フランス原子力開発の中心となる大企業アレバ社が、大量解雇を決定した。2011年の福島第一原発事故を受けて世界が原子力発電に足踏みをはじめたことで、2014年度の損失が48億ユーロに上ったためだ。フランス国内の解雇は約4000人、ヨーロッパその他の国を含めると解雇者は総計で6000人になるもよう。(フランス2TV )

ル・モンド電子版「アレバ6000人解雇」・・・記事へ

2011年の福島第一原発事故は世界中で原発の開発に大きな影響を及ぼし、政策転換による建設中止や、安全対策の強化による予算膨張等で世界中で工事が中断している。フィンランドの原発建設は9年の遅滞。フランスのフラマンビル原発建設は4年の遅滞と当初予算を大きく上回る3倍の80億ユーロがかかり、それに加えて最近、肝心の炉心の金属溶融度に欠陥があることが発覚し、問題が山積するばかり。また、アフリカのウラン採掘では採掘費用と採掘されたウランの量の採算が合わず、これも20億ユーロの損失を記録した。

表 http://s1.lemde.fr/image/2015/05/07/768×0/4629444_6_7c4a_areva-dans-la-tourmente_e4d5134ff659ee654bb3a2f29c0ee2f6.png

 

すでにアレバ社の解雇は外国で始まっており、関連会社のあるライン地域で2017年までに1500人の解雇を発表。アフリカのウラン採掘場のあるニジェでは150人を解雇したが、これは2014年以来、相場が上がるのを待って採掘が中断されていることによるものだ。

アレバ社は倒産寸前の状態といえ、フランス電気会社への原子炉技術などの売買や社員の給料削減、ならびに市場へどのように働きかけるかなどの策を講じる方向。

(ル・モンド電子版、2015年5月7日)