フランスから―環境とアートのブログ

開く:記事の大見出しをクリックする
Posts tagged "Exhibition"

展覧会、アートとその真髄

http://www.lartenlamatiere.fr/#/4-villes-4-oeuvres/marseille/ ヘリオフロール(太陽の花)展 2011年1月27日から30日までマルセイユ、バルジュモン広場。フランス化学産業連合主催、ユネスコが定めた国際化学年の年頭展覧会。   Hélioflore: ヘリオフロール(太陽の花)、2008年構想、2011年1月完成。高さ4m、直径6m20cm。 鉄、ソーラーパネル、LED、エポキシその他。(Shigeko Hirakawa)  
ルィーズ・ブルジョワとユージェニィ・グランデ

ルィーズ・ブルジョワとユージェニィ・グランデ

メゾン・ド・バルザック(バルザックの家)で、ルィーズ・ブルジョワ展 2010年5月31日にニューヨーくで亡くなったルィーズ・ブルジョワが、2010年11月開催のために間際まで力を入れていた展覧会。パリ16区にあるメゾン・ド・バルザック(文豪オノレ・ド・バルザックの家)のためにルィーズ・ブルジョワはバルザックの代表作のひとつ『ユージェニィ・グランデ』のヒロイン、ユージェニィに自己同定して作品を作った。そのデッサン、詩、刺繍、ビデオが現在バルザックの家で展示されている。赤い水彩で描いた98歳のルィーズ・ブルジョワの自画像は、ヒロインのユージェニィのように若々しい。刺繍やデッサンの繊細な作家の手の動きの跡に呼応するように、展示室の壁に書かれたブルジョワの詩やバルザックの文章は鉛筆で書かれており、繊細な銀色の光を放って作品とよくマッチしている。小さい展覧会ながら意気を感じる作家の最後の作品を見るために大勢の入館者。メゾン・ド・バルザックは文豪バルザックの自筆の文章校正や、当時の新聞や雑誌などに使われた人物像などの版画の原版、またバルザックをモデルにした彫刻が展示され、その業績も当然一緒に鑑賞することができる。 展覧会は、2011年2月6日まで。 Maison de Balzac 47 rue Raynouard 75016 Paris Tél : 01-55-74-41-80 www.balzac.paris.fr

Anish Kapoor

Anish Kapoor  アニッシュ・カプーア、 《Turning the World Upside Down》展、 ロンドン、ケンジントン・パーク、2011年3月13日まで。 An exhibition organised by The Royal Parks and the Serpentine Gallery 28 September 2010 – 13 March 2011 Video : Anish Kapoor: Turning the World Upside Down in Kensington GardensfromO Production Ltd. BBC London News  - Anish Kapoor
人間の虹

人間の虹

Human Rainbow/ Arc-en-ciel de l’humanité/ 人間の虹、アントニー市メゾン・デ・ザール・アート・センター 高さ12m、直径2.7m、特殊繊維200平米。Video copyright: S.H. 虹はひとつの気象現象で、空気中に水が浮遊し太陽光線がいい角度にかかったときに出現して目に見える。この現象は、その大きさと美しさ、また不思議さのために、太古の昔から民族によって、また見る人によって、実にさまざまな解釈がなされてきた。アントニー市の虹は、したがって私固有の「解釈」をかたちにしたものなのである。 バイブルの黎明期の虹は、「神が人間に対して契約を行った徴」に出現したものだといわれている。神のいう契約には、地球のあらゆる生物の命を自由にする権利も人間に譲りわたすという意味があるという。自由を与えらたこのとき以来、人間は地上のものを濫用し、多くのものを絶滅に追い込んだ。危機に瀕する地球のために、バイブルの黎明期の文章をそのまま利用し、こんどは「人間が地球に対して新たな契約を結ぶ徴」として虹を出現させようという提案をアントニー市に提出した。今まで濫用してきた自由を返上し、地球を主体に考え直しましょう、というわけだ。 私の解釈によるアントニーの虹は、水の中から立ち上がり、一番下の緑色は地球の緑を象徴。一番上の青は空の色を象徴して、地球から空に向けてプリズムの色を変化させていく、地上と天を結ぶ虹となっている。(S.H.) もう一つの解釈: インスタレーションの作業を手伝った企業の黒人の一人が、あらゆる色(人種の・・・)を一つに統一する虹をみて、「これは私たちの虹」と発言。 アントニーに住む老婦人は、「そうよ!神様が自分の過ちを認めなきゃいけないわよね、自分が間違ってたって・・・」。 平川滋子個展、2010年12月15日まで。 Maison des Arts d’Antony Parc Bourdeau 20, rue Velpeau 92160 Antony FRANCE Information: +33(0)1 40 96 31 50 Web site of the City

