大雪 - 先週から全国各地で断続的に降り続いていた雪であるが、12月8日午後13時あたりから本格的にフランスの北、国土の4分の一にあたる地域に降りだし、あっという間に15cmほど積雪して大交通マヒを引き起こした。この日、メテオフランス(フランス気象庁)は積雪3cmという発表をしており、オルトフー内務大臣がTVで「雪による混乱はありえないから心配は要らない」と公言したばかりで、まったく当局の準備がなされていなかった。雪が降り出して3時間後の午後4時には市街地ばかりではなく高速や自動車道が混乱し、特にパリ西部のポン・ド・セーブルからベルサイユ方向に出ている国道118が動けなくなった車でいっぱいになった。国道118はパリの出口から大きな坂道を上らなければならず、あちこち高低が大きい。ポン・ド・セーブルから7km先のショッピングセンター、ヴェリズィ・ドゥー、またベルサイユの先数kmは動けなくなった数千台の車で埋まって交通止め。運転者たちは車の中で一夜を明かすはめになった。国道沿いにあるショッピング・センター、ヴェリズィ・ドゥーは車を乗り捨てて非難した人々が7000人にもなり、緊急避難所に変貌。パリ近郊で最悪の「遭難者」をだした。遭難者たちは「自動車道なのに、道路管理者による塩撒きもなければ、誰も助けに来ない」と憤慨。「オルトフー大臣の、混乱は無い、ってのは何なんだったんですかね」と政府を皮肉る人も。 ちなみに積雪による大量の遭難者を出したのは、2003年1月4、5日以来のことという。地上の交通のみならず、ロワシーやオルリーの飛行機発着も滞り、航空便は大半が運休して、旅客者は航空周辺のホテルに宿泊するか、ホテルが取れなかった人たちは空港の床に寝るなどの事態となった。国道や空港以外の郊外地の通行の難儀は言うに及ばない。 翌9日、フィヨン首相はフランス気象庁にたいし予報が間違っていたことを指摘して気象庁に矛先を向けたが、気象庁はこれを突き放し、市民や組合は、積雪に対して行われなけばならなかった当局の対応がまったく欠如していたことが市民に大きな迷惑をかけたとして、政府に引責を促す態度をとっている。 いまだに雪は解凍せず、道路が凍って各所で危険地帯が発生している。(フランスTV)