きのうドラギニャンの控訴院で、ジプシーを射殺した機動隊員に無罪判決が下った。

2008年5月23日、盗みの疑いで捕縛された27歳のジプシーの男が、手錠と右足に足かせをかけられたまま、機動隊の連隊所の高さ4メーター60の窓から跳び降りて逃走しようとしたところを、機動隊員が7発発砲して射殺した事件で、射殺した機動隊員についての判決がきのう下った。
控訴院は、5日にわたる諮問のすえ、ジプシーを殺した機動隊員に無罪判決を下した。この判決で、殺されたジプシーの家族の怒りが爆発。家族関係者20名あまりのジプシー集団が不満を表明して騒ぎ、控訴院から退場させられた。

殺されたジプシーの家族の弁護側は、手かせ足かせで無抵抗の男を射殺した機動隊員の行き過ぎが無罪になったことにより、「殺しのライセンスが認められたことになり、警察権力が法を越えたということになる。まったく司法自体が危ぶまれる判決だ」と発言。一方、大勢の機動隊員が仲間を支援するために控訴院に訪れており、機動隊の上層部は、危険な人物に対峙して自衛をするのは当たり前と、この日控訴院で発言している。(フランスTV)