フランスから―環境とアートのブログ

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アクチュアリティ

ブラッセルで欧州議会サミット始まる - 欧州議会サミット第一日目から、中心の話題はフランスのロム強制追放。欧州議会議長のジョゼ=マニュエル・バロゾがフランスを名指して、少数民族虐待を即刻止めるように勧告して演説。サルコジ大統領は、これを欧州議会の関与のしすぎとして受け付けず、ロムの追放は止めない方針を明言した。バロゾ議長とサルコジ大統領の衝突が激化。フランスと欧州連合の亀裂深まる。 サルコジ大統領はまた、国外追放はロムを集中的にしているわけではなく、他の民族、たとえばベトナム人、アフリカ人、イラン人など人種別に国外追放に関する数字を発表したりもし、許可を持たずに滞在している外国人の国外追放がフランスの政策として満遍なく行われていることも強調した。 後日談: -9月19日ルーマニアで、フランスの差別にあい強制追放などで苦しい立場に追いやられているロムを支援するデモが行われた。確かにロムはヨーロッパ人で、ヨーロッパの自由交通からいえばフランス滞在は不法滞在にはならない。「ロム国外追放は、かれらの貧困を嫌って行われている」と、デモ隊がフランスに対して批判。 -9月20日、パリ近郊都市ボビニーの警察署での外国人の滞在許可証などの書類申請窓口の様子が、フランスTV で紹介された。フランスの滞在許可書類書き換え申請や獲得に、肌寒い明け方2時から行列。窓口が処理できる人数は一日500人が平均だが、ボビニーではその3倍の1500人が訪れるという。朝8時、窓口が開くころにはすでに500人が行列を作り、すでに限界人数。また、大勢の人間が待っていても昼休みには窓口は全部閉まってしまい、機能しない。住所変更などの簡単な手続きも、同じ行列に並ばなくてはならないという。外国人にとっては書類獲得は困難を極めるすさまじさだ。 「処理をなるべくスムーズにまた内容によって窓口を分けるなども考えているが、今は許容いっぱい」と警察署。無国境教育協会のボランティアたちは、「とんでもない、こんな状況で書類を処理するなんて、外国人の人権を無視しています」と受け入れのひどさを糾弾した。

アクチュアリティ、ロム

ストラスブール - 欧州議会が、フランス政府のロム(日本語ではロマと訳されている)の強制追放に反対する議員投票を行った。大多数のヨーロッパ議員がフランスの人種差別による強硬手段に怒りを表明。強制追放の即刻中止をフランスに要求して、満場の議員から大拍手が巻き起こった。しかしこれに対し、ルーマニアを訪問中のフランスの移民大臣、エリック・ベソンは「欧州議会のおしつけがましい決断には従わない。追放は続行する」と発言。 議員投票の重大性を認識する欧州議会記者は、「無謀な強制追放の敢行で、欧州のなかのフランスの信頼が大きく揺らいでいる。フランスは欧州議会の意向を尊重すべき」、と述べている。 医療費 - 医療費の払い戻しが目減りし、フランス人の16.5%が歯科や長期の医療など、高価な治療費が必要な病気治療を先送りにしているという事実が判明した。この数字は30年前の4倍にのぼるという。 UMP党会議室捜索 - ロレアルの後継者で億万長者のリリアンヌ・ベタンクールに、レジオン・ドヌール勲章を贈るよう裏工作をした疑いで、UMP党会議室が当局の捜索を受けた。UMP(現在の与党)は、リリアンヌ・ベタンクールから2007年、サルコジの大統領選挙の政治献金を受けたり、ベタンクールの数億に上る脱税に関与したりスイス銀行の預金を見逃したり、この春以来、億万長者と政府のあきれた関係が次々と暴露され疑惑が拡大し続けている。なかでも現労働大臣エリック・ヴァートとその妻が、闇の金銭関係に大きく関与している疑いがもたれている。 ベルサイユ宮殿で村上隆展 -2010年9月14日から、ベルサイユ宮殿で村上隆展が開催される。漫画を主題にキッチュな立体や絵画やビデオなど、作品22点が荘厳なベルサイユ宮殿に展示されるが、この展覧会に際し、フランスでは、インターネットで反対署名運動が展開した。反対署名者の数はなんと10万人にのぼったという。 「クラシック音楽の中でロックを聴いて何が面白いか、ってことですよね。展覧会はナンセンスです」という批評家の意見。元文化大臣のジャン=ジャック・アヤゴンは、「マリー・アントワネットの当時も、新しいものを追い求め続けていたんです。そうした空間に、いまの時代の新しいものを持って来てもまったくおかしくはない」。当の村上隆は、「漫画は現代の風潮です。セザンヌがサント・ヴィクトワール山を描いたように、私も現代を描いています。・・・。今までベルサイユで行われたジェフ・クーンズなどの作品からイメージを得て、作品を展示しました」。フランス人が「カルチャー・ショック」と形容するベルサイユ宮殿を現場にした村上隆の展覧会は、開催前からすでに大きな論争を呼んでいる。