ニューヨークの国連でのスピーチでスウェーデンのグレタ・トゥンベリは9月23日、気候変動に対する「政策の不作為」を非難。「私は本来ここにいるべきではありません。海の反対側の自分の学校にいるべきなんです。どうしてこんなことができるんですか? 中身のない言葉を繰り返して私の夢と私の子供の生活を奪ったんですよ。でも、まだ 私は幸運なほうです。苦しみ、死にかけている人達がいます。 生態系全体が崩壊し、大量絶滅の始まりです。あなたがたが話しているのはお金と永遠の経済成長というおとぎ話だけではないですか」。グレタ・トゥンベリは怒りで硬直した喉から言葉を絞り出した。(Le Monde)

グレタ・トゥンベリを含む12カ国から来た8歳から17歳の16人の若者たちは今月、「法的な根拠に基づいて、地球温暖化に対する前例のない非難行動を開始した」と発表。地球温暖化に対する指導者たちの不作為は、国連の子どもの権利条約に違反しているとして、フランス、ドイツ、アルゼンチン、ブラジル、トルコの5カ国に対し苦情を申し立てた。この子どもの権利に関する条約は、子どもの健康と権利を保護する目的で1989年に始まり、米国を除くほぼすべての国で批准されている。グレタ・トゥンベリを代表とする16人の子供たちは、国連気候変動サミットに際し、「当該国は、約束を守っていない」と非難した。 米国のアレクサンドリア・ビラセナーは、「私たちはみんな、権利が侵害され否定されているのを見てきました。私たちの未来は破壊されつつあります」。(Les Echos)

https://www.lesechos.fr/monde/enjeux-internationaux/climat-greta-thunberg-intente-une-action-juridique-contre-cinq-pays-dont-la-france-1134069

フランス、暖簾に腕押し、グレタ・トゥンベリに背を向ける閣僚たち

緑の活動家の攻撃的非難に怒りをあらわにするフランスの閣僚。
エマニュエル・マクロンとその一派は、グレタ・トゥンベリを含む16人の若者が、国際法に訴えてフランスを含む5か国に対して気候変動への不作為を糾弾したことに怒りを表しているようだ。しかしながらグレタ・トゥンベリはこの2月、エリゼ宮(大統領官邸)に招待されて歓待されたはずなのだ。COP21が採択された国でもあるにもかかわらず、フランスの対処は足踏み状態で、いい方向に向かっているとは言えない。今回ニューヨークの国連総会にあたってヨーロッパ1(ラジオ局)のマイクの前でエマニュエル・マクロンは、いかにも突然に、「私たちの社会に敵対する非常に急進的な立場の人」とまで言うようになった。

閣僚たちが抗議に聞き耳を立てた翌火曜日の朝、フランスが国連で子供たちの糾弾の対象となったことをあまりにも不当、と繰り返した。「フランスは、石炭火力発電所を閉鎖した欧州で最初の国です」と保険相がCNews(TV)で述べ、ついで、「パリ協定を考慮に入れていない国とは貿易公約は結ばない筆頭国でもある」と声を荒げた。「つまり、大統領はこれらのエコロジー問題に当初から全面的に取り組んでおり、フランスが気候問題への不作為で攻撃されるとはもってのほか。フランスは汚染国ではなく、CO2をほとんど排出していません。彼女の非難の背後に何が隠れているのか、大いに疑問」。

 

もっと攻撃的なのはエネルギー移行局局長ブリュンヌ・ポワルソンで、「良心を目覚めさせる人々がいるのは重要ですが、彼女は一体どういう解決策を持っているというんです? わからないけど。絶望とか憎しみで人を動かすことはできません。 [...]  フランスは主導国です。他の国を引っ張っていく国です」とFrance Inter放送局で反論し、強い調子で不当を訴えた。

国家教育相のジャン=ミシェル・ブランケは、これが新しく「鬱な世代」を生み出すことを恐れてでもいるかのように、「叫んでばかりいる段階を超えなければならない。フランスはもっと先に前進できる国の一つだ。そういう前進を阻むようなことをしても何にもならない」として、 「苦悩のスピーチにうんざり」と述べた。エコロジーの警鐘を鳴らすこの若者たちがどのくらい迷妄か、また、フランスは気候変動の対策を推進する国の先頭を走っている国だ(これは証明の必要あり)といいたいらしい。「フランスは、国連でもG7でも大変な努力をしている。努力をしている国であるフランスを攻撃しても何にもならない。フランスはいい国」と付け加えた。… (La Liberation)

https://www.liberation.fr/politiques/2019/09/24/climat-le-gouvernement-totalement-mobilise-contre-greta-thunberg_1753217?

 

フランス財務省、環境省の人員大量削減を計画中か

2020年までに環境省内の1,700人の雇用とポスト削減。

2020年の予算法案(PLF)が9月27日に閣僚会議で発表される。パリジアン紙とル・モンド紙の情報によると、保健省とエコロジー移行省に大きな予算削減がある模様という。

環境省はこれによって2020年までに、1,8 %の人員削減  (− 1.769 のポスト減) 、未来3年にわたって 5 %の減 (− 4.961 のポスト減) となる見込み。

すでに、人員削減は2014年から2015年にかけて - 3,7 % 、2015年から2016年にかけ - 2,9 % 、2017年から2019年までで、 - 12,2 % という(組合の数値)。

CGT、CFDT、FO、およびFSUの4つの組合は、「環境省を守る評議会  Conseil de défense du ministère de l’Écologie」を結成。9月13日のコミュニケで、「エコロジー移行省・連帯・運送・地域の結束、の各局・庁は現実的な【エコロジー移行】に向かって必要な公共対策を行う不可欠な行為者です。野心的な地域対策計画を効果的に進めることのできるスキルをそれぞれが持っているのです」と述べ、人員削減や係や局の廃棄に対抗する方針。

https://reporterre.net/Bercy-veut-supprimer-1-700-postes-au-ministere-de-l-Ecologie-en-2020?__twitter_impression=true&fbclid=IwAR1fQFmdO4FZjzTcKGCzfz0Gq0upLE6IR5yHuL71ZXH2dle6qRdwg8N04oo

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My opinion:  こういうフランスの政治家の反応を見ると、1980年代に戻ったような錯覚を覚える。欧州統合やグローバリゼーションのいい部分は世界を見て自分を正すことができる客観的な新しいフランスの世代が生まれたことだった、、、、と思っていたが、そうではないではないか。マクロン政権になって急降下する公的なサービスと、巨大企業の躍進。公営だった飛行場や電車の駅が売却されたりもし、その度に首切りや住宅建設が無法状態で行われて、同時にフランスの市民の文化が少しずつ侵食され壊滅していくようにすら感じる。

ヘイト・スピーチを政治家がやる時代に、世の中もヘイトで埋まるのは仕方がないことなのか。グレタ・トゥンベリが初めから言っているように、「取るに足らない子供の話に世界中が反応することに自信を持つ」と。その効果はフランスの大統領の発言にもおよび、影響力は絶大と言わなければならない。(S.H.)