フランスから―環境とアートのブログ

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Posts tagged "犯罪"

アクチュアリティ・日本、マイナンバー制 etc.

NB:2013年6月1日、ニュース追加(下方) マイナンバー制、5月24日参院可決。2016年から施行へ。 昔、「国民総背番号制」と呼んだ法案が「マイナンバー制」と名称を変えて、今の政権下で立法化されようとしている。総背番号制が国民に嫌われたのは、人間を画一化してしまい、情報を一箇所に集めることによって、国が国民を統制しやすくする、いわば国側の利益のためのシステムであることを国民が把握しその将来を懸念したからだ。名称が「マイナンバー」になってもその危険性には変わりがないはず。ことに現在、IT化される個人情報は、ハッキングされ悪用される可能性があり、個人財産も危険に晒される可能性が非常に高い。こうした個人情報の漏出が心配されるシステムの立法化を、国に敢行させてしまっていいのだろうか。保険番号がマイナンバーのような役目をするアメリカでは、個人情報の盗用や悪用で年間数兆円の被害があるという。そのはなしを聞く。(S.H.)

アクチュアリティ・Le Zap、フランス

[サイバー・デファンサー] アメリカではオバマ大統領の任期中、ハッカーから情報を守ることが大きな公約となっているが、フランスでは企業のリクルートで、なんと「ハッカー」コンクールが行われている。 世界では一日150万人がインターネット被害を受け、ヨーロッパでは10の企業のうち7企業がサイバー攻撃で被害をこうむり、その被害額は年間875億ユーロといわれている。そこできょう日、企業に必要なのはサイバー攻撃を受ける前に、弱点を発見してカバーし、攻撃してくるハッカーより上手のコンピュータ技術者、「サイバー・デファンサー」が必要なのだ。そこでエコール・ド・アンジェニアー(エンジニア大学)の学生80人が「ハッカー」技術を競う就職試験を行った。試験時間は異常にも夜中の22時から7時まで。内容は、システムの弱点を見つけ、パスワードを解き、人のメールに侵入し、画像を解読し、ハッキングをする、というもので、いずれの行為も「犯罪」なのだが、競争で短時間でハッキングをした学生が見事合格となる。サイバー・デファンサーか、ハッカーか。ちなみにアメリカのFBIにはハッカーの4分の一の人口が寄与しているという話だ。   [ローマ教皇、フランチェスコ一世誕生] 2013年3月13日のコンクラーベで、1936年12月17日、南アメリカ、アルゼンチンはブエノスアイレス生まれのホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(Jorge Mario Bergoglio、76歳)が、第266代目のローマカトリック教会の教皇(法王とも呼ばれることがある)に選ばれた。イエズス会で初、また8世紀のグレゴリー3世以来初めてヨーロッパ以外から選ばれた教皇となる。12世紀のアッシジで、謙遜と素朴さと清貧を信条として生きた聖フランチェスコの名前を取って、フランチェスコ一世(フランス語ではフランソワ一世)と命名。これまでのバチカン路線から180度転換する「貧しい人々のためのローマ教会」を目指す。フランス人の85%は、新しいローマ教皇を歓迎。…

アクチュアリティ、バイオレンス

・ヨーロッパ、財政緊縮政策に反対する数カ国連動デモ: 2012年11月14日、経済危機にあるEUの厳しい緊縮政策へ反発して、マドリッド(スペイン)、リスボン(ポルトガル)、ローマ(イタリア)、アテネ(ギリシャ)の4大都市で大々的なデモが行われた。 スペインは、カディックス、ヴィゴ、ビルバオなどでも大きな集会が開かれ、首都マドリッドでは数万人のデモ隊たちが警官隊と衝突し、催涙弾や石などが飛び交って30人が負傷、80人あまりが逮捕された。スペインは4人に一人が失業。政治に満足しているというのは国民の7%のみ。「銀行が搾取しているんだ」という人々。アパートを銀行に借金のかたに取られ、自宅を没収される直前に思い余って自殺をする人が今年になって4人続出した。現実に、同じような状況で銀行の手に渡った一般市民の宅地の数は50000軒に上るという。…