人間の虹-展覧会

フランス、オー・ドー・セーヌ県アントニー市企画、平川滋子《人間の虹》展(野外展) メゾン・デー・ザール・アート・センター 2010年10月12日から12月15日まで。新作コンセプト紹介パンフレット提供。 2010年10月12日、18時30分からオープニング。 作品《人間の虹》: 高さ12m、直径2.7m。特殊繊維200平米。

アトモスフィア + 展覧会

Itinéraires BIS イティネレール・ビス文化振興協会企画、現代アート散策《アトモスフィア + 》展。ブルターニュ中西部、コート・ダルモール県の支援の下に数町にまたがって展覧会開催。広い地域をカバーする4つの回覧コースが設けられている。 Exposition Parcours d’art contemporain, “Atmosphère +” 2010年9月18日から10月31日まで。 参加町: SAINT-GELVEN, GOUAREC, PLÉLAUFF, MELLIONNEC, ROSTRENEN, PLOUGUERNÉVEL アーティスト: MICHÈLE CIRÈS BRIGAND, VICTORIA KLOTZ, LES M DESIGN JUTTA STROHMAIER, JÉRÔME DURAND, BOUCHRA KHALILI, THIERRY LAFONTAINE, SYLVIE UNGAUER, JÉRÔME DURAND, ANNE LE MÉE NIKOLAS FOURÉ, JULIEN DISCRIT, ERIK SAMAKH, CHRISTINE COËNON, TAYSIR BATNIJI, FRANÇOIS DAIREAUX, DEBESH GOSWAMI,...

アクチュアリティ、ロム

ストラスブール - 欧州議会が、フランス政府のロム(日本語ではロマと訳されている)の強制追放に反対する議員投票を行った。大多数のヨーロッパ議員がフランスの人種差別による強硬手段に怒りを表明。強制追放の即刻中止をフランスに要求して、満場の議員から大拍手が巻き起こった。しかしこれに対し、ルーマニアを訪問中のフランスの移民大臣、エリック・ベソンは「欧州議会のおしつけがましい決断には従わない。追放は続行する」と発言。 議員投票の重大性を認識する欧州議会記者は、「無謀な強制追放の敢行で、欧州のなかのフランスの信頼が大きく揺らいでいる。フランスは欧州議会の意向を尊重すべき」、と述べている。 医療費 - 医療費の払い戻しが目減りし、フランス人の16.5%が歯科や長期の医療など、高価な治療費が必要な病気治療を先送りにしているという事実が判明した。この数字は30年前の4倍にのぼるという。 UMP党会議室捜索 - ロレアルの後継者で億万長者のリリアンヌ・ベタンクールに、レジオン・ドヌール勲章を贈るよう裏工作をした疑いで、UMP党会議室が当局の捜索を受けた。UMP(現在の与党)は、リリアンヌ・ベタンクールから2007年、サルコジの大統領選挙の政治献金を受けたり、ベタンクールの数億に上る脱税に関与したりスイス銀行の預金を見逃したり、この春以来、億万長者と政府のあきれた関係が次々と暴露され疑惑が拡大し続けている。なかでも現労働大臣エリック・ヴァートとその妻が、闇の金銭関係に大きく関与している疑いがもたれている。 ベルサイユ宮殿で村上隆展 -2010年9月14日から、ベルサイユ宮殿で村上隆展が開催される。漫画を主題にキッチュな立体や絵画やビデオなど、作品22点が荘厳なベルサイユ宮殿に展示されるが、この展覧会に際し、フランスでは、インターネットで反対署名運動が展開した。反対署名者の数はなんと10万人にのぼったという。 「クラシック音楽の中でロックを聴いて何が面白いか、ってことですよね。展覧会はナンセンスです」という批評家の意見。元文化大臣のジャン=ジャック・アヤゴンは、「マリー・アントワネットの当時も、新しいものを追い求め続けていたんです。そうした空間に、いまの時代の新しいものを持って来てもまったくおかしくはない」。当の村上隆は、「漫画は現代の風潮です。セザンヌがサント・ヴィクトワール山を描いたように、私も現代を描いています。・・・。今までベルサイユで行われたジェフ・クーンズなどの作品からイメージを得て、作品を展示しました」。フランス人が「カルチャー・ショック」と形容するベルサイユ宮殿を現場にした村上隆の展覧会は、開催前からすでに大きな論争を呼んでいる。