたてている。「日本国内の日本人は本当にちゃんとした情報を得ているの?」というのが大半の疑問とするところだ。フランスのTVニュースでは、在日外国人や政府の情報に不信感を持っている日本人は外国放送をインターネットでキャッチしているということも報告された。昨日の段階でフランスの放射能安全委員会は福島原発事故をレベル6に指定しているが、どうしたら核の暴走を食い止められるのか。それにしても命を懸けて仕事をしている原発職員の勇気には頭が下がる。世界のメディアが「ヒーロー」と形容している。その職員たちも退避するような状況で、われわれはいったい何をすればいいのだろう。フランスTVの司会者に「チェルノブリイ事故以上の惨事になるか?」と質問された原子力開発研究者は、みな誰もしどろもどろ。はっきり「それはありえない」と言ってくれないところが実に厳しい。 今日のTF1は、レベル7のチェルノブイリ事故で放射能の雲が数千キロ離れたところまで汚染した事実を、ヨーロッパの地図の上を移動する雲の映像をCGで見せて放送している。1986年事故当時のフランス政府は、「放射能の雲はフランスの国境から一歩も入らなかった」という表明をして国民の生活を日常どおり営ませ、ほかのヨーロッパの近隣諸国がやったように甲状腺保護のためのヨウ素剤を配って最低限の国民の健康の安全をはかることも、また市場から野菜や牛乳などすぐ汚染されそうな食料品を回収することもしなかった。今フランスが日本の原発事故に敏感に反応しているのは、結局、長期の放射能被爆でガンなどの病気が増えていることと事実隠蔽をした政府へ国民が反駁していることも根底にあることを否めない。フランス国境でとどまるどころか、チェルノブイリの雲は南のピレネー山脈の一部を除くフランス全土を覆っていたことを知らしめるフランスのTV映像は、事故から25年経った今日はじめて見た。(S.H.)
アクチュアリティ・日本
日本 - 2011年3月11日の東北大地震に続く津波、また福島原発事故の経過がフランス、その他のヨーロッパの国々でも毎日、ほとんどリアルタイムの情報を導入して報道されている。 日本の福島原発事故に関して、フランスTV、BBCなど、内容をかなり深刻に討議する段階となっており、世界全体が注目している様子がうかがわれる。 フランス大使館は原発の事故が始まったと同時くらいに、原発事故の悪化と放射能の危険を懸念して、在日フランス人に東京を離れ南へ移動するか、本国へ戻るよう呼びかけ、昨日から特別チャーター機を増やして、フランス人とその家族のフランスへの輸送を促進している。 フランスTVのニュース番組にPCで情報を提供する在日フランス人からは、日本の新聞テレビなどのメディアがほかの国ほど深刻に対処していないことや、原発事故に関する福島や近隣県住民への救援の手が薄いこと。また、原発事故が明らかにされて6日目になりながら、大病院には放射線計測器などの対応施設がまったく用意されていないことなどが指摘され、国の対応の緩慢さに厳しい批判が寄せられている。 フランス放射能安全対策委員会会長は、福島第2の爆発で核格納庫が密閉状態を保てなくなり、また第4の核貯蔵プールが破損して水が減ったことで加熱が始まり不安が拡大したとして、「福島原発の危険度は4から6になった」という。ちなみにチェルノブリイは7。非常事態を超えた。 イギリス BBC: LIVE New fire hits Japan nuclear plant リアルタイムで情報オンライン アメリカ NBC: Rachel Maddow show ‘Radiation fears’ 「メルトダウンはどこまで進んだ?」 フランス TF1: le 15/03/2011, JT à 20H ‘La centrale de Fukushima échappe à tout contrôle‘ 「暴走する原発」
アクチュアリティ
国外: リビアの政情ますます悪化 - カダフィーはリビアから退く意向が一切ないことを表明。リビアの運動家の国際援助の呼びかけに応え、800人の海軍兵を乗せたアメリカの軍艦および空母がスエズ運河を通過してリビアに向かったが、カダフィーは抗戦するかまえを見せ、「何千人もの死者を出す現代のベトナムになるだろう」と発言した。リビアではすでに6000人の死者が出ているという一部の報道がある。イギリスはアメリカに追随して戦闘準備。フランスは医療物資を空輸するにとどまっている。 クレムリンのゴルバチョフ - 今年80歳になるミカエル・ゴルバチョフの生涯を語る展覧会が開かれている。300枚の写真は、青少年のころのゴルバチョフや冷戦時代からグラスノスチ、ペレストロイカなど、鉄のカーテンが崩壊する時代が紹介されている。