1月27日付けで、仏法務大臣クリスチアーヌ・トビラ(仏領ギアナ出身)が辞任した。「抵抗は残ることであるときもあれば、去ることが抵抗となるときもある」とはトビラ元大臣の言。昨年のテロ以来、非常事態宣言下のフランスでは、テロリストや犯罪者の国籍抹消の条件範囲を広げる拡大法を憲法につけ加えるよう大統領が提案していたが、人権と自由に抵触するばかりではなく、本来の社会党の社会主義的人道観に反するとして、クリスチアーヌ・トビラは大統領や大統領の方針を支えるヴァルス首相と対立していた。このため、野党側からはトビラ法務大臣の辞任要求が上がっていた。トビラ元法務大臣は、その雄弁さはもとより、国会に魂を入れなおしたと言われるほどの文化意識と知識の深さ、その明解な人道観でこれまで何度となく賞賛されてきており、ソイシャルネットワークや左派系新聞リベラシオン、ラジオのフランス・アンフォなどで、たくさんの惜しむ声があがっている。