フランスから―環境とアートのブログ

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Posts tagged "失業率"

隣の芝生

2014年3月12日付け、フランス2TVの夜のニュースで、ライン川の流れるアルザス地方で実際にある話の紹介。ライン川のこっちフランスでは、失業が半年1年と、長期になる失業者の苦悩がつのっているが、ドイツ語を話せる40歳の男性がライン川を越えたドイツの職業紹介所に出向いたら、その場で求人をしている会社と面談予約が取れた。「明日の朝の約束が取れました」と顔を輝かせる彼は、失業して半年になるがフランスではなかなか職が見つかっていない。「初めて川を渡ってドイツの職業安定所に来ましたが、こんなにすぐに約束が取れるなんて。しかも私の経歴に非常に興味をもってくれているみたいです」。失業率は、ライン川を隔てたフランス側では9.8%であるのに対し、10kmと離れていないドイツはフランスの半分だという。しかも求人をする会社が多く、人手が足りないほどなのだ。こうして目と鼻の先の国境を越えて就職したフランス人は昨年だけで219人にのぼる。隣の芝生はただ青々としているだけではなく、生活も明るいということか。

アクチュアリティ・経済

1月13日金曜の夜、アメリカのスタンダード&プアーズ社が、フランスの発行体格の格下げに踏み切る - 発行体格付けとは、国債や社債などの債券を発行する発行体(この場合、国)の信用リスクの順位をA、B、Cの記号で表すもので、アメリカのスタンダード&プアーズ社、ムーディーズなどのその方面の専門の会社が国際経済の均衡の中で格付けをおこなっている。フランスはユーロ圏の経済危機のみならず、負債額の増加、国内のインフレが激しく、一ヶ月まえにスタンダード&プアーズ社から格下げの警告を受けていたが、今回、今までの最高レベルAAAからAA+へ、一段階の格下げが宣告され、これまでの危惧が現実となってしまった。経済の先行きが暗いばかりではなく、国民総生産の40%に値する大きな負債をかかえ、これが迅速に解消できない場合には、近い将来もう一段階の格下げの危険性を孕んでいる。 今回の格付け見直しによる格下げは、ヨーロッパ連合のほとんどの国が蒙っており、なかでもイタリアは今までのAからBBBへ二段階の格下げとなり、大きな痛手となるもよう。またその反対に、EUの中でも経済成長の優等生はドイツで、トリプルAを保持し続ける。…

アクチュアリティ

暴風雨ジョアキム - 大西洋からの大きなジェットストリームが暴風雨を運び、現在、西南のジロンド県から東部アルザス地方やアルプス方面へフランスをたすきがけに横切リつつあり、全国各地で立ち木が倒れたり浸水などの被害が続出している。フランスの半分がレベル2、またもう半分はレベル3(最大レベル)の暴風雨警報・注意報が発令された。最大風速を記録したのは、ピュイ・ド・ドーム県で毎時210km。パリは毎時95kmだが、ロワシー・シャルル・ド・ゴール空港の飛行機の発着に影響が出て130便あまりが遅れ。また線路に落ちた無数の枝の処理でフランス鉄道SNCFの運行にも1時間から2時間の遅れが出た。モルビアンの海岸では貨物船が岸に吹きやられて座礁し、重油が流れ出して海岸を汚染。また大規模な低気圧の通過で気温が下がる見込みで、マッシフやアルプス方面で今夜は30cmの積雪があるもよう。停電に見舞われている30万世帯が寒い夜を越す。 数字 : ・2012年大統領選に向けての世論調査で、野党社会党候補フランソワ・オーランドが36ポイントの世論を獲得しているのに対し、現職大統領のニコラ・サルコジは25ポイントと大差が開いている。市民の購買力の低下、失業者増加、フランス経済建て直しの見込薄、また暴動や強盗の増加による社会不安などによる現大統領の不人気が大きく影響をしている。 ・2011年9月、フランスの失業率は9.7%。2012年6月には10%を越すという。 ・2012年上四半期は、-0.1%の景気降下がINSEEからはじき出され、公式にフランスの景気後退が発表された。 ・2011年下半期で、1万4千の雇用が消滅。 ・大手クレディ・アグリコル銀行、アレバ社、プジョー・シトロエンPGSで大量の人員整理が行われることが確定。クレディ・アグリコル銀行は、ソシエテ・ジェネラルやBNPパリバと並ぶ大手で、他の二行が雇用削減をしたのに対し影響がないといわれていた最後の砦ともいうべき銀行。アレバ社は、福島原発事故の影響を受けてとくにドイツの原発全面廃止政策による将来の見通しの悪さによるもので、退職者がでたあと新人採用をしない方向で削減が始まるもよう。 ・暴風雨を買う?! 1950年代から暴風雨に名前がつけられるようになったが、近年は暴風雨を買って自分の名前をつけることができるのだそうだ。暴風雨ジョアキムも、ジョアキムさんが1年前に買収したもの。ちなみに暴風雨の値段は199ユーロ。 (フランス2TV、TF1TV) ・農耕地の消滅も駆け足 -この数十年のフランスのアーバニズム(都市化)は駆け足で進み、農業用地が激減している。なんと、一秒で26平米の農耕地が消滅していく計算だと言う。(2012年12月21日追加、フランス2TV、フランスアンフォ・ラジオ)

