フランスから―環境とアートのブログ

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フランスの3分の一のガソリンスタンドを枯渇させた石油精製所のストライキ - セーヌ・エ・マルヌ県の精製所にきょう早朝3時に警察が入り、占拠中の組合員にスト中止を諭告。命令に従わない場合は捕縛すると通告し、仕事に戻るよう強要した。警察とのこぜりあいで組合員2人が軽い怪我。組合のスト続行が発表されたばかりで、「ストライキで逮捕する、と脅されるなんて・・・」と大多数がショックを受けている。経済相の交渉が進んでいたが、思うように給油が進まないため、強硬措置にでたものとみられるが、かえって組合の態度が硬化することが予想される。(フランスTV) リヨンの壊し屋による暴力は、警察や機動隊の800人という動員強化にもかかわらず19日からきのうまで3日間続き、市民を震撼とさせている。きのうリヨン中心街の車や商店街のショーウインドーを壊したり、あちこちに向けて投石をした壊し屋は400人と推定されている。「怖くて怖くて、ほんとうにああした暴力の前では、まったく無力を感じます」と車のフロントガラスを割られた女性。 RT Video 年金法改革反対集会に便乗する壊し屋、リヨン 2010年10月19日 フランス中の混乱にもかかわらず、年金法改革法案はディテールを少しずつ修正しつつ、国会を通る見込み。

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10月19日 - 「これだけの人が集まって反対しているのに、政府はまったく耳を貸さない。政府がわれわれの声を聞かない限りは反対運動を続行する」という固い決断のもとに、年金法改革に反対する第六回全国大会は、前回よりさらに上回る260箇所で、組合員、学生、また野党政治家などが集会を行った。 年金法改革反対はもともと組合や企業が、年金格差や年金を納める年数などの再検討を含めて政府へ法案の取り下げを要求するものだったが、将来の就職不安が年金法改革でさらに悪化するのを懸念して全国の高校生が加わり、多方面の批評と話題を呼んでいる。 数字: - 大会参加人数、350万人(内務省発表110万人)。 - 全国1200の高等学校が参加。うち380の高校が混乱。リヨンでは高校生2000人がデモで練り歩く。 - デモに混じって「壊し屋」と呼ばれる若者たちが各地で車を焼いたり、公共物を破損、またブティックのショーウインドウを破りどろぼうを働くなどして、警察や機動隊と衝突した。 リヨン市内で、300から400人の壊し屋が横行。ベルクールで、約40台の車が壊されたり火を点けられ、中央商店街の6ブティックが壊し屋に押し入られて店内のものを収奪された。 パリ市近郊のナンテールでは、デモの高校生に混じり、200人近い壊し屋が公共物を破損。駐車中の車5台が燃やされた。 - 車を壊し火をつけ、バス停や電話ボックスを壊し、ゴミ箱に火をつけて道路を閉鎖したりその他の公共物を破損して回った壊し屋、250人逮捕。壊し屋は20歳代から10代半ばの若者で、一番若い年齢層は13歳から14歳。 - ボルドー、パリ、ポーの三大学が閉鎖。 - ル・マンで、中学校が放火され全焼。19日の全国大会にかこつけた便乗放火と見られている。 - 製油所と給油システムのストライキが長引き、いよいよ空のガソリンスタンドが三分の一(全国12500のスタンドのうち4000箇所がガソリンの枯渇)を占める緊急事態となった。 引き続き10月21日木曜も、デモとストライキが予定されている。(フランスTV 、Le PDF en Limoge、Direct Matin) My opinion: こうした「壊し屋」は昔から存在していて、むしろデモ隊にとっても邪魔者だった。一概に、フランスのデモやストライキは平和的なものが大多数だが、デモ隊をとりまく機動隊は甲冑のようなプロテクションを着込んで戦争に近い重装備をしている。大勢の人に紛れ込んで無差別に公共物を破壊し、機動隊に投石したり爆竹や火炎瓶を投げつけたりする壊し屋との突発的な衝突が、過去幾度となく繰り返されているために、警察の重武装化がすっかり日常化してしまったのだろう。ただ、今回のような壊し屋の300あるいは400人といった驚くべき数は、近年の暴力急増に呼応して背筋が寒くなる。 さて、今回参加の高校生たちが実際に年金を受けるのは50年先なのだが、それよりも、年金法の改革による勤続年齢の変更が、自分たちの就職難へ即座に繋がっていく懸念のほうがかれらにとって強烈な現実であることは先にも述べた。「年金法改革の内容をインターネットで見たんですけど、まったく滅茶苦茶じゃあないですか。こんな年金法で若い私たちがそばづえを食うなんて許せないですよ」と女子高校生。全国の大量の高校生の参加を、1968年の5月革命に比類するフランスの社会批評家もでてきている。(S.H)