若い参観者は、「ゴルバチョフが何をやった人なのか、あまり良く知らないので勉強になりました」。いまの教育の現場では。現代史を教えないという。東の壁が崩れて20年経ち新世代に半分忘れられたゴルバチョフではあるが、一昨日ロシア政府から最高の勲章を受章している。 フランス国内: 物価高騰 - 中近東の政府転覆による政情不安と最大の原油輸出国リビアの一触即発の緊張した状況で、ガソリンが高騰。2008年以来のオイル・ショックと呼ばれ始めた。また、インフレがひどくなり、第一次産業の原材料の物価も上昇。ちなみに小麦粉は15%、食用油6%、コーヒー15%から20%の値上げ。 回転寿司、ファーストフード並みに - フランス人の生活習慣が激変し、昼の休み時間が少なくなったことから、手っ取り早く食べられるファーストフードやスナックがこのまれるようになった。なかでも寿司バーが大人気となり、マクドナルドなどのファーストフードは全国1700軒あるのにたいし、回転寿司や寿司バーは1580軒と、急激に軒数が飛躍。あちこちの回転寿司は、昼休みは満員だ。ちなみにその秘密は、ノルウエーからの養殖鮭が安く大量に輸入されているのと、米の値段が小麦粉よりかなり安価で、寿司一個あたりの利益が大きいのが一つと見られている。(フランスTV)
アクチュアリティ、内閣改造
内閣改造、これで4回目 - 2011年2月28日付けで、内閣改造が発表された。外務大臣ミシェル・アリオ=マリーがチュニジアの暴動を軽視し、「プラハの春」をもじって、現在「アラブの春」とまで呼ばれるようになったアラブ諸国の民主化への動きにたいし、国民議会で「チュニジア政府にフランスの軍事援助を提供してチュニジアの暴徒鎮圧に協力をする」という案を提出して、議会のみならず国民の大きなひんしゅくを買って以来、「ミシェル・アリオ=マリー降ろし」が嵐のように始まったのがきっかけ。チュニジアの反乱初期すでに死者が数十名出ていた時期にチュニジアへクリスマス・バカンスに行き、ベン・アリ大統領の側近の飛行機で周遊したり、当時ミシェル・アリオ=マリーの両親がチュニジアの不動産投機をするなどしていたことが矢継ぎ早に明らかにされて、チュニジア旧政府との関係が槍玉に上がった。これに対しミシェル・アリオ=マリーはメディアで反論をし続けたが失言が重なるなどし、辞表を書かざるを得ない状況へ。辞表は「私は何の過失も侵してはいないけれど、状況が許さないようなので」という内容。外務大臣がアラブ諸国の民主化への動きを察知していなかっただけではなく、大臣の行動の裏にあった現政府のアラブ諸国との旧来の外交姿勢自体が問題視されることになった。歯止めがきかなくなった政府は「フランスのイメージが危うくなる」(フィヨン首相)のを防ぐため、内閣改造へ。 ミシェル・アリオ=マリーの後任は、アラン・ジュッペ。また、この内閣改造で内務大臣ブリス・オルトフーが退任、ロムの国外追放の際、内務省通達でロムを差別扱いしたことなどが原因とみられている。 内閣改造はこの一年で、4回目となり、サルコジ大統領の不人気を裏付けるかたちとなった。ちなみに大統領の現支持率は21%から25%。 新内閣構成はつぎのとおり。ウィキペディアフランス。http://fr.wikipedia.org/wiki/Gouvernement_Fran%C3%A7ois_Fillon_(3) 働く女性の割合 - 2011年現在フランスでは、女性の人口のうち働く女性の割合は66%。3歳以下の小さい子供を持つ母親で、働いている女性は78%。この数字は1975年の統計43%にたいし増加傾向を続けている。(フランスTV)
アクチュアリティ
アラブ諸国の蜂起 - チュニジアのベン・アリ、エジプトのムバラク失脚に引き続き、首脳の退陣を要求してリビア、アルジェリア、クウエート、イエメン、バーレーン等のアラブ諸国で市民が蜂起。アルジェリアでは大量の警察が市民を包囲して弾圧。当局は市民に集会禁止を強要し、公共の交通手段が動かず移動も不可能となっている。市民蜂起5日目のリビアでは、夜間も軍隊が市民に向かって砲弾。市民団体の報告では約80人が死亡した。昨日からバーレーン王国の市民集会にも軍隊が介入、今日午後集まった大勢の市民にむけて実弾発砲し、55人が怪我をした。アラブ諸国全体が独裁政治の終わりを要求して大きく揺れ動いている。(フランスTV)
アクチュアリティ
