フランスから―環境とアートのブログ

開く:記事の大見出しをクリックする
Posts tagged "ボルドー"

EVENTO 2011

総合芸術ビエンナーレ EVENTO 2011 - ボルドー市が支援する総合芸術ビエンナーレ《EVENTO》は2009年に始まり、二回目の今年はミケランジェロ・ピストレット (Michelangelo Pistoletto) がアート・ディレクターを務めることになった。 2011年2月9日、18時からボルドーCAPCで、ミケランジェロ・ピストレットのコンフェランスが開催され、EVENTO 2011のプログラムが発表される予定。入場自由。 CAPC: Adresse : 7 rue Ferrère 33000 Bordeaux Téléphone :    + 33 (0)5 56 00 81 50 Fax :               + 33 (0)5 56 44 12 07 http://www.capc-bordeaux.fr/ リンク:ミケランジェロ・ピストレット To Artsy.net, Michelangelo Pistoletto page  

現代アートの現場、ラ・ファブリック・ポーラ

LA FABRIQUE POLA、ラ・ファブリック・ポーラ – 2009年9月開館。ボルドー市が支援する現代アートのプロダクションの現場。2000年から、ボルドー地域の芸術家や協会が結集し、現代文化の創造に向かって実質的かつ経済的協力体制を作ろうと努力していたが、これにボルドー市が2400平米の建物を提供して目的を整理し、開館にいたった。センターは、版画、写真、オーディオビジュアル、鉄や木材処理のアトリエ、事務整理17室、アーティスト・イン・レジデンス、芸術家用アトリエ、若いアーティストのための構想の現場、食堂、宿泊設備などを完備。600平米の倉庫を備えている。 対象の芸術分野は7分野。造形芸術、建築都市工学、 写真、音楽、セリグラフィー、ビデオ、グラフィズム。活動分野は11分野に及ぶ。年間予算は、80万ユーロ(約9000万から1億円)。 Fabrique Pola 8 rue Corneille 33300 Bordeaux Tel: 33 (0)5 56 37 96 04 メール http://www.pola.fr/

アクチュアリティ

10月19日 - 「これだけの人が集まって反対しているのに、政府はまったく耳を貸さない。政府がわれわれの声を聞かない限りは反対運動を続行する」という固い決断のもとに、年金法改革に反対する第六回全国大会は、前回よりさらに上回る260箇所で、組合員、学生、また野党政治家などが集会を行った。 年金法改革反対はもともと組合や企業が、年金格差や年金を納める年数などの再検討を含めて政府へ法案の取り下げを要求するものだったが、将来の就職不安が年金法改革でさらに悪化するのを懸念して全国の高校生が加わり、多方面の批評と話題を呼んでいる。 数字: - 大会参加人数、350万人(内務省発表110万人)。 - 全国1200の高等学校が参加。うち380の高校が混乱。リヨンでは高校生2000人がデモで練り歩く。 - デモに混じって「壊し屋」と呼ばれる若者たちが各地で車を焼いたり、公共物を破損、またブティックのショーウインドウを破りどろぼうを働くなどして、警察や機動隊と衝突した。 リヨン市内で、300から400人の壊し屋が横行。ベルクールで、約40台の車が壊されたり火を点けられ、中央商店街の6ブティックが壊し屋に押し入られて店内のものを収奪された。 パリ市近郊のナンテールでは、デモの高校生に混じり、200人近い壊し屋が公共物を破損。駐車中の車5台が燃やされた。 - 車を壊し火をつけ、バス停や電話ボックスを壊し、ゴミ箱に火をつけて道路を閉鎖したりその他の公共物を破損して回った壊し屋、250人逮捕。壊し屋は20歳代から10代半ばの若者で、一番若い年齢層は13歳から14歳。 - ボルドー、パリ、ポーの三大学が閉鎖。 - ル・マンで、中学校が放火され全焼。19日の全国大会にかこつけた便乗放火と見られている。 - 製油所と給油システムのストライキが長引き、いよいよ空のガソリンスタンドが三分の一(全国12500のスタンドのうち4000箇所がガソリンの枯渇)を占める緊急事態となった。 引き続き10月21日木曜も、デモとストライキが予定されている。(フランスTV 、Le PDF en Limoge、Direct Matin) My opinion: こうした「壊し屋」は昔から存在していて、むしろデモ隊にとっても邪魔者だった。一概に、フランスのデモやストライキは平和的なものが大多数だが、デモ隊をとりまく機動隊は甲冑のようなプロテクションを着込んで戦争に近い重装備をしている。大勢の人に紛れ込んで無差別に公共物を破壊し、機動隊に投石したり爆竹や火炎瓶を投げつけたりする壊し屋との突発的な衝突が、過去幾度となく繰り返されているために、警察の重武装化がすっかり日常化してしまったのだろう。ただ、今回のような壊し屋の300あるいは400人といった驚くべき数は、近年の暴力急増に呼応して背筋が寒くなる。 さて、今回参加の高校生たちが実際に年金を受けるのは50年先なのだが、それよりも、年金法の改革による勤続年齢の変更が、自分たちの就職難へ即座に繋がっていく懸念のほうがかれらにとって強烈な現実であることは先にも述べた。「年金法改革の内容をインターネットで見たんですけど、まったく滅茶苦茶じゃあないですか。こんな年金法で若い私たちがそばづえを食うなんて許せないですよ」と女子高校生。全国の大量の高校生の参加を、1968年の5月革命に比類するフランスの社会批評家もでてきている。(S.H)

