[サイバー・デファンサー]

アメリカではオバマ大統領の任期中、ハッカーから情報を守ることが大きな公約となっているが、フランスでは企業のリクルートで、なんと「ハッカー」コンクールが行われている。

世界では一日150万人がインターネット被害を受け、ヨーロッパでは10の企業のうち7企業がサイバー攻撃で被害をこうむり、その被害額は年間875億ユーロといわれている。そこできょう日、企業に必要なのはサイバー攻撃を受ける前に、弱点を発見してカバーし、攻撃してくるハッカーより上手のコンピュータ技術者、「サイバー・デファンサー」が必要なのだ。そこでエコール・ド・アンジェニアー(エンジニア大学)の学生80人が「ハッカー」技術を競う就職試験を行った。試験時間は異常にも夜中の22時から7時まで。内容は、システムの弱点を見つけ、パスワードを解き、人のメールに侵入し、画像を解読し、ハッキングをする、というもので、いずれの行為も「犯罪」なのだが、競争で短時間でハッキングをした学生が見事合格となる。サイバー・デファンサーか、ハッカーか。ちなみにアメリカのFBIにはハッカーの4分の一の人口が寄与しているという話だ。

 

[ローマ教皇、フランチェスコ一世誕生]

2013年3月13日のコンクラーベで、1936年12月17日、南アメリカ、アルゼンチンはブエノスアイレス生まれのホルヘ・マリオ・ベルゴリオ(Jorge Mario Bergoglio、76歳)が、第266代目のローマカトリック教会の教皇(法王とも呼ばれることがある)に選ばれた。イエズス会で初、また8世紀のグレゴリー3世以来初めてヨーロッパ以外から選ばれた教皇となる。12世紀のアッシジで、謙遜と素朴さと清貧を信条として生きた聖フランチェスコの名前を取って、フランチェスコ一世(フランス語ではフランソワ一世)と命名。これまでのバチカン路線から180度転換する「貧しい人々のためのローマ教会」を目指す。フランス人の85%は、新しいローマ教皇を歓迎。…

S.Francois_stigmates_giotto スティグマ(聖痕)を受ける聖フランチェスコ   ジオット画  アッシジ教会の壁画

 

[犯罪]

マフィア:マルセイユの北部で拳銃の弾痕のある男性の死骸が焼けた車の中から発見された。マフィアの対立による復讐劇が激化し、この二週間で殺人は4人目。2012年は24人が同じように命を失っており、危険区域と見なされるマルセイユの40区画で、いっそうの警備強化が行われる。

宝石強盗:サヴォワ地方のスキー場で名高いアルベールビルで、夕方シャッターを下ろそうとした宝石店が4人組の強盗に入られ、店主が射殺される事件が起きた。フランスでは金の価格が高騰するのと比例して宝石店に押し入る強盗がこの4年で180%に激増。2012年は、合計402回の強盗事件が起きた。つまり一日一回の割で宝石店が強盗に入られている計算だ。手口は巧妙で、モーターバイクで宝石店の脇につけ、オートの丸鋸でショーウインドーをカットして並んでいる宝石を掴み取っていく。その間、もう一人がピストルを構えて見張るというスタイルで、店の者は手が出ない。

 

[落第をなくす法案]

教育制度の見直しが行われる運びだが、これに際し、落第をなくす法案が立てられることになりそうだ。

これまで落ちこぼれや勉強をしない子供をダブらせていたが、かならずしも落第させることが成績向上につながるとはいえないのではないかという疑問が沸き起こった。フランスでは15歳までに少なくとも一回落第をした生徒は38%。スペインでは35%、ドイツは21%、イギリスは2%で、フランスはヨーロッパの中でも落第率が高い。また驚くべきは北欧では落第する生徒は0%なのに、平均成績は上という統計が出ている。またフランスは、落第した生徒のための教育費にこれまで20億ユーロが使われてきた。どうやら、「落第をさせない」法律を作ることで教育費節約を目指したい、というのが政府の本音らしい。

(フランス2TV)