更新追加:2013年8月30日(集団的自衛権):最近東電が明らかにした300tの放射能汚染水漏れで、福島第一原発では2011年3月から地下水に混じって海に高濃度の汚染水が垂れ流し状態であり続けていることが改めて取り上げられている。貯水タンクから漏れた300tといわれる汚染水の放射能は、広島原爆分の放射能の量に値するという(小出裕章談)恐ろしい汚染の広がり。国が本腰を入れて取り組むことが望まれているのに、逆に支援離れが加速とは、いったいどうしたことか。貯水タンクだけで32万トン、排水溝のあちこちにたまっている汚染水が10万トン。現在の福島第一原発の事故炉周辺の汚染水だけで実に、広島原爆1300発分に匹敵する放射能が存在するわけだ。事故レベルでレベル3が検討されているという今回の汚染水漏れとその周辺。(S.H.)

小出裕章:高濃度汚染水漏れについて:遮水壁=地下ダム

[ビデオ解説コピー]
・・・事故が起きたのはもう既に二年数か月前の2011年3月11日だったのです。それ以降汚染水というのは敷地の中に大量に溜まってきまして3月中にもう既に福島第一原子力発電所の敷地の中に10万トンの汚染水が溜まっていました。コンクリートというのは元々割れるものです。割れのないコンクリート構造物なんていうものはありません。
おまけにあの時には巨大な地震でそこら中が破壊されたわけで原子炉建屋、タービン建屋、トレンチ、ピット、立て抗にしてもコンクリートにそこら中にひび割れが生じていたのです。ほとんど目に見えない建屋の地下であるとか、トレンチ、ピット、要するに地面の所に埋まってるわけですから見えない所でそこら中で割れて、そこら中から漏れている。当時もそうだし、二年経った今だって必ずそうなのです。
私はとにかくコンクリートの構造物から漏れない構造物に移すしかないと考えました。私が思いついたのは巨大タンカーでした。10万トン収納できるようなタンカーというのはあるわけですから10万トンタンカーを福島の沖まで連れて来て福島の敷地の中にある汚染水をとにかく巨大タンカーに移すという提案をしました。
でもまたそれも次々とコンクリートの構造物に汚染水が溜まってくるわけですから何とかしなければいけないと思いまして私はその巨大タンカーを東京電力柏崎刈羽原子力発電所まで走らせる柏崎刈羽原子力発電所というのは世界最大の原子力発電所でそれなりの廃液処理装置もあります。宝の持ち腐れになっていたわけで柏崎刈羽までタンカーを移動させてそこの廃液処理装置で処理をするのがいいという風に3月末に私は発言した。そういうことはやはり政治が力を発揮しなければできないのであって政治の方々こそそういうところに力を使って下さいと私はお願いしたのですけれどもとうとうそれもできないまま何も手を打たないままどんどん汚染水が増えて今現在30万トンにもなってしまってるというのです。
(Q. 3.11からもう二年数か月経ってるわけですけれども、あの時にもしスタートさせていたら、今もう間に合ってるんじゃないか)
もちろんです。また次に10万トン汲み出すということもできたでしょうし現在直面している事態よりもはるかに楽になっていたはずだと思います。
そういう意味では政府と東京電力が無能だったということだと思います。
・遮水壁=地下ダム (2011年6月インタ)
原子炉建屋の外にかなり深い穴を掘ってそこに深い壁を作って溶け落ちた炉心が地下水にできるだけ接触しないようにする。接触したとしても汚染が海へ流れないようにするそういう作業がこれからできる唯一のことかなと思うようになりました。本当に対策が後手後手になってしまっていて放射能の汚染がどんどん広がっていってしまっている。
1号機から3号機の原子炉の炉心は既に溶け落ちているのです。確実です。溶け落ちた炉心がどこにあるかということなのですが東京電力はまだ格納容器という放射能を閉じ込める最後の防壁の中にあるはずだと言っているのですけれども残念ながらそれを見に行くこともできないし本当にそこにあるかを確認することができないのです。場合によっては既に格納容器の床を突き破って地面に潜り込んでいってる可能性も私はあると思います。もしそうだとすると地下水と必ず接触してしまいますし、そうなるともう猛烈な放射能が地下水に混じって海へ流れていくことを食い止められなくなってしまうので私は2011年5月に原子炉建屋周辺に遮水壁を張り巡らせる地下ダムという言葉を使われる方もいますけどそれをやって溶けた炉心と地下水の接触を断つということをやってくれと頼んだのです。
(以上、Youtube、LunaticEclipseNuke26さんのビデオ書き起こしからのコピー)