緊急!エジプト、ムバラク失脚 - チュニジアのベン・アリ大統領が国外亡命してチュニジアの独裁政治が終了を告げたのをきっかけに、2011年1月25日、エジプト国民がムバラク大統領の退陣を迫って立ち上がった。以来、数十万数百万といわれるエジプト人がカイロに集中して軍隊と衝突し、死者を出すなどしていたが、今夜、とうとうムバラク大統領が政治から退くことをTV放送。失脚が明らかとなった。エジプトの長年にわたる独裁政治が終焉を告げ、国民が勝利。民主主義へ向かってカイロが沸きかえっている。(フランスTV) 数字: 政府打倒に市民を駆り立てたのはフェイスブック。1月25日からこの日までの弾圧で、総計死者365人、負傷者5500人を出した。ムバラクが退いたあとの政権を誰が握るか、まだ明らかになってはいない。(2月17日、フランスTV)
アクチュアリティ
サルコジ発言に講義する司法官、裁判官のストライキ、エスカレート - ストライキは全国レベルへ。裁判所、最高裁は、緊急のケースを除き、審議は休み。前代未聞の進展。木曜は司法官の大々的なデモが予定されている。(TF1TV) 教員デモ - 9月の新学期は、6万2千人の生徒の増加にもかかわらず、1600人の教員削減が予定されており、ところによっては学校の閉鎖も余儀なくされている。今日は教員削減に反対する小学校教員の25%に当たる教員が参加する大々的なデモがフランスの各都市で行われた。
アクチュアリティ、裁判官ストライキ
前代未聞、裁判官のストライキ - 2011年1月22日、18歳のレティシア・ペレがスクーターでアルバイトから帰宅途中失踪。エンジンがかかったままのスクーターと靴が発見され、婦女暴行や暴力事件で常習犯のトニー・メイヨンが翌日重要参考人として警察に保護された。まもなくトニー・メイヨンはレティシアのスクーターと事故を起こしたことを自供。2月1日になって、ばらばらになったレティシアの遺体の一部がサン・ナゼール付近の池で発見された。警察の検証によると発見された頭部には首を絞められた跡があり、殺人の疑いが強い。トニー・メイヨンは保護観察中でありながら尊守事項を守っておらず、危険人物として不良措置を課されるべき状況であったにもかかわらず野放しにされていた。その最中に起きた事件であることが指摘され、これを受けてニコラ・サルコジ大統領が2月3日、「(保護観察中の常習犯がきちんと監督されていないのは)、司法と警察の機能破綻である。職務不履行として、処罰されなければならない」と発言。一気に世論が爆発した。「サルコジ大統領の発言は、低級な人気取り」とヨーロッパ1ニュースが批判。「この殺人事件を司法局の責任などというのはとんでもない筋違い。処罰されるいわれはない」と事件の起きたナント市の裁判所が強硬に抗議した。「司法官や裁判官のポスト削減でわれわれだけではカバーできない部分が急増している。フランス法務省の予算はドイツの半分しかないんですよ」とマルク・トレヴィディック裁判官。「サルコジ大統領は内務大臣の時代から何かあると司法を槍玉に挙げてはスケープゴートに仕立て上げてきた」。サルコジ発言に反旗を翻し、裁判官組合、弁護士組合が審議中の事件を棚上げして大々的なストライキに突入した。明日から警察の二大組合もストライキに参加する。 ちなみに被害者レティシアの家族は、「裁判所と政府の抗争の道具にはなりたくないです」。(フランスTV)
アクチュアリティ
教員削減、1万6千人 - 2011年度教育省予算が施行される新学期の9月には、国公立小中高校の1万6千人の教員削減が行われることになっている。これで過去5年間で合計6万6千人が削減される計算となる。フランスの国債赤字および欧州連合の赤字による各分野一律予算削減が教員削減の大本の原因であるが、大幅な教員削減は国公立教育にますます重圧をかけることになる。フランスは現在ヨーロッパ一出産率が高い国となり、爆発的なベビー・ブームを記録している。2011年度は幼稚園児1万4千人、中学高校生6万2千人の生徒の増加が見込まれており教育の現場を拡大する必要があるにもかかわらず、教員削減やクラスの閉鎖などといった現実に逆行する政府の政策による現状悪化は、国民の大きな怒りを買っている。「いくら予算削減といっても、教育は別ですよ。国がちゃんと保障するところは保障していかないと・・・」。教員不足によるクラスの閉鎖でクラスは合併せざるをえず、今までの倍数の生徒を受け持たなければならない教員たちは、現在も大きな問題となっている落ちこぼれがますます増加することを懸念。教員組合は、政府糾弾のデモを繰り広げる予定だ。「これからです」とは、教員組合の組合員。 コルシカ島で雪 - 昨夜、オート・コルスで大雪。地中海の南の島コルシカ島に大雪が降り、ところによっては積雪80cmを記録した。一昨夜はコートダジュールに近いエックスで積雪している。 モネ展、月曜まで夜間も開館 - パリの国立ギャラリー、グランパレでクロード・モネ展が170点の代表作を集めて行われているが、展覧会終了間際のこのウィークエンドは、特別に夜間も開館して最終日の24日月曜日まで24時間入館客を受け入れている。