アクチュアリティ・政治・ザッピング: J44 (大統領選挙まであと44日)

サルコジ発言 - 3月8日朝、「大統領選に敗れたら、政治から身を引く」と、2月の発言に引き続いてTVで退陣発言。あちこちでインタビューをされるたびに同じ質問をされて、「負けたら(翌日にでも政治を)止める」を繰り返した。これに対し、フロン・ナショナル(極右政党)のマリーヌ・ルペンや社会党出身PG(極左政党)のジャン=リュック・メランションは、「選挙前から負けを認めたようなもんじゃあないですか」と冷たく批判。メディアは一日中このサルコジ発言を取り上げ、「サルコジ候補、背水の陣?」といった憶測を飛ばした。…

サルコジ提案・外国人の滞在許可を半減 - 移民政策に関してサルコジ候補は、2011年度に滞在を許可した人数180000人にたいし、2012年度は許可発行を半分の100000人に減らす案を発表した。正式許可の出た180000人の内訳は、家族の呼び寄せ42%、外国人学生30%、仕事10%の順位。サルコジ提案は、この中で最も多い家族の呼び寄せに関する条件(家族を養うだけの収入減があること、住む家があることなどの証明)を厳しくするという。
「外国で生活しているフランス人は200万人おり、国外でのフランス人の人権と生活を守ることを考えれば、フランス国内の外国人への厳しすぎる規制は言語道断です。しかも、国の党首がこんな提案をするなんて」 という痛烈批判も。

サルコジの外国人の受け入れ規制案に際し、他の大統領候補が滞在許可に関する意見を明らかにした。ジャン=リュック・メランション(PG極左)は、「サンパピエの滞在を正統化し、許可証のあり方を一つに統一。国外追放用の外国人収容センターを閉鎖する」。マリーヌ・ルペン(極右)は、180000を100000人に減らし、「家族の呼び寄せ制度を廃止する」案。エヴァ・ジョリ(ヨーロップエコロジー緑の党)は、「当選直後に滞在正当化を大量に行い、順次個々のケースに応じて滞在を許可していく。国外追放用外国人収容センターも順次閉鎖の方向へ」と、それぞれのスタンスを述べた。一方、肝心のフランソワ・オーランド(社会党)だけは、サルコジ案に未回答。

サルコジ提案・外国人との結婚にも規制 - 外国人の受け入れ規制を厳しくすることに連動して、外国人との結婚に関しても、生活費が捻出できる、最低22㎡の住居があることなどの同様の制約が課せられることになり、これら最低の条件を満たさない場合は結婚が許可されないという。(ただし、これはヨーロッパ憲章の人権宣言の中で結婚と家族生活を保証する8章と12章に抵触する。リベラシオン紙)。

サルコジ提案・保険証に指紋感知器 - フランスは保険証の代わりにチップのついたカード「カルト・ヴィタル」を利用し、医者は診察ごとに機械で医療費のレジスターを行っているが、他人のカードを利用するなどの詐欺行為が頻出して問題化している。そうした犯罪を避けるため、カルト・ヴィタルの代わりに指紋感知器を利用するというアイデアをサルコジ候補が提案。ただし、感知器は各医療室や看護人に配置されなければならず、これに関する費用はまだ算出されていない。

フランソワ・オーランド税制改正案 - 社会党候補フランソワ・オーランドは先日、年間百万ユーロ(1億円強)の年収がある高額所得者の所得税を75%値上げする旨を発表した。これにいち早く反応したのは、サッカー界。「フランスのサッカー選手が外国に引き抜かれる理由が増える」と渋い顔。

イギリスやドイツなど保守政権国は、高額所得者の所得税75%引き上げ案の報を遺憾とし、大統領候補のオーランドを支持できないと表明した。オーランドは、「フランスの大統領はフランス人が選ぶもので外からの干渉は関係ありません」と冷静対応。

アンゲラ・メルケルとサルコジ - ドイツのアンゲラ・メルケル首相はフランスの大統領選挙に際し、サルコジ候補を積極的に支持する旨を発表した。サルコジとの連携でこれまでの独仏外交とヨーロッパ救済策を続行したい意向。 しかしドイツ内部のメディアにはドイツ首相のサルコジ支持を疑問視する向きも。

ジャン=ジャック・アヤゴン発言 - ジャン=ジャック・アヤゴンは3月8日付の日刊リベラシオン紙上で、一ページを使って社会党のフランソワ・オーランドに投票する意思を発表し、その理由を述べた。ジャン=ジャック・アヤゴンは、UMP(保守、サルコジの政党)のラファラン内閣時の文化大臣を務めている。

3月8日女性の日 - フランソワ・オーランドは集会の壇上で、「女性の偏差や差別を解消する」ことを明言。しかし、オーランドの大統領選に向けて構成された幹部26人のうち女性はたった一人だけ。いったいパリテはどこへ?

ドイツのボーナスを羨ましがるフランス - ドイツの自動車産業界はほくほく。生産・売り上げが圧倒的に伸びたドイツのポルシェ、フォルクス・ワーゲン、メルセデス・ベンツ、BMWの4社は社員に一昨年より多いボーナスを配布した。フォルクス・ワーゲンは8200ユーロ、ポルシェは7600ユーロなど、3ヶ月から3ヵ月半分の給料に当たる金額が社員に。

(フランス2TV、BFMTV、リベラシオン紙)