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ドキュメンタリー:原子力、神話の終焉

ドキュメンタリー:原子力、神話の終焉

 13チャンネル、ピュブリック・セナ、原子力政策の終わりを明らかに 原子力ドキュメンタリー『原子力、神話の終焉– Nucléaire, la fin d´un mythe』が、9月22日と29日に政治専門のテレビ局ピュブリック・セナで全国放送された。やがてフランスでは、寿命40年を迎える原子炉が34基に上る。原発が延命されるにせよ廃炉にされるにせよ、これからかかる膨大な費用と崩壊していく「安全」を前に、国やフランス電気会社EDFの足踏みがいかに危険を助長するか、54分のドキュメンタリーが浮き彫りにする。

アクチュアリティ

マルクールの核廃棄物溶融炉で爆発、一人死亡4人重症 - 9月12日正午ごろ、フランス電気EDFの関連会社でガール県マルクールにある低レベル核廃棄物を処理する施設サントラコの溶融炉が大爆発し、職員一人が死亡、4人が重軽傷を負った。この施設は、放射能防護服やその他軽機材の焼却および、原子力発電所施設解体などから出る核廃棄金属を溶かしてリサイクル可能な鉄を抽出したりする溶融炉をもっており、溶融の際に出る放射性物質が多量にストックされているはずという。爆発直後、施設から2kmはなれた人口2000人の村々では住民がパニック状態になり、幼稚園の保育係が子供を屋内へ退避させるなどの自発的な非常措置を取った。この事故に際し仏原子力庁は、建物は密閉されており現在のところ放射性物質が建物の外へ漏出することはないと発表。エコロジー大臣が現場へ赴き、原子力事故としてではなく、通常の産業事故として対応に当たるように強調した。一般への通達は爆発から2時間後で、情報の遅滞に地域は業を煮やしている。 フクシマ原発事故以降、フランスでの原子力施設での爆発はこれで二度目。ほとんど発表されないが、全国で平均一日に3つのアクシデントが起きるという。(フランス2TV) フェッセンハイム原子力発電所 - エコロジストや原発反対者が一番に廃炉にすべき原発として先ごろから槍玉に上がっているアルザス地方のフェッセンハイム原子力発電所。1977年に建てられたこの発電所は、地震発生地域にあり、持ち主のEDFの案内でエコロジストと地域の議員らが視察した際に、核格納容器のすぐ下にあるコンクリートの床が、1.5mの厚みしかないことに言及し、建設コンセプト自体に欠陥があったことがわかった。EDFは、中からコンクリートを流し込んで厚みをつける予定だという。ちなみに福島第一のコンクリート床の厚みは6m。このコンクリートが、メルトスルーをしたときにマグマを受ける。(LCP TV) またしても株価暴落に戦々恐々 - ギリシャ負債を背負ったフランスの銀行が軒並み株価下落。大手BNP、クレディ・アグリコル、ソシエテ・ジェネラル3社は、ギリシャのみならずイタリア、スペインにも数百億ユーロを貸借しており、フランスの銀行倒産がだいぶ危ぶまれ始めている。(フランス2TV) My opinion: ブログが原発事故の記事だらけになってしまった。本来、なかなか日本に届かないフランスの現代文化の話を書けたらいいと思ってはじめたブログだったのに、サルコジの文化嫌い(フランスも朱に染まれば赤くなり)で、文化省が「大」縮小。予算は増大の一途だと偉ぶっていた文化大臣の下でいつのまにか文化予算が失業手当代わりに使われていたり、現代文化政策30年がすっかり捻じ曲げられてがっかりしたり。そして今年の日本の大災害。「文化は戦いだ・・・」、とこのブログで書き始めたけれど、これだけリアルタイムに戦わなければならないものを目の前に突きつけられたら、しばらくは成り行き(自発性というべきか)に任せるしかないとも思う。これもまた人生の戦い・・・。別に戦いが好きなわけではないんだけれど。(S.H.)

建設中の原子炉に欠陥

2016年の完成を目標に建設中の英仏海峡に面するフラマンビルの最大規模といわれる新型原子炉内で欠陥が見つかった。問題の箇所は、ブイグ社が納品したコンクリートで作られた核燃料プールの壁面で、内臓の鉄骨が見えるほどコンクリートが崩れ落ちた箇所がある。核燃料プールは原子力発電所の中枢にあたり、この部分の欠陥が発見されたことで、建物全体の再点検と再建築が必須となる見込み。2012年完成予定が4年延びて2016年となり、予算も最初の30億ユーロから60億ユーロに膨らんでおり、これ以上の財政投入が今後どう検討されるか不明。 この報にグリンピースは、「建設中にこんな重大な欠陥が見つかったからには、あちこち同じような問題が隠れているはず。完全に問題を解消できないないなら、さっさと建設を中止すべきです」。周辺の騒ぎにもかかわらず、フラマンビルの原発の持ち主フランス電気EDFは、一切ノーコメント。(フランス2TV)