外気が0度前後という寒さのなか、グランパレの玄関外の行列は数時間待ち。すでに、このモネ展は85万人の入場を記録しているが、このノンストップ開館でさらに30万人の動員が見込まれている。ちなみに、月曜までのノンストップ開館時は入館無料。 Le parisien Grand palais ベルギー、ブラッセルで政府糾弾のデモ3万人 - 「ベルギーは小さい国ながら人間の懐が広かったのが誇りだったが、今は了見の狭い人間たちのおかげで小さい国がよけいに小さくなっている」、とはベルギー国会がオランダ語圏とフランス語圏の対立で停滞して今日で220日目になるベルギー国民の嘆き。しびれを切らした国民がブラッセルに集まり、国会運営をストップさせている国粋主義政党を糾弾して集会を開いた。7ヵ月半も休業して何も進まない政府に対し、インターネットで「税金返せ!」の署名運動も広がるありさま。「ヨーロッパ連合の中心になった国は今、ヨーロッパの恥になりさがった」。オランダ語圏とフランス語圏の対立は国を真っ二つにする分断への討議を余儀なくしている。(フランスTV)
アクチュアリティ
ベルギーの政治危機、きょうで213日目 - ベルギー国会がオランダ語圏とフランス語圏の対立で真っ二つに割れ、首相が昨年辞任してから今日まで、実に213日も国会運営が停滞している。「ベルギー人でいるのが恥ずかしいです」、「もう、いやんなっちゃうわね、この国」とはブラッセルの市民の声。
アクチュアリティ、放火
車の放火 - 三が日が終わっても車の放火件数が発表されないという異例の事態に、メディアが積極的に反応。今日はラジオ情報チャンネルのフランス・アンフォが明日発刊される日刊紙ル・モンドの内容を先取りして、車の放火に関する数字を発表した。1990年代からストラスブール郊外で始まった車の放火は次第に全国に伝染し、フランスの都市周辺の危険性を示すシンボルのようになっている。以来毎年、大晦日やキャトルズジュイエに大方の放火が集中しているが、実際の数字を県ごとに集計していった結果、2010年一年間で、全国で総計4万2千台の車が放火されているという結果が出た。フランスでは放火による犯罪で、一日平均115台の車が破壊されている計算だ。国立犯罪調査局によると、警察に届けだされる放火件数は実際の事件件数の5分の一という推測も出ている。(フランス・アンフォ・ラジオ)
2011年、年始の数字
2010年、世界の数字: 中国地震、アイチ地震、ロシア大火など、2010年に起きた世界的天災の件数、950件。例年より30%増加。自然の猛威による災害で29万5千人が死亡。 世界一悲観的な国民、フランス人: BVA Opinion(市場・世論調査インスティテュート)の世論調査で、フランス人が社会に対する悲観度で世界一、と発表した。失業問題は解消しないと思う人は国民の81%(前年度より2%増)を占め、福祉後退を悲観する人73%(7%増)、政治に悲観的な人53%(7%増)、物価高騰、などなど。総合的に61%のフランス人(10人に6人)が将来に悲観的という調査結果が出ている。フランスは、イギリスの53%、スペインの41%を大きく上回って、悲観度で世界一。ちなみに世界レベルは28%。 政府が公表したくない数字: 2010年12月大晦日は大過のないよう、フランスは5万4千人の警察や機動隊をくりだして全国警備に当たった。年末年始、またキャトルズジュイエなどに「恒例」の壊し屋による車の放火騒ぎを防ぐ目的がふくまれている。ところが今年は、三が日を過ぎてもフランスのメディアはどこも大晦日に放火された車の台数を発表していない。原因の一つは、オルトフー内務大臣が「数字をあげつらって毎年競争のように数字を発表する必要はない」として公表しないようにしたからであるが、大臣の態度は却って事実隠蔽の疑惑を呼び、大臣を糾弾する向きすらでてきている。 フランスのTVのジャーナリストたちは判で押すように「大晦日は無事過ぎた」と同じ表現をしているのだが、実際は一夜で501人が逮捕され、2009年大晦日より100人多い数字を記録。また、パリとパリ近郊の4県で合計120台の車が燃やされている(前年度2009年は198台)。一方、ストラスブールの郊外では車の放火に関し、「いつもと同じひどさ」と地方警察が発表。 フランス内務省による記録では、2009年12月31日から2010年1月1日にかけて一夜で放火され破壊された車の台数は、全国で1137台にものぼっている。4日前の大晦日はどれだけの車が破壊されたのか、この数字は1月中にほかの犯罪と混ぜて犯罪統計のなかで発表される予定だという。(フランス・アンフォ・ラジオ)