二つの射殺事件(6)、ロムの強制送還

フランスの毎日のニュースから、「放浪者」たち -「ロム」の国外追放、「旅行をする人々」ボルドーで権利主張: 7月中旬、「旅行をする人々」の1人がバリケードを破ったところを機動隊員が射殺するという事件が起き、一気にクローズアップされたこれらの放浪者たちが、事件以来問題視されはじめたことを8月1日のポストに書いた。これら定住を拒否し、流れ歩く放浪者には、「旅行をする人々」とフランス語で規定されている人たち、また「ロム」や「ツィガンヌ」と呼ばれる主にルーマニアやブルガリアなどの旧東欧の人たちが多くを占める放浪者の群れがいる。この事件以来、彼らの権利をめぐって論議が戦わされているが、通称ロムといわれるルーマニアからの放浪者たちが全国各地の一時逗留地から徐々に機動隊によって強制撤去されはじめ、きのうからルーマニアへの強制送還が始まった。大人には300ユーロ、子供には100ユーロがフランス政府から渡され、またフランスに戻ってきても良いという条件付で、着の身着のままでチャーター機に乗せられて第一便がブカレストへ直行した。今月末までに、850人が同様に本国送還されることになっている。ロムは、ヨーロッパを流れ歩いて生活をつないでいるが、本国へ帰っても家も職もなく、またフランスへ戻ることを希望するものも少なくない。 ルーマニアは欧州連合加盟国でもあり、欧州連合の規約にのっとれば加盟国の国民はヨーロッパ内を自由に行き来し、また職業活動をしてもよいことになっているが、こうした自由通行に反した強制送還という今回のフランスの措置は、欧州連合とのあいだに亀裂を起こす恐れがあるといわれている。また、強制送還される人々が再びフランスへ戻ることができることで、政府の強行措置を疑問視する向きも少なくない。 一方、「旅行をする人々」と規定されている人々がボルドーで市長を相手に一時滞在の権利を主張している。放浪者としてフランスの法規定を受けている彼らは、フランス国籍を有し、定住していないが自分たちは浮浪者でも物乞いでもないとメディアに発表して自分らの生き方を誇示した。フランスには「旅行をする人々」のためにキャンピング・カーを泊める土地を用意する都市もあるが、ボルドー市は今回これらの人々に電気もなく水もない不便な土地を提案したため、「人間扱い」を要求する訴えを起こした。 My opinion: 二つの射殺事件から、フランス政府が外国人をどう扱うかに固執し政府はそれを中心にものごとを展開させている事実へ、フランスのニュース自体が切込みを入れていることを知らせたいと思っている。 他から: 欧州連合議員のダニエル・カン=ベンディット(Daniel Cohn-Bendit)は、こうした政府のイロジックかつその場しのぎの方策へ、「現政府は、ドイツなどと比較しても失業状況も説明できないし、例の国籍剥奪も、フランス人が外国人と同じ罪を犯したら、フランス人のフランス国籍も没収ですか?大体、サルコジ政策はここ8年*ものあいだ何もできないどころか国が退廃し続けている。サルコジの責任だ」と怒りを表明している。 翌日の野党社会党のリアクション: 夏休みの社会党集会で議員の一人が、「すべての悪は外からやってくるという、フランス中心主義を超えて極右のフロンナショナル党化してしまった論理を掲げるサルコジ政権を、改めて糾弾する」と表明した。「フランスが退廃しているのは外国人のせいだということを誰もが知っているじゃあないか」と切り返すのは保守党UMPの議員。いずれにしても、2012年の大統領選挙は、社会党が勝ってほしいという世論が8月22日付で大多数の55%を占めるという統計がでており、社会党に限らず野党勢力全体が早くもつぎの大統領選にむけて活気づき始めているというのが現状だ。 強制送還後のロム: チャーター機でブカレストへ着いたロムたちは、ルーマニアでも歓迎されていない。23日付のフランスTV のルポルタージュは、ルーマニアでも差別視されるロムの姿を追った。「彼らがルーマニアの名前を利用して庇護を請うのは、まったく好ましくないわねえ。イメージ悪いわよ」とはルーマニアの首都での通りすがりの女性の意見。「商売をする脇でほったて小屋を建てられたらたまったものじゃない」とは新聞を売るキオスクの男性の意見。現代における「放浪・Nomade」とは、何なのだろう。24日現在もマルセイユ、ヴィルヌーヴダスクなどの町でロムの強制撤去が進んでいる。 ・ダニエル・カン=ベンディットのビデオ(2010年8月18日オンライン) サルコジ、無責任! ・ロム Rom ・旅行をする人々 Gens du voyage ・8年* 2002年、ニコラ・サルコジが、シラク大統領ラファラン内閣のもとで内務大臣に就任。国家警察力を掌握した。