フランスから―環境とアートのブログ

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環境、あれこれ

アクチュアリティ、環境 [ウィークエンドは全国的に渋滞] 7月最後のウィークエンドは、バカンスから帰る人とこれからバカンスに出る人たちの車で全国の幹線道路が渋滞する。今年も例年通り、金曜の夜から土曜にかけて注意を呼びかけている。「なるべく早くでようと5時に起きましたが、それでもだめですね」とカタツムリ走行。

ペルーの旱魃

ペルーの旱魃 - 中米はペルーの山奥。地球温暖化で、25年前は真っ白に雪で覆われていた標高4200mの山々から、今はすっかり雪が消えてしまった。以前は雪解け水でラマの放牧をしていたが、水がなくなって牧草も生えなくなりラマの成育もままならなくなった住民たちの半分が他の土地へ移住して行った。そこで、何とか温度を下げて旱魃を緩和させようと、首都リマのエンジニア、エドワード・ゴールドが山々を白く塗ることを思いついて現地に訪れ、住民の手を借りて実行。「白」いペイントは、費用の掛からない、砂、石灰、水、そして石鹸を少々混ぜ合わせたものだが、こうして、サッカー競技場三つ分の面積の岩肌に塗った結果、なんと10度も温度が下がったという。岩の下には氷水がたまり、小川までできた。「なるがままにして、手をこまねいているだけじゃあどうにもならない。何とかしなくちゃ、と思いついたのがこれでした」とエドワード・ゴールド、そして、好結果に大きな期待を寄せる住民たち。しかし、以前のような牧草豊かな沃地をとり戻すためにはサッカー場約50万個分の山を白く塗らなければならないという。石灰を使った安いペイントにしても、10億ユーロに上る費用をペルー政府が出すかどうかは分からない。 (フランス2TV) My opinion: ペルーの岩山は、植物が育たなくなって岩がますますむき出しになり、太陽の熱にさらされて温度が一層上がっているということだろう。岩肌の色を「白」くすることで温度を下げるというアイデアを思いついて実際に温度を下げることができた驚くべき事実は、目からうろこが落ちるように多くのことを教えてくれる。昔、野外の展覧会で、黒いシートを底に張った透明PVCの大きな容器に水を入れたことがあったが、5月の太陽にさらされた容器の水はあっという間に温度を上げて40度Cちかくになり、小さい泡まで出し始めたので驚いたことがあった。電気も火も使わずに、太陽の温度を吸収して溜めやすい「黒」いシートがあるだけで、水がいとも簡単に風呂の湯程度の温度に上がることを発見したあと、実は登山家たちが山の中で湯浴みをするために黒いシートは欠かせない荷物の一つであることを教えてくれる人間がいた。「環境」と「色」とは人間の知恵を介して実生活に容易に結びつく可能性をひめている。はたして、もっと積極的にこうした知恵を発展させていけないものだろうか。(S.H.)

アクチュアリティ

バクテリアの感染源判明 - 33人の死者を出しヨーロッパを震撼させ、農業経営者を経済危機にまで追い込んだバクテリアの感染源が判明した。北ドイツのバイオ農場のもやしの栽培が怪しいと見られて数日前から検査が続けられていたが、この農場からバクテリアの株が見つかったことから、もやしやカイワレなどの栽培農場が感染源であることがようやく確認された。種や豆からの発芽生育は温度が37度の湿気の多い環境で行われているため、生育環境がバクテリアの培養にも適していたことなどが挙げられる。しかし、バクテリアがどこから来たのかについてはまったく分かっていないため、ほかの野菜の容疑が晴れたにもかかわらず、よく洗浄して皮を剝くなどの処置を怠らないように呼びかけている。感染源が判明しても、ヨーロッパでは3000人以上が感染し、うち多くの重症患者がいまだに生死の境をさまよっている。 フランス経済相クリスチーヌ・ラギャルド、国際通貨基金代表へ立候補 - DSK ドミニク・ストロス=カンの後継者選出に、フランス経済相となって今年3年目で実績を評価されているクリスチーヌ・ラギャルド(55)が有力視されていたが、予想通り国際通貨基金代表選出へ立候補する運びとなった。 フランスの環境 - 50年後のフランスはクライメートチェンジが進み、現在起きているようなフランスの旱魃が国土全体に広がるという。植物への影響は大きく植物の生育等高線が北上。たとえばボルドー種の葡萄の木がパリあたりまで上る。また、ワインの樽作りに使われているブナの木の立ち枯れがあちこちで見受けられるようになっており、ここ10年もすればブナが死滅するという。「気候のせいで、葡萄の種が変化していくために、味もまた味わい方もものすごく変化するはず」とワイン製造者。 (フランス2TV)