130823 報道するラジオ「福島第一原発事故 汚染水の問題は」

[ビデオ解説]
Publiée le 23 août 2013
福島第一原発事故の汚染水問題が深刻です。タンク1基から過去最大の300トンが漏洩­、さらに別のタンクからも漏れている可能性が出てきました。
そもそも、毎日300トンの汚染水が、海に流出し続けていると試算されています。原子­力規制委員会も、きょう、現地調査に入りました。
「報ラジ」では、2人の専門家にお話を聞きます。
まずは、京大原子炉実験所助教の小出裕章さん。
福島第一で今、何が起こっているのか、汚染水をどうすればいいのか、じっくり伺います­。
そして、もうお一人は、海産物の放射能汚染の専門家・東京海洋大学名誉教授の水口憲哉­さんです。
海の汚染は、どれほど深刻なのでしょうか。魚などの海産物を食べてもいいのでしょうか­。ほかの番組ではなかなか聞けない貴重な情報、ぜひお聞きください。

20130817 R/F #032「小出裕章ジャーナル」

来年度もゼロか?~子ども被災者支援法予算

[ビデオ解説]
Publiée le 27 août 2013
施行から1年経っても、基本方針が策定されていない「子ども被災者支援法」をめぐり、­同法律の立案に関わった国会議員らが26日、来年度予算に関して、関係省庁にヒヤリン­グを行った。復興庁の担当者は、同法案の基本方針策定が遅れている結果、来年度概算要­求の内容は決まっておらず、資料も用意できない状況であると説明した。
関係省庁のヒヤリングを開催したのは、子ども被災者支援法の成立に関わった国会議員ら­でつくる「子ども被災者支援議員連盟」に所属する超党派の議員ら。冒頭で、会長に就任­した民主党の新井聡衆議院議員があいさつに立ち、「被災者が、行政の不作為だとして裁­判に訴える事態になってしまった」と発言。同法に関連する来年度予算の概算要求内容を­ただした。

20130828 UPLAN【無茶苦茶な政府交渉】原発輸出への不透明な税金投入を問う

[ビデオ解説]
Publiée le 29 août 2013
【FoE Japan】
ベトナムの中南部で建設が予定されているニントゥアン省第二原発。日本が正式受注をめ­ざし、準備を進めています。
事業計画策定の基礎となる実現可能性調査(以下F/S)は、私たちの税金を使って日本­原子力発電(以下、日本原電)が実施、調査はすでに終了していますが、何を調査したの­か?どのような調査結果だったのか?調査結果は妥当なのか?―私たちNGOや国会議員­の再三の要請にも関わらず未だに調査報告書は公開されておらず、納税者が知ることも、­専門家が検証することもできません。
現時点で このF/Sに費やされた総額は、約25億円、次の2つの予算から支出されています。
1)経済産業省 2009年度低炭素発電産業国際展開調査事業:19億9,900万円
2)経済産業省 2001年度インフラシステム輸出促進調査事業の一部調査:5億円(随意契約)昨年1­0月には、2)の5億円に復興予算が流用されていたことが発覚しました。
>「震災復興予算 原発輸出調査にも流用」(東京新聞 2012年10月20日)
通常のODAなどで支援される道路・橋・発電所などの大規模インフラのF/Sは、数億­円規模です。25億円を費やして一体なにを調査しているのでしょうか?
経済産業省に調査項目を質問したところ、1)の約20億円は、「エネルギー市場分析、­電力系統分析、経済性評価、財務分析 等」、2)の5億円は、「敷地周辺調査(陸域、海域)、敷地内地質調査 等」という回答でした。
この回答が正しいとすると、おかしな点があります。まず、「エネルギー市場分析、電力­系統分析、経済性評価、財務分析」に20億円もかかるのかという疑問があります。
また当初の調査計画には、サイト調査と評価(敷地周辺地質調査、海域地質調査、海域測­量調査、地質・地形調査、津波及び潮位評価、気象観測データ整理・分析、環境影響調査­、排出水拡散予測・解析)なども含まれていました。>http://www.meti.go.jp/information_2/d…
これはいったいどういうことなのでしょうか?
当初計画されていた調査はなんらかの事情で実施されておらず、追加資金が必要になり、­復興予算5億円が流用されたという疑いが生じます。
いずれにしても20億円の税金が何に使われたのか、経済産業省/日本原電は説明責任を­果たすべきでしょう。
また、調査報告書を公開し、現地住民や日越の両国民が同事業に関する情報にアクセスで­き、第三者の専門家が検証可能な状態にすべきです。
なお、日本原電は、最近、原発輸出の候補とされているトルコでも建設予定地の地層調査­を受注しています。>http://www.enecho.meti.go.jp/info/ten…
同社が有する敦賀原発については、専門家からずっと活断層の存在が指摘されつづけてき­ました。原子力安全保安院の意見聴取会の委員の今泉俊文東北大教授は「典型的な活断層­」「よく審査を通ったなとあきれている」などと批判しています。
原子力安全保安院の意見聴取会では、多くの委員が活断層の可能性が高いとしました。そ­の後、原子力規制委員会も活断層の存在を認定。日本原電はこれに異議申し立てを行い、­新たな調査を実施しています。
このたび、問題を指摘し続けてきたNGO3団体―FoE Japan、環境持続性社会研究センター(JACSES)、メコン・ウォッチは、経済­産業省に会合を申し込みました

・「集団的自衛権を考える」
20130816 報道するラジオ「集団的自衛権を考える」
頭だけで考える人と戦争をしている国で外交経験を積み現実を見た人の論争。どちらが正しい(現実)か、歴史認識ができる人が共感する大論争。必聴。(S.H.)

