教員、大幅人員削減 - 2012年度に1万4千人の公立小中高校の教員削減が行われることになっているが、昨日、教育省から教員削減の対象となる市が発表された。800から900人以上の教員のポストが消滅する町は、ベルサイユ、クレテイユ、ナンシィ・メス、リルの4市。その次に挙げられているのはコルシカ、ポワチエ、レンヌ、ナントの4市となっている。内訳は、小学校4000、中学校5700、高校6550の教員の雇用削減となる。

教員削減に反対の多い世論に対し、リュック・シャテル教育相は「20年前と比べたら格段に教員の数が多くなっているため、今回の削減は教育の後退ではない」と発表した。しかし、近年のフランスの出生率増加で子供の増加は、小学生は6000人、中学生2万1200人、また高校生6600人となっており、20年前の教員数のみを引き合いに出して比較できるのかどうかは疑問だ。

教員削減法案が提出されてから、多くの法案反対デモが行われてきた。2007年以降、すでに5万近くのポストが削減されており、今回のさらなる教員削減は、現在一クラス少人数制が適用されて、教師の目がすみずみまで行き届いている授業に、クラスの合併で人数増大、落ちこぼれの生徒のための課外授業廃止などのかたちで大きな影響が出てくる。「NON à 30 élèves par classe ! 一クラス生徒30人に反対!」とは現場の教師たちのみならず、生徒たちの切実な願いだ。(フランス2TV)

My opinion: 「一クラス30人に反対!」とだけ聞くと、意味が分からないかもしれない。フランスではクラスで教師が目が届く人数は20数人といわれる。そしてこの数が公立小中高校では一般的でもある。したがって、一クラス30人を超えると教師の目がすみずみに届かなくなり授業に支障をきたし始めると考えているようだ。日本の学校の40人から50人のクラスのあり方と比較していくと、フランスの20数人のクラスのあり方は、はたして何が違うのだろうか。教師と生徒の関係は、生徒の数が少ないほうがより緊密であるに違いない。教師1に対し生徒50は、初等教育というよりも、すでに大学の大講義室の聴講型の割合にちかい。日本の家庭教師や塾が一向に廃らないのは、教師との緊密さを求める家庭や子供の欲求が大きく反映しているからだろう。