[「みんなに結婚の自由を」法案、10日間のマラソン協議終了、国民議会で投票の運びへ]

社会党オーランドの選挙公約の一つだった同性同士の結婚を正式に認める「みんなに結婚の自由を」とよぶ法律の立法化が、右派勢力を含めキリスト教団体や一般市民を含む反対派により、国民議会に通過させる前に法案そのものを国民投票で問うべきとする猛烈な要請を浴びていたが、昨日、丸10日間にわたる細則の検討を終えて、法案は無事、国民議会で投票にかけられることになった。

リベラシオン電子ニュース Libération:

法案についてのマラソン協議は、同性同士の結婚と同性婚を行ったカップルによる子供の養子縁組や人工受精が問題で、反対派の中枢にある右派UMP党と、昼夜土日を問わずぶっ続けの討論が最後まで行われた。… 国民議会協議は2月9日明け方5時40分、クロード・バルトロンヌ議長の采配の下、法務大臣クリスチアーヌ・トビラを中心に、法案に対して寄せられた4999通の改正案について110時間、合計10日にわたる24セッションの討議という白熱の協議の末に終了した。これは第5共和制政府が行った討議の中でも7番目に長いセッションである。国民議会の投票は2月12日に行われ、3月18日に上院で検討される運びとなる。 右派は、「大人の望みのために子供が犠牲になる部分が強いのは残念」。途中暖房が切れて会場が冷え込むなどのインシデントもあったが、協議は右派の苛立ち以外には平和的に進み、議論優勢のトゥービア法相は場内の議員たちの拍手喝采を浴びて、おおいに面目を躍如した。

〈ピック・アップ、BFMTVその他〉

クリスチアーヌ・トビラ法相「ベルギー人とフランス人のカップルが、ベルギーで正式結婚をして夫婦でいられるのに、フランスに来るとその結婚自体が認められないという不都合に陥る。国境を越えて起きる不都合をフランスは抱え込んだままでいいのですか」

クリスチアーヌ・トビラ法相「そもそもこれまで、人間の自由の権利がしっかり法律として成立してきた背景には、虐げられたマイノリティー(少数派)の現実がありました。たとえば奴隷制です。黒人の奴隷制が排除されほかと同じ自由の権利が獲得されるまでの法律の歴史は、現今のすべての人間の自由の権利の成立の歴史です」

クリスチアーヌ・トビラ法相「みなさん! 私はみなさんを本当に誇りに思います! 今私たちがここで行っていることこそが、民主主義を実践しているということなのですから」

- クリスチアーヌ・トビラ :  1952年、ギアナのカイエンヌ生まれ

〈子供の苗字〉

同性の婚姻が正式に認められることで、今までフランスでは子供は自動的に父方の姓を名乗ることになっていたが、子供の苗字に関しても改正法案が成立する見込み。