移民政策 - 2011年の移民対策の集計がきのう、内務大臣から発表された。フランス在留移民のうち、32900人が国外追放となリ、政府の見込んでいた人数を5000人上回った。また、フランス国籍を取得した外国人は66000人で、平年より30%の減少となった。

My opinion: 国外追放が予定の5000人増というのは、はたして、「フランスへの違法滞在が増えたから?」、フランス国籍取得者が30%減という数字は、「フランスへの帰化希望者が激減したから?」。いいえ、両方とも答えは「NO」、である。これまでも、フランスの外国人政策に関して、ロムなどの追放事件やこうした政府の発表があるたびにブログにしたためて来たとおり、サルコジ大統領が当選して以来、保守政府は在仏外国人に対する処置を特別に厳しくしてきた。サン・パピエ(滞在許可証を持たない人々の通称)と呼ばれる人たちがフランスには大勢いるが、大半は北アフリカのフランスの旧植民地から出稼ぎにきて、すでに何年もフランスに税金を払っているひとばかりである。彼らはきちんと手続きを取って当局に申請しているにもかかわらず、何年も滞在許可証がもらえずにおり、こうした納税者たちが主に国外追放の対象となっている。滞在許可証がもらえなければ、身動きもならない。言ってみれば、滞在許可という身分証明書を持たないことで、見えない監獄の中に入れられているようなものなのである。…

昨年は「アラブの春」でチュニジアから大量の移民がヨーロッパへ地中海を渡ってなだれ込み、フランスへもその支流が流れ着いた。これらの人たちも、一応フランス政府が小銭と飛行機代を出して「帰国」をしてもらっている。こうした扱いの体のよさは、かつてフランスが、アフリカや東ヨーロッパから政治弾圧や戦争のために命からがら逃亡してきた政治移民をかくまって、厳しい環境を配慮してフランスに受け入れていたことのある歴史的な背景を反映しているものと思われるが、これも結局は国外追放に他ならない。政府は「これ以上はフランスに外国人を入れない、これ以上、外国人にフランス国籍をやらない」と言って憚らない。内務大臣は加えていわく、2012年は35000人の国外追放を目標にするそうだ。最右翼フロン・ナショナルのマリーヌ・ル・ペンがまた、「私の真似ばかりするサルコジ」といってほくそ笑んでいることだろう。(S.H.)