2010年に通過した美術作品の返還にかんする法律により、きょう、パリの歴史自然博物館に収蔵されていたマオリ族のミイラ化した頭部20体がニュージーランドに返却されることになった。頭部のミイラはマオリ族特有の刺青を奇麗に残しており、民族研究の対象としても利用されていたもの。このたびは18000kmの距離を越えてニュージーランドからマオリ族が、自らの祖先でもありまた歴史的遺産でもあるこれらの頭部を受け取りにパリに訪れた。 こうした美術作品返却にかかわるフランスの弁護士によれば、「ミイラは人間の死体であって、はたして美術作品として考えられるかどうか大いに疑問のあるところです」という。つまり死体の返還として扱うか、美術作品を返却すると考えるかによって大きな違いが出てくる。「ユダヤ・キリスト教的な立場から見れば、死体は死体」で、返却は当然と見る。…