アクチュアリティ

経済 - アメリカの株式債権発行体の格付けをするスタンダード&プアーズ社が、アメリカの格下げを決定。世界におけるアメリカの発行体格が史上初、最高レベルのAAAからAA+になり、負債14兆ドルをかかえる未曾有のアメリカの経済危機を象徴することになった。AAAからAA+へ、大きな差は認められないにしてもアメリカおよび世界への大きな心理的打撃はまぬかれない。 株価下落 - 世界の株価が10日連続下落。二年ぶりの最悪を記録。アメリカの負債、ヨーロッパの負債のみならずその背景にある綱渡り状態の経済不安定が大きく影響。 フランスの失業率9.6% - 6月は33000人の失業者増加。272万人の失業者をかかえるフランスは失業率9%を割るのが当面の目標だ。 闘争で荒れるアフリカからの難民激増 - 一昨日、闘争で荒れるリビアから船で逃げ出した難民がNATOの巡視船に見つかった。イタリア領のランペドゥーザ(Lampedusa)島は、地中海のアフリカとヨーロッパ大陸のあいだにあり、アフリカから命からがら出港した難民はひとまずここにたどり着く。今回見つかったリビアからの難民は、寒さと飢えで90人近くが船上で死亡し、生存者が死体を海に投げ込んだもよう。この20年で約2万人がアフリカからランペドゥーザ島を目指してやってきており、難民の救済と同時に移民の受け入れ処理にイタリア政府は頭を悩ましている。アフリカの「アラブの春」闘争と戦争によるヨーロッパ方面への難民は激増の一途を辿っており、こうしてヨーロッパにたどり着く難民はイタリアのみに留まらず、フランス、スペイン、ドイツなどへ広がっていく。 (フランス2TV、BFMTV、8月4日から7日まで)

アクチュアリティ、高校生が年金制度改革反対デモ

フランスの年金制度改革に反対する全国デモ・全国ストライキ再開、デモ参加の高校生怪我 - 9月後半のストライキに引き続き、企業や組合の呼びかけによる「無制限」ストライキがこの12日に行われ、約3百万人が年金制度改悪に反対して、トゥールーズ、リヨン、パリ、マルセイユなどの都市で集い、デモが繰り広げられた。当初、無期限ストが組合側から提案されていたが、ストの長続きで最悪の事態に陥るのを避け、今回は断続的にストライキが継続されていくことになった。パリのメトロや郊外線、フランス鉄道は全国ストライキ。また、企業、組合、大学生に加え、年金制度改悪が及ぼす将来の就職難に大きな危惧をいだいて全国の高校生が総会を開き、デモに参加した。あちこちで高等学校の校舎がバリケードで授業中断、また高校生の大集団がマティニョンの大統領官邸前で大声で年金制度改革反対を連呼するなどしている。きのうはパリ近郊都市のモントルイユ市で、警察官が撃ったフラッシュ・ボールが集会中の16歳の男子高校生の目に命中して大怪我をするなどの事故が発生した。 10月16日土曜に再び大きなストライキが予定されているが、これに呼応して総計316の高校が参加することになっており、この数字は全国の高等学校数の7.1%を占めるという。 フランスの失業率は平均10%といわれているが、殊に25歳以下の若者の失業率が26%という高い失業率を示して問題となっている。2008年の経済恐慌以来18歳から22歳の新卒者の採用が最低となり、ここ数ヶ月若者のテンションが高まっているが、そうした雰囲気がもっと下の年齢層の高校生に影響を及ぼしているという見方が強い。 高校生は自分たちを「不安定世代」と呼んでおり、 政府の年金制度改革に反対する大人たちに混じって相当数の高校生が学校ごとに総会を開いて参加する風潮は、年金制度の改革以上に国と社会に対する大きな不安を反映しているものといえるだろう。 これからの全国ストライキ及びデモの日程は、10月16日土曜、10月19日火曜。フランス鉄道SNCFは、19日の南仏方面への鉄道移動を見送るよう市民に呼びかけている。(フランスTV) ちなみに政府の反応。反対デモ執行部の3百万人に対し、警察当局は12日のデモに参加した人数を89万人と発表した。デモ執行部と当局の発表の差はなんと2百万人以上という計算になり、計算の目安や方法が問題視されている。また警察側の過小評価ともいえる数字は政府の態度を反映するもので、国民の動きに対しむしろ無頓着。「それでも、89万人デモは大きな都市の人口に匹敵する」とフランス・アンフォ(ラジオ、情報キャナル)。 ・・・つづき・・・ 年金法改革に反対する第五回目の集会は、10月16日、各地の都市で開かれ大勢の組合員がメインストリートを練り歩いた。「政府が法案を破棄するまで止めません」とはデモの一員の固い決意を物語る発言。推定は前回より若干少なめの2百50万人(政府発表では85万人)が同じ目的のために集結している。南仏のガソリン給油システムがストライキに入ったのを皮切りに、各地でガソリンスタンドが空になり始めている。コルシカ島やマルセイユではガソリン不足で、消防や警察、救急車優先の給油体勢に入ってすでに一週間以上が経過した。政府は「ガソリンがなくなる心配はまったくない」と公表しているが、「スーパーのスタンドは閉まっているし、高速のスタンドも閉鎖されていて、ようやくここまで来て給油しました」という若者や、「現実と政府の言うことは食い違いが多すぎて信用しない」というドライバーが、開店中のガソリンスタンドに長い車の列を作っている。ロワシーなどの空の足にも影響が出る気配だ。 10月20日に法案が国会にかけられるため、前日19日は再び大きなストライキが予定されている。