[ビデオ解説]
■2013年8月16日【金】 集団的自衛権を考える
安倍政権は、憲法の解釈を変更し、集団的自衛権行使を認める方向に動き出しています。
今、なぜ憲法解釈を変更する必要があるのか、尖閣問題や北朝鮮の核・ミサイルなど、日本を取り巻く安全保障環境が変わる中で、平和と安全のために最善の道は何なのか、
そもそも「集団的自衛権」という言葉の意味がよくわからない、という方も多いと思います。
きょうの「報ラジ」は、お二人のゲストに出演していただきます。
安倍首相の諮問機関である有識者会議「安保法制懇」のメンバーで集団的自衛権行使を認めたほうがいいという立場の坂元一哉さん(大阪大学大学院教授)、そして、行使容認に反対の立場の孫崎享さん(元外務省国際情報局長、元防衛大学校教授)です。
今夜は、集団的自衛権から、日本の平和と安全を考えます。

130830 報道するラジオ「集団的自衛権と憲法9条」

[ビデオ解説]
Publiée le 30 août 2013
2013年8月30日【金】 集団的自衛権と憲法9条
今夜の「報道するラジオ」は、再び集団的自衛権をテーマにします。集団的自衛権行使を­認めると、自衛隊は具体的にどんな行為ができるようになるのでしょうか。私たち国民に­とって、メリットがあるのでしょうか。素朴な疑問を、ゲストにぶつけます。
ゲストは、安倍首相の私的諮問機関「安保法制懇」のメンバーで京都大学大学院教授の中­西寛さんと、軍事ジャーナリストの前田哲男さんです。
お二人の見解のちがいを、じっくりお聞きください。

・・・[注記]上記に引用しているビデオ解説やビデオインタビューの内容書き起こしはオンラインされたビデオに付記されていたものをコピーしました。また、筆者の私見は常に、My opinionとするか(S.H.)で明記しています。

My opinion:実は、8月16日の集団的自衛権についての放送をMBSラジオはYoutubeにビデオにしてネットに流さなかった。さもありなん。坂元さんと孫先さんの論争は真っ二つに割れて言い合いとなったが、これだけ収拾がつかなくなった放送は私もはじめて聞いたほどだ。8月30日の放送はだいぶ冷静な議論となったが、集団的自衛権を推進派として番組によばれたのは再び大学関係者であった。そこで自然と、私は整然とした大局的な推進論を説明してもらえるのだろうと思っていたら、「こういう場合」というひとつのケースに限って必要になってくる日本の行動のはなしにとどまり、望んでいたような概論的な話はほとんどなく、がっかりした。集団的自衛権推進の意義とはその程度のものなのか。軍事ジャーナリストの前田さんいわく、「第9条を捻じ曲げてしまうと、戦争一直線に向かう」。言いえて直裁。実際、現実の戦争を知っているのは、やはり闘いの最中ではすべてが「殺すか殺されるか」に収斂する現場を見続けたジャーナリストのほうではなかろうか。
中西さんの話を聞いていてふと思ったが、60年代や70年代等に豊富にあった戦争番組や戦争映画を、あまり見ずに育った人なのかもしれない。ベトナム戦争を描いた代表的な『地獄の黙示録』、日本の終戦を描いた『日本の一番長い日』、戦争犯罪を描いた『私は貝になりたい』などはいうに及ばず、60年代70年代のTVでは毎日のように戦争シリーズもの、広島や長崎の原爆や被災者を描いた物語が巷に間断なく流れ続け、人々は何度もそれを咀嚼しつつ論じたものだ。それもこれも第二次世界大戦への大きな悔悟をみんながひきずり背負い続けていたからだと思う。
そうした残忍な戦争や原爆への人々の悔悟がふっつり消えるときがやってきた。それは、「原子力の安全利用推進」がさかんに行われ始めた時期と、ぴったり符合してはいないだろうか。TVコマーシャルもひっきりなしに「こんな小さな(小指ほどの)資源で膨大なエネルギーを作ることができるんです」と毎日のように宣伝し、それと同時に、手の裏を返すように、広島も長崎もすっかり過去のものにしてしまった。日本列島改造とともに原発建設が飛躍した。遡ってみれば、もうそのあたりから今の日本の歪曲が始まっているのではないか。(S.H.)