フランスから―環境とアートのブログ

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オサマ・ビン・ラディン、フランスを糾弾 - 昨日アルジャズィラTVで、本物と確認された2分ほどの肉声テープが公開された。内容は、ナイジェリアでフランス人がイスラム系マグレブ人に誘拐された事実を肯定し、アフガニスタンからのフランス軍撤退を要求。フランスが公の場でのブルカ着用を禁止したことについても触れ、イスラム系民族を脅かすとしてフランスを糾弾しているという。 フランス当局は赤レベルのテロ警戒を強める。 スト続行 - 10月28日のきょうは年金法改革法案に反対する7回目のストライキ日。朝から、フランス鉄道SNCF、またパリ郊外線などで50%から20%のまびき運転。オルリー空港では50%の飛行機が運休している。一部の石油精製所、国有放送関係、エアバス工場、その他フランス全土の組合関係者は、その数が減ったものの予定通りスト決行。法案は下院上院議会を通過、ならびに、昨日国会の投票で承認されたが、国民の反対が続けば法律の撤回が可能であることを念頭に、組合側は断続ストを続ける意志だという。ちなみに、参加学生の数はバカンスで激減しているが、万世節の休み明けにまた再集結できる見込み、と執行部が発表した。(フランスTV)

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10月26日、年金法改革法案、上院議会を通過。 法案の上院通過で、ストライキ参加の組合員が減少しているにもかかわらず、28日木曜もストライキ続行の予告。フランス鉄道、TGVは10%、TERは30%が運休。 石油精製所のスト解除が続いているが、現在5箇所がスト続行。まだ5分の一から4分の一のガソリンスタンドがガソリン欠如。あちこちでストライキ中止命令や組合員の徴用が発令され、マルセイユのごみ収集員のストライキも14日ぶりに解除。 山積みのごみが道路わきで腐リはじめるなどして市中、衛生上の問題を起こしていた。(フランスTV)

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10月19日 - 「これだけの人が集まって反対しているのに、政府はまったく耳を貸さない。政府がわれわれの声を聞かない限りは反対運動を続行する」という固い決断のもとに、年金法改革に反対する第六回全国大会は、前回よりさらに上回る260箇所で、組合員、学生、また野党政治家などが集会を行った。 年金法改革反対はもともと組合や企業が、年金格差や年金を納める年数などの再検討を含めて政府へ法案の取り下げを要求するものだったが、将来の就職不安が年金法改革でさらに悪化するのを懸念して全国の高校生が加わり、多方面の批評と話題を呼んでいる。 数字: - 大会参加人数、350万人(内務省発表110万人)。 - 全国1200の高等学校が参加。うち380の高校が混乱。リヨンでは高校生2000人がデモで練り歩く。 - デモに混じって「壊し屋」と呼ばれる若者たちが各地で車を焼いたり、公共物を破損、またブティックのショーウインドウを破りどろぼうを働くなどして、警察や機動隊と衝突した。 リヨン市内で、300から400人の壊し屋が横行。ベルクールで、約40台の車が壊されたり火を点けられ、中央商店街の6ブティックが壊し屋に押し入られて店内のものを収奪された。 パリ市近郊のナンテールでは、デモの高校生に混じり、200人近い壊し屋が公共物を破損。駐車中の車5台が燃やされた。 - 車を壊し火をつけ、バス停や電話ボックスを壊し、ゴミ箱に火をつけて道路を閉鎖したりその他の公共物を破損して回った壊し屋、250人逮捕。壊し屋は20歳代から10代半ばの若者で、一番若い年齢層は13歳から14歳。 - ボルドー、パリ、ポーの三大学が閉鎖。 - ル・マンで、中学校が放火され全焼。19日の全国大会にかこつけた便乗放火と見られている。 - 製油所と給油システムのストライキが長引き、いよいよ空のガソリンスタンドが三分の一(全国12500のスタンドのうち4000箇所がガソリンの枯渇)を占める緊急事態となった。 引き続き10月21日木曜も、デモとストライキが予定されている。(フランスTV 、Le PDF en Limoge、Direct Matin) My opinion: こうした「壊し屋」は昔から存在していて、むしろデモ隊にとっても邪魔者だった。一概に、フランスのデモやストライキは平和的なものが大多数だが、デモ隊をとりまく機動隊は甲冑のようなプロテクションを着込んで戦争に近い重装備をしている。大勢の人に紛れ込んで無差別に公共物を破壊し、機動隊に投石したり爆竹や火炎瓶を投げつけたりする壊し屋との突発的な衝突が、過去幾度となく繰り返されているために、警察の重武装化がすっかり日常化してしまったのだろう。ただ、今回のような壊し屋の300あるいは400人といった驚くべき数は、近年の暴力急増に呼応して背筋が寒くなる。 さて、今回参加の高校生たちが実際に年金を受けるのは50年先なのだが、それよりも、年金法の改革による勤続年齢の変更が、自分たちの就職難へ即座に繋がっていく懸念のほうがかれらにとって強烈な現実であることは先にも述べた。「年金法改革の内容をインターネットで見たんですけど、まったく滅茶苦茶じゃあないですか。こんな年金法で若い私たちがそばづえを食うなんて許せないですよ」と女子高校生。全国の大量の高校生の参加を、1968年の5月革命に比類するフランスの社会批評家もでてきている。(S.H)