アクチュアリティ、高校生が年金制度改革反対デモ

フランスの年金制度改革に反対する全国デモ・全国ストライキ再開、デモ参加の高校生怪我 - 9月後半のストライキに引き続き、企業や組合の呼びかけによる「無制限」ストライキがこの12日に行われ、約3百万人が年金制度改悪に反対して、トゥールーズ、リヨン、パリ、マルセイユなどの都市で集い、デモが繰り広げられた。当初、無期限ストが組合側から提案されていたが、ストの長続きで最悪の事態に陥るのを避け、今回は断続的にストライキが継続されていくことになった。パリのメトロや郊外線、フランス鉄道は全国ストライキ。また、企業、組合、大学生に加え、年金制度改悪が及ぼす将来の就職難に大きな危惧をいだいて全国の高校生が総会を開き、デモに参加した。あちこちで高等学校の校舎がバリケードで授業中断、また高校生の大集団がマティニョンの大統領官邸前で大声で年金制度改革反対を連呼するなどしている。きのうはパリ近郊都市のモントルイユ市で、警察官が撃ったフラッシュ・ボールが集会中の16歳の男子高校生の目に命中して大怪我をするなどの事故が発生した。 10月16日土曜に再び大きなストライキが予定されているが、これに呼応して総計316の高校が参加することになっており、この数字は全国の高等学校数の7.1%を占めるという。 フランスの失業率は平均10%といわれているが、殊に25歳以下の若者の失業率が26%という高い失業率を示して問題となっている。2008年の経済恐慌以来18歳から22歳の新卒者の採用が最低となり、ここ数ヶ月若者のテンションが高まっているが、そうした雰囲気がもっと下の年齢層の高校生に影響を及ぼしているという見方が強い。 高校生は自分たちを「不安定世代」と呼んでおり、 政府の年金制度改革に反対する大人たちに混じって相当数の高校生が学校ごとに総会を開いて参加する風潮は、年金制度の改革以上に国と社会に対する大きな不安を反映しているものといえるだろう。 これからの全国ストライキ及びデモの日程は、10月16日土曜、10月19日火曜。フランス鉄道SNCFは、19日の南仏方面への鉄道移動を見送るよう市民に呼びかけている。(フランスTV) ちなみに政府の反応。反対デモ執行部の3百万人に対し、警察当局は12日のデモに参加した人数を89万人と発表した。デモ執行部と当局の発表の差はなんと2百万人以上という計算になり、計算の目安や方法が問題視されている。また警察側の過小評価ともいえる数字は政府の態度を反映するもので、国民の動きに対しむしろ無頓着。「それでも、89万人デモは大きな都市の人口に匹敵する」とフランス・アンフォ(ラジオ、情報キャナル)。 ・・・つづき・・・ 年金法改革に反対する第五回目の集会は、10月16日、各地の都市で開かれ大勢の組合員がメインストリートを練り歩いた。「政府が法案を破棄するまで止めません」とはデモの一員の固い決意を物語る発言。推定は前回より若干少なめの2百50万人(政府発表では85万人)が同じ目的のために集結している。南仏のガソリン給油システムがストライキに入ったのを皮切りに、各地でガソリンスタンドが空になり始めている。コルシカ島やマルセイユではガソリン不足で、消防や警察、救急車優先の給油体勢に入ってすでに一週間以上が経過した。政府は「ガソリンがなくなる心配はまったくない」と公表しているが、「スーパーのスタンドは閉まっているし、高速のスタンドも閉鎖されていて、ようやくここまで来て給油しました」という若者や、「現実と政府の言うことは食い違いが多すぎて信用しない」というドライバーが、開店中のガソリンスタンドに長い車の列を作っている。ロワシーなどの空の足にも影響が出る気配だ。 10月20日に法案が国会にかけられるため、前日19日は再び大きなストライキが予定されている。

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年金制度変更に反対する全国デモとストライキ - フランスの赤字解消策のひとつとして今まで60歳が年金獲得開始年齢であったのを62歳に繰り上げるという政府の年金制度見直し法案に反対するデモが、9月23日、全国レベルで行われた。組合や協会、野党政治家など、老若男女が活発に意思表明して参加。全国各地でおおよそ三百万人が結集した。 「55歳で年金をもらえるという契約をして今まで仕事をしているのに、いまさら62歳にするというのは政府の契約違反だ」と、16才から仕事を始めて40年間、年金を払う労働者の声(62歳まで年金を払うと、47年間年金を納入することになる)。 「今、ストップしておかないと、これから先ずるずると年金獲得年齢が繰り上げになる可能性がある。年をとってからびっくりさせられるのは嫌だ」とデモでスクラムを組んで練り歩く大学生集団。 「いま必死に年金の権利獲得のために仕事をしていますが、計算では67歳まで働かされることになり、はたして67で今のようなフットワークで仕事をできるかどうかほんとうに不安です」とは、出産やその他で、仕事をしていても正規の計算には加算されない時期が多かった60代初頭の女性の発言。 野党社会党書記長のマルチーヌ・オーブリィは、「50歳代後半からの失業者数は60%を超えているから、62歳や67歳に年齢を繰り上げても、政府の赤字対策にはまったくならない。役に立たない改悪は即座に白紙に戻すべき」。「社会党が政権を握った暁には、年金獲得年齢60歳を必ず復活させる」と社会党元大統領候補、セゴレーヌ・ロワイヤル。 9月23日は、フランス国鉄SNCFやメトロ、郊外線などがデモに呼応してストライキを行った。 「私はいいときに退職したから年金制度改悪には引っかかってませんが、ストライキ、支援します」と、SNCFの利用客の声。 一方政府はこの日、デモ動員数を百万人以下(デモ側の発表は3百万人)と発表。「少しずつ国民が年金制度改正を理解し始めて、デモも小規模になってきている」として、全国の反対デモ参加者の声とはまったく正反対の見方を貫き通している。(S.H.)