アクチュアリティ、環境…

バクテリアによる経済的被害甚大 - ドイツのハンブルグを中心に広まったバクテリアによる食中毒で死者は25人となった。ヨーロッパ諸国12カ国に広がったばかりではなく、アメリカでもやはりドイツに旅行をした人が一人中毒症状をだしている。バクテリア感染源として濡れ衣を着せられた生野菜、特にキュウリの生産者の被害は甚大で、スペイン、フランスなどでは収穫したキュウリを毎日捨てる作業が行われ、倒産寸前の農家も出始めている。EUは被害を受けている生産者に対し、1億5千万ユーロの援助金捻出を決定したが、実際農家は毎週2億ユーロ相当の損失をだしており、援助は焼け石に水状態だ。一方、バクテリアのほうはいまだに感染源がつかめず、各国の研究所は検査の範囲を広げ原因究明を急いでいる。(フランス2TV、フランスTF1TV、) 旱魃と異常気象 -フランスの特に北部では好天気続きで暑さが夏並み。旱魃により、現在全国62県が節水体制を取っている。一方で先週および今週はじめ、南仏やヴァル・ディゼールで大嵐や大粒の雹が降り農作物に大きな被害を与えた。りんごやナシが全滅の農家も。また先週は、アルプスやピレネー山脈の一部で雪が降り、30cmから50cmの積雪を記録した。300頭の羊が凍え死ぬなどしている。 福島原発事故、マグマ状になった核燃料が流出 - すでに津波の直後に福島第一原子力発電所の一号機から3号機までの炉心3基で、核燃料がメルトダウンしてマグマ状になり、壊れた格納容器から一部外へ出ていた可能性のあることをようやくTEPCOが発表した。原発事故から3ヶ月たっても放射能の流出を止められずにいるTEPCOは、国際原子力機関(International Atomic Energy Agency:IAEA)への正確な報告を迫られ、これまでの不透明で煮え切らない部分を正してようやく内容を明らかにする姿勢を示したことになる。(フランスTF1TV) My opinion: 4月下旬あたり、イギリスのウィリアム王子とケイト・ミドルトンの結婚式直前あたりから、福島原発事故のニュースがほとんど表面から消え、各国際放送のビデオではなくブログなどで言及する程度だったが、再びこの二日ばかり、フランスのTF1が取り上げている。状況が最悪の状況であることがはっきりしたからだろう。核燃料がマグマ状になって壊れた格納容器から外へ出る、という最悪のシナリオは、フランスではすでに3月中旬に原発が爆発した時点で何度もTVで言及していたが、日本側は「建屋の水素爆発のみ」という表現で、核燃料には一切触れていなかった。

アクチュアリティ、ポスト・福島、ドイツ原発全面廃止へ

ポスト・福島、ドイツ原発全面廃止へ - ドイツ政府は、2022年をめどに原子力発電の全面廃止を決定、昨夜公表した。現在ドイツは17基の原子炉を保有している。福島第一原子力発電所事故をきっかけに、アンゲラ・メルケル政府は原子力開発への積極政策をいったん保留して国内の原子炉7基の稼動をストップしていたが、「福島の惨事の苦悩をドイツで味わわない」ために全面廃止へ踏み切った。ドイツ政府の決意に対しフランス政府は、「ベルリンの姿勢を尊重する」といいながらも、「フランスも全面廃止へ?」の質問に、フィヨン首相は「フランスの原子力開発はドイツと比べ物にならないほど発展しており、国内には58基の炉心がある。原子力発電への依存も比較にならないほど大きく、ドイツと歩調を合わせることはまったく不可能だ」と回答した。 旱魃のフランス - 4月から雨量が少なかったフランスは全国的に旱魃。水飢饉により今日からフランスの50以上の県が節水体勢にはいった。リモージュ一帯の貯水池の水位が下がりすぎ、原子力発電所の炉心の冷却がままならなくなっている。 バクテリア、コリバシル - 生野菜で食中毒。スペインから輸入されたキュウリについていたらしいバクテリアが原因で、ドイツのハンブルグで300人以上が中毒、うち11人が死亡した。食中毒患者はドイツを中心にデンマーク、スエーデン、オランダなど1200人以上に膨れ上がり、フランスでも3人の中毒者がでてヨーロッパがパニック状態に陥り始めている。一部ではキュウリのみならずトマトやサラダなども疑わしく、検査が進められているが、コリバシルというバクテリアによる中毒症状は抗生物質が効かず、内臓出血や神経系統などを侵され激しい症状を伴って治療が生半ではなく、医療関係者のあいだに緊張が高まっている。高齢者や女性、また子供などが犠牲となりやすい。いきおいあちこちで野菜の買い控え。夏野菜の収穫期のピークに入った農家や関係者が大打撃を受けている。(フランス2TV、TF1TV)