2003年、ちょうどフランスで作家活動をし始めてから20年目。よその国の文化の中で制作をし活動をするたびに露になる問題を、自分なりにバイカルチャー(二重文化)と呼んで浮き彫りにし、欧州大陸を出てもうひとつの大陸アメリカでこの問題を洗いなおそうと試みたことがあった。日本人がヨーロッパからアメリカ文化を見るという稀ながらもほんのナノサイズの視点の文章だが、その中に引き合いに出したキーワードとの接触は13年後の今も少なからず続いている。現在グランパレ国立ギャラリーで行われているジャン=ユーベール・マルタン企画の「カランボラージュ」展で思い起こすくだりを、2003年の研修直後のリポートから引用してみることにした。 ----- [平川滋子、リポート2004、P47-] 文化のグローバリゼーション、二つの観方…