アクチュアリティ、消えたジョコンド-盗難100周年

「消えた女、ジョコンド」、盗難百周年 -1911年8月21日、ルーブル美術館に模写をしにきた絵描きルイ・ベルーが、レオナルド・ダ・ビンチの作品「モナ・リザ」がなくなっていることに気がつき、大騒ぎになった。最初は誰かの冗談でルーブルのどこかに隠されたものと考えられあちこち物置などを捜索したがどこにもなく、また第一次世界大戦前夜のことでもあり何らかの政治的工作が行われたものという憶測までが飛んだが、当時ルーブルで仕事をしていた職人全員を召還して現場の指紋照合を行ったところ、盗難前日、「モナ・リザ」の額縁のガラスを取り替えたイタリア人ガラス職人であるビンチェンド・ペルージアが出頭しなかった。この男こそ、「モナ・リザ」を盗んだ張本人で、当時のパリのアパートに持ち帰り2年間隠し持っていたという。1913年フィレンツェで「モナ・リザ」が見つかり、同年12月に作品はルーブル美術館へ無事帰還する。ペルージアは禁固刑一年。「モナ・リザ」を祖国に連れ戻そうとした、もよう。 JMJ、カトリック世界青年大会、150万人集結 - 8月16日から21日まで開かれたカトリック世界青年大会は、マドリッドの飛行場に150万から200万人の熱狂的な若者を集めて大盛会を記録した。マドリッドは大会最終日の今日、41度の猛暑。サッカー場48個分の広大な飛行場を一部の隙もなく埋め尽くした若者たちは、ベネディクトス16世教皇からの聖体拝礼を全員が受けることはできないにしても、酷暑、また昨夜は雨の中で動かず熱心に教皇の演説に聞き入り、マドリッド大会に参加したことに大満足気。 タブレットPC、コンピュータを超える - 米コンピュータメーカーのパッカードが生産から手を引くことを明らかにして、時代の転換が到来したことを告げた。タブレットPCがコンピュータの販売速度を越して、タブレットPC時代へ。30年前に走り出したコンピュータがこれで消えるわけではないが、コンピュータ時代のピークが過ぎつつあることは確か。テクノロジーの世代交代の波は足早に世界を駆け巡っている。 犯罪激増に苦しむマルセイユ - 一日平均の暴力事件数26件、2年間で殺人事件50件。2010年の強盗事件数800件で、例年の40%増。マルセイユ市は、「お年寄りの方は事件にあわないよう、夕方5時以降は外出を控えるように」と呼びかけている。マルセイユ市警は、「警察官が300人から400人不足している」。内務大臣が100人の国家:警察官の増員を決めたが、「それではまったく足りない」、というのが現場の主張だ。(フランス2TV)

アクチュアリティ、放火

車の放火 - 三が日が終わっても車の放火件数が発表されないという異例の事態に、メディアが積極的に反応。今日はラジオ情報チャンネルのフランス・アンフォが明日発刊される日刊紙ル・モンドの内容を先取りして、車の放火に関する数字を発表した。1990年代からストラスブール郊外で始まった車の放火は次第に全国に伝染し、フランスの都市周辺の危険性を示すシンボルのようになっている。以来毎年、大晦日やキャトルズジュイエに大方の放火が集中しているが、実際の数字を県ごとに集計していった結果、2010年一年間で、全国で総計4万2千台の車が放火されているという結果が出た。フランスでは放火による犯罪で、一日平均115台の車が破壊されている計算だ。国立犯罪調査局によると、警察に届けだされる放火件数は実際の事件件数の5分の一という推測も出ている。(フランス・アンフォ・ラジオ)

二つの射殺事件(3)、サルコジ大統領暴走

8月2日、サルコジ大統領と右派政府の、国家の安全の名の下にエスカレートした犯罪にたいする刑罰の「提案」内容について、早速、憲法をつかさどる国務院や憲法学者から「違憲」の声が上がった。 1. フランス国籍を有している外国人が犯罪を犯した場合、犯罪者のフランス国籍を剥奪するという刑罰は、「フランス憲法は、フランス国籍を有するものはその出自や宗教を問わず、法の名に置いて平等に処せられる」という基本法を無視するするものとして、違憲である。出自が外国人だということでフランス国籍を剥奪することは、フランス市民を二つのカテゴリーに分類してしまうことになる。(差別の元となる。) - 平等である法の前では、フランス人が同じ犯罪を犯した場合、フランス人の国籍も剥奪する(無国籍にする?)ことになるのか。あるいはサルコジ大統領は、憲法改正を要求することになるのか。 2. 未成年が犯罪を犯した場合、その両親が禁固刑の実刑を受けるというサルコジ派の提案に対し、「フランス憲法は罪を犯した当事者のみがその罪の償いをする」ことを明記しているので、これも「違憲」。 - それでは、やはりサルコジ大統領は憲法改正を要求することになるのか。 我田引水的に刑罰を国籍剥奪や移民問題に結びつけ、憲法を飛び越えて法案化へ先走るサルコジ大統領と右派政府には、野党を含めあちこちから「吐き気がする」、「嫌悪すべき大統領演説」といった意見が投げかけられている。 My opinion: すでにほかで、2007年サルコジ大統領は就任早々ナショナル・アイデンティティーを問題に取り上げ、フランス人であることを改めて証明しない限りは、パスポートや身分証明書の更新(双方とも10年ごとに更新をするのが決まり)をしないという通達を出し、このために多くのフランス人が迷惑をこうむっていることを述べた。 両親も祖父母もフランス人で家族もみなフランス人なのに、ただイギリスで生まれたという事実だけでパスポートの更新ができない、という人のブログがあった。母親が妊娠しているときにイギリスにいて、現地で出産したというだけのことらしい。フランスからのパスポートが出ないので困窮したその人は、一度も住んだことがなくまた税金も払ったことのないイギリスへ思い立ってパスポート申請をしたところ、すぐに郵便で送られてきたという。ヨーロッパでは生まれた土地の権利が発生する。その権利に訴えたというわけだが、フランスで税金を支払っていても、生まれた土地ほどの権利の補償にならない、ということを証明するような話しだ。この事例は一つの事例に過ぎないが、サルコジのナショナル・アイデンティティー条例のせいで、更新がややこしくなり、必要書類の捏造が増えたというもっぱらのうわさだ。 フランスは植民地などの歴史的な因果関係で多くの外国人がフランス国籍を有する。また国籍取得権利と国の独立がかみ合わず、フランスで働いて納税していながら、滞在許可証さえ発行されず、国外にも身分証明がないので出られないという人々もいる。人間の不平等を抱えたまま、それを解消するどころかますます激化するサルコジ政権である